退役軍人と大学生の対談授業が実現!「ウォーフェア」が描くリアルな戦争の醜さ訴える
2025年12月12日 23:00

A24最新作で、監督の実体験を元にリアルな戦場を描いた「ウォーフェア 戦地最前線」の公開を前に12月12日、映画に登場するアメリカ兵のモデルとなった退役軍人と青山学院大学の学生をオンラインでつないでの対談授業が行われた。
日本でも大ヒットを記録した「シビル・ウォーアメリカ最後の日」のアレックス・ガーランド監督が、同作で軍事アドバイザーを務めたレイ・メンドーサを共同監督に迎え、イラク戦争に従軍したメンドーサの過酷な戦闘体験をベースにした本作。この日の対談授業に参加したのは、映画の中で敵の襲撃を受けて負傷する兵士・サムのモデルとなった退役軍人のジョー・ヒルデグランド氏で、青山学院の国際政治経済学部の佐竹知彦准教授のゼミの学生たちからの質問に答えた。
メンドーサ監督は、自身の経験に加えて、当時の仲間への徹底した聞き取りを行なった上で脚本を執筆しており、ヒルデグランド氏は完成した映画がどれくらい実体験と合致しているか? という問いに「95%くらい正確。残りの5%も事実と異なることが付け加えられたという意味ではなく、私たちが当時、話していた言葉が誤解を生む可能性があり、わかりにくいので(変更されている)」とリアルな戦場がかなり正確に再現されていると強調する。
この映画をつくることは、戦場でのつらい経験を追体験することにもなるが、なぜそこまでしてこの映画に参加することを決めたのか? という問いには「エリオット(※映画の中に登場する狙撃兵で、敵襲によって重傷を負う)は私たちの友達なのですが、あれから19年が経ったいまも、あのときのことを全く覚えていないんです。この映画をつくることで、彼にあの時、何が起きて、なぜいまこう言う状況になっているのか? というのを見せてあげたいと思いました。(この映画を)エリオットへの贈り物にしたかったし、それは私がもう一度、痛みを経験する価値のあるギフトだと思いました」と説明する。

一方で、この映画に参加したことが、自身にとってセラピーのような経験になったとも。「この映画をつくるまでは、みんなで集まってあの経験について話したり、議論したりする機会はありませんでした。なので、あの戦争の重荷をそれぞれが個々に背負っていて、他の人が重荷を背負っているということも知らずにいました。もちろん、このような重荷は誰も背負うべきではないですし、この映画のおかげで、自分たちのことについて話し合うことができて、ようやく荷を降ろすことできました」と明かす。
自身の経験を伝えることの意義について「私が戦争を通じて学んだ教訓は、みなさんが(同じように戦地で)学んではならない」とし「映画の中にはどれだけ戦争が醜いものかということが描かれています。それはどんな戦争であっても言えることで、(戦争は)非常に個人的なものであり、醜いものであり、過酷なものであるということが描かれています。戦争は、どのような犠牲を払っても避けるべきものだと思います。戦地に送られる兵士たちは、行きたくて行っているわけではありませんが、戦争以外のより良い問題解決の方法があるのではないか? という気がしています」と兵士の目線で“反戦”を強く訴えた。
「ウォーフェア 戦地最前線」は1月16日より公開。
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