チェコ・ヌーベルバーグの傑作「ひなぎく」4Kレストア版、26年3月14日公開
2025年12月12日 16:00

2026年に、チェコ・ヌーベルバーグの傑作「ひなぎく」が製作から60年、日本劇場公開から35年を迎えるのを記念し、「ひなぎく」 4Kレストア版として3月14日より全国順次公開される。60周年記念特別キービジュアル、4Kレストア版の素材で制作した予告編、場面写真9点が披露された。
1960年代チェコ・ヌーベルバーグの中でも、「ひなぎく」は今なお独創的な輝きを放ち、映画監督のジャック・リベットやマイク・ミルズ、アルノー・デプレシャン、アリ・アスター、エル・ファニング、「燃ゆる女の肖像」のノエミ・メルランがベスト映画の一本として本作を挙げるなど、世界中の映画監督や表現者に影響を与え続けている。
日本でもカルト的な人気を誇り、60年代女の子映画の決定版と謳われる本作の主人公は“マリエ1”と“マリエ2”という2人の女の子だ。人形の真似をしたり、姉妹と偽って男たちをだまして食事をおごらせたり、牛乳風呂に入ったり、あらゆるものをちょん切ったり、自由気ままに悪ふざけを楽しむ様子が、色ズレやカラーリング、実験的な効果音や光学処理など、あらゆる映画的な手法を用いて描かれる。
©Czech audiovisual fund, source: NFA監督と脚本を務めたのは、チェコ映画の先駆者でありチェコ・ヌーベルバーグで最も有名な女性監督ベラ・ヒティロバー。強烈な個性と実験性にあふれた作風で監督デビューとなった中編2作「天井」と「袋いっぱいの蚤」(ともに1962)が国際的に注目されるが、「ひなぎく」では食べ物を粗末に扱う描写が反体制的だと国会で糾弾され、上映禁止の危機に瀕した。作家のミラン・クンデラをはじめ多くの表現者や市民が作品を擁護し、「ひなぎく」の上映は許可されるが、民主化運動「プラハの春」が1968年にソ連軍によって弾圧されたことでベラ・ヒティロバーは1969年から76年まで7年間の活動停止に追い込まれている。
©Czech audiovisual fund, source: NFA
©Czech audiovisual fund, source: NFA日本では1991年に吉祥寺バウスシアターで初めて正式に劇場公開され、徐々に口コミが広がり満席が続出、6週間のロングラン上映となった。以降、VHSやDVDなど新たなメディアが発売されたあとも、上映のたびに劇場までファンが足を運び続けており、初公開から35年が経とうとする現在もそのカルト的人気は衰えていない。
「ひなぎく 4Kレストア版」は、3月14日からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。ポストカード付きの前売り券2種(1回券1,600円/ペア券2,400円 *ともに税込)が、シアター・イメージフォーラム、メイジャー・ネット通販にて1月9日発売開始。
うつくしく愛らしく無垢であるようで、勝手気ままな少女たちの映像美は何度見ても目を奪われる。
単に綺麗な画面ならば心に残らないものですが、この作品の訳のわからない風刺のような暗示的結末によって普遍的な魅力を放ち続けるのでしょう。
ヒグチユウコ(画家)
宮代大嗣(映画批評)
(C)Czech audiovisual fund, source: NFA
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