パレスチナで一部撮影を“強行”! ジェレミー・アイアンズが英国高等弁務官役で出演 コンペティション作品「パレスチナ36」囲み取材【第38回東京国際映画祭】
2025年10月31日 16:00

英国委任統治時代のパレスチナを舞台にした「パレスチナ36」が、第38回東京国際映画祭のコンペティション部門で公式上映された。脚本を兼ねたアンマリー・ジャシル監督が来日。囲み取材に応じ、「この2年間、パレスチナは置き去りにされている状況。一方で、世界中の若者が応援してくれる力強い声も届いていて、変化の兆しだと思っています」と語った。
1936年、英国委任統治時代のパレスチナを舞台に、パレスチナのアラブ人たちがユダヤ人入植者たちと、英国植民地支配への反発から起こした民族主義的な反乱を描いた。

田舎の故郷での伝統的な暮らしを愛しながらも、エルサレムの政治的・社会的緊張に巻き込まれてゆく若者ユスフを中心に、当時の出来事がパレスチナの民族的アイデンティティにどのような影響を与えてきたのか? 撮影パートと資料映像を「編み込みながら」物語を構成し、歴史劇の枠を超え、現在のパレスチナ問題を照射する作品となった。
当初は、パレスチナ全域で撮影が予定されていたが、2023年10月7日、ハマスによるイスラエル攻撃に端を発した軍事衝突により、シーンの多くは隣接するヨルダンで撮影されている。
それでも、パレスチナ人としての強いこだわりから、パレスチナで一部撮影を“強行”。「プロデューサーには強く止められましたが、現地の石畳や岩、そういった土地ならではの要素をどうしても撮りたかった。パレスチナという土地が、映画にとっての重要なキャラクターだからです。撮りたいシーンはもっとありましたが、パレスチナへの渡航が認められない俳優もいて、断念しました」
結果的に、当初の構想に比べて「より多くの資料映像を劇中に使うことになった」といい、「登場人物たちが生きた時代、あの土地を観客に届けるために、とても重要な要素になった」と振り返る。モノクロの資料映像は、カラーリングされており「資料映像が物語の推進力になってほしかったからです。モノクロの映像だと、どうしても現実に引き戻され、観客に一呼吸させてしまうので」と意図を語った。

本作には、オスカー俳優のジェレミー・アイアンズが、英国高等弁務官役で出演している。アイアンズが審査委員長を務めた第70回ベルリン国際映画祭で、ジャシル監督も審査員を務めた縁があり「当時『パレスチナ36』の脚本を執筆していて、ジェレミーに高等弁務官を演じてもらえたら……と思うようになりました。映画ファンなら誰しも尊敬する俳優。勇気を振り絞って、出演オファーをさせていただいた」と経緯を明かした。
「この映画が訴えたいことは、いまに続くパレスチナの状況が、当時のイギリス軍によってもたらされたということです」と主張するジャシル監督。トランプ米大統領によるガザ和平案が、どのような未来を切り開くかは、いまだ不透明な状況だ。
「この2年間、今日に至るまで虐殺が繰り返され、我々パレスチナ人は置き去りにされ、孤立した状況だったと言わざるを得ません。それを世界中の人たちがテレビやスマートフォンで見ていたのですから『知らなかった』は許されない。ようやく事態が展開しましたが、孤立の状況は変わりません。一方で、世界中の若者が応援してくれる力強い声もパレスチナには届いていて、変化の兆しだと思っています」
初めての来日だが、「私の母親が1939年、日本で生まれたんです。ですから、私にとっては重要な国。こうして、日本の皆さんとお会いでき、温かく迎え入れてくださったことが、とても嬉しいです」と喜びを語った。
また、東京国際映画祭については「アジアの中で、最も重要な国際映画祭」と評価。「映画愛がひしひしと伝わる、選りすぐりのコンペティション部門に加えていただき、とても光栄です。パレスチナ人もまた、アジア人。そのアイデンティティも私にとっては、重要なので、参加できることはとても意義深いのです」と話していた。
第38回東京国際映画祭は10月27日~11月5日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。「パレスチナ36」は11月3日、TOHOシネマズ日比谷で午後1時30分から上映。チケットは公式HPオンラインチケットサイトで発売中。
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