伊藤詩織監督「Black Box Diaries」がT・ジョイPRINCE品川で封切り 初日舞台挨拶に本人出席
2025年12月12日 16:15

映像ジャーナリストの伊藤詩織が長編初監督を務め、8年にわたる製作期間を経て、自身の受けた性暴力について調査に乗りだす姿を記録したドキュメンタリー「Black Box Diaries」が12月12日、T・ジョイPRINCE品川で封切られた。
製作には「新聞記者」(2019)、「月」(23)といった社会派作品で知られるスターサンズが参加。2025年・第97回アカデミー賞で、日本人監督として初めて長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。世界60カ国以上で上映された本作は、日本では当事者から指摘を受けた箇所など、一部表現を修正した「日本公開版」として劇場公開される。

初日舞台挨拶には伊藤氏をはじめ、プロデューサーを務めたエリック・ニアリ、ハナ・アクビリンが登壇した。伊藤監督は「本当にこの映画を日本で公開できること、心より嬉しく思います。この映画は日本へのラブレターだと思って、作ってまいりました」と挨拶。「自分に起きた性暴力の被害から、本当にいろいろなことがありました」と振り返った。
続けて「でもこうやって、ひとりではなく、製作チームといろいろなことを乗り越えることができて、そして、見ていても大変な気持ちになる映画だと思うんですけど、皆さんにお届けできることを本当に心から嬉しく思っています。皆さん、ここに来てくださり、ありがとうございます」と日本公開の実現に感謝を伝えた。

司会者から、日本公開にあたり報じられているトラブルについて問われると、「私が生まれ育った、そしてこの問題に対して向き合いたいこの場所で、映画を公開することは私にとって意味があることなんですけど、この映画のプロセスについて、さまざまなご意見がありました。私もとても反省することもありました」とコメント。
「ただ、今日この日を迎えるまで、この映画が本当に上映できるのかという恐怖がありました」とも明かし、「やはりこれまで、とてもお世話になり、尊敬している西廣(陽子)弁護士であったり、元弁護団の皆さんからいろいろなご意見があって、その方々に対して、なかには事実と違うことが報道されてしまったり、一方的な情報が出てしまったことに対しては、私としては、正面から対立した形でお話はしたくないと避けてきた」と語った。
その上で「やはり事実でないことは正していかないといけないと思いまして、本日、映画の防犯カメラの映像でしたり、どういったタイムラインで、この映像を使うことになったのか、昨日西廣弁護士がステートメントをリリースされていましたけど、それに対して、事実でないことに対して、私としても監督としてのステートメントを書きました」と表明した。

具体的な変更点に関しては、「日本のメディアの皆さんからもよく聞かれるのですが、『どういった部分が日本バージョンは変わったんですか?』というところも詳しく書きました。それを私のホームページに載せましたので、今日、司法記者クラブさんにも配っておりますので、そちらを参照していただければと思います。本当に、ご迷惑、ご心配をおかけしました」と思いを語った。
公開初日を迎えた心境については、「まだ実感がなくて。映画を見終わった皆さんのお顔を見ることができるのが、すごく夢のようで、なんとも言葉で言い表せないですが、今日、ずっと一緒にコアでやってきたメンバーとこの場所に立てたことが、本当に本当に感動しています」と話していた。
自身の経験を、ジャーナリストではなく“映画監督”の視点で描くことに関しては「本当に葛藤の嵐で、葛藤でしかなかった」そうで、「2017年に初めて『Black Box』という本を出版させていただきまして、そのときは、まだ民事事件も始まっていなくて、検察審査会にもう1度、事件を精査してほしいと願いながら書いていた時期で、当時は自分の感情を一切は入れず、できる限り、ジャーナリストとして書いていた」と振り返る。
そして「そういう風にジャーナリストとして見ているからこそ、そこにちょっとした距離ができて、常に自分に起きているトラウマだという部分から逃げられることができていたんですね」と語り、「当事者が語る映画を見てみたいという気持ちをもったのがきっかけ。ただ、ジャーナリストとして自分のことを語るなんてタブーですし、取材源とは距離を取ったほうがいいとか、これまで習ったこと、信じたことを一度置いて、ドキュメンタリー映画で何ができるか、学び直した機会でした」と話していた。
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