語られなかった土地のトラウマ、百年の時を経て響きあう少女たちの不安――「落下音」4月3日公開
2026年1月8日 12:00

第78回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞作、 第98回アカデミー賞ドイツ代表に選ばれた「SOUND OF FALLING(英題)」が「落下音」の邦題で4月3日から公開される。本ポスター、特報映像(https://youtu.be/W4r-vNpuOIA)が公開された。
ギャガ新設のアートハウス映画レーベルNOROSHI配給第2弾として公開される本作は、1910年代のアルマ、1940年代のエリカ、1980年代のアンゲリカ、そして現代のレンカ――4つの異なる時代を生きる4人の少女たちが、同じ土地で体験する不可解な出来事を描いた、百年にわたる映像叙事詩だ。
監督は、長編2作目にして第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門入りを果たした、ドイツ出身の新鋭マーシャ・シリンスキ。公式上映後には、テレンス・マリック、ジェーン・カンピオン、ミヒャエル・ハネケ、デヴィッド・リンチといった鬼才の名が引き合いに出されながらも、いずれにも回収されない独自の映画世界が高く評価された。また、その革新性は映画祭に鮮烈な驚きをもたらし、「今年のカンヌで最も記憶に残る作品」「映画言語を更新する新たな才能」「次世代を担う重要な監督の登場」と称賛され、カンヌ初参加ながら審査員賞を受賞、さらにはアカデミー賞のドイツ代表にも選出されるなど、勢いを増して現代映画界の最前線へと躍り出ている。
1910年代、アルマは同じ村で、自分と同じ名を持つ幼くして死んだ少女の気配に気づく。1940年代、戦争の傷跡が残る中、エリカは片足を失った叔父への抑えきれない欲望に気づき、自らの得体のしれない影に戸惑う。1980年代、アンゲリカは常に肌にまとわりつく“何か”の視線に怯えていた。そして現代、家族と共に移り住んだレンカは、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感に徐々に侵食されていく。百年の時を経て響き合う彼女たちの<不安>が、この北ドイツの農場を静かに覆いつくしていく――。
特報は、心に静かなざわめきを残す〈不安〉そのものを切り取ったような映像。周囲の時間が停止したかのような空間で、すべてを見透かすように視線を据える喪服の少女。そこにフラッシュバックのように交錯する4つの時代と4人の少女たちの重なり合う記憶、ノイズのように響くサウンドデザインが、不穏な気配をいっそう際立たせる。4月3日から新宿ピカデリーほか全国公開。
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