コーヒー題材にしたインドネシア人監督、農家の現状に警鐘「大企業が土地奪おうとしている」
2016年11月3日 11:00

[映画.com ニュース] コーヒーをテーマにしたインドネシア映画「珈琲哲學 恋と人生の味わい方(仮題)」が11月2日、第29回東京国際映画祭の特集企画「国際交流基金アジアセンターpresents『CROSSCUT ASIA #03 カラフル! インドネシア』」で上映され、メガホンをとったアンガ・ドゥイマス・サソンコ監督、主演のリオ・デワント、チコ・ジェリコがティーチインに出席した。
バリやスマトラなど、コーヒーの名産地として知られるインドネシアを舞台に、コーヒーとともにある豊かな時間と人間関係を描いた。カフェ「フィロソフィ・コピ(珈琲哲学)」には、借金に悩む経営者のジョディと、上質のコーヒーを提供することに執心するバリスタ、ベンの姿があった。対照的な2人だが、ある実業家から「完ぺきなコーヒーをつくれば1億ルピーを出す」と提案され、店の存亡をかけて挑戦することになる。
サソンコ監督は、「今作にあたりリサーチしたのですが、現在のコーヒー農家が直面しているさまざまな事柄にぶち当たりました」と告白。そのうえで「パームオイルをつくる大企業が、プランテーションから土地を奪おうとしています」と語り、「18年間の改革を経てインドネシア政府はずいぶん変わりましたが、現在、なお多くの人権問題を抱えています。そしてパームオイルが怪物のように農園経営者を食い物にしている状況こそを、映画にしたかったんです」とインドネシアの現状に警鐘を鳴らした。
また、今作をもって同部門すべての上映が終了。サソンコ監督は「こうして東京国際映画祭に呼んでいただくことは、とても名誉なことです」といい、「何度お礼を申し上げても足りないですし、インドネシア特集を設けて頂き、それがどれほど自国の映画産業の励みになっているかわかりません」と感謝を述べる。そして、今作の日本公開も決まっていることから、「配給会社の皆様に、日本の商業館でも上映していただくことにも、お礼申しあげます」と頭を下げた。
さらに、続編の撮影を12月19日から開始すると明かし、「舞台は今作の2年後です」と説明。「次回の東京国際映画祭に、ぜひ持ってきたいと思います」と意気込むと、場内を温かい拍手が包み込んでいた。第29回東京国際映画祭は、11月3日にクロージングを迎える。
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