松山ケンイチ「心揺さぶられた」天才棋士役に自信も羽生善治氏とは会えず「納得していない」
2016年10月5日 22:10

[映画.com ニュース] 松山ケンイチ主演の映画「聖の青春」の完成披露試写会が10月5日、東京・丸の内ピカデリー1で行われた。松山は共演の東出昌大、竹下景子、安田顕、森義隆監督とともに上映前に舞台挨拶。「誰のものでもない、自分の人生を大事にしたいと思った作品。皆さんの心にも何か残ってくれたら幸いです」とアピールした。
幼少期に難病のネフローゼを患い、天才棋士といわれながらもぼうこうがんのため29歳で早逝した村山聖さんの人生を体現した松山。「台本を読んで心が揺さぶられた。村山さんの生き方が好きになっちゃって、この人のためならすべてを捨てられると思った。苦しいこともあったけれど、好きということはすべてを超えられる、そういう役でした」と、「好きに勝るものなし」と揮ごうをしたためた扇子を披露した。
体重を20キロ近く増やし、対局のシーンでは村山さんが愛用していたネクタイを着けて臨むなど役づくりも徹底したが、「そこだけがクローズアップされないよう、精神や内面をつくりあげていくことで、村山さん以上に村山さんになれると思った」と説明。それでも、「理解はしていたが、自分が映っている姿を見るとうまく整理がつかず答えが見いだせていない。お客からももらえるものがあると思うし、ゆっくり確かめていきたい」と話した。
村山さんの前に立ちはだかった最大のライバル・羽生善治三冠に扮した東出も、「台本を読んで鳥肌が立って、仕事が決まって初めてマネジャーと握手した」と感慨深げ。撮影前には森監督とともに羽生氏とも会い、「七冠を獲った時のメガネをお借りして、それが力になった。自分を捨てて何者かになるという境地にはなかなかいけないけれど、その瞬間に初めていけた気がする」と満足げに語った。
しかし、松山は「僕、その場に呼ばれていないんですよ。それが撮影の半ばくらいで発覚したんですよ」と不満を吐露。ライバルに対する先入観をもたせないようにするための森監督の配慮だったが、「ショックだった。クランクイン前に会えなかったことは、まだ納得していないから」と思いのたけをぶちまけていた。
「聖の青春」は、難病と闘いながら将棋に人生のすべてをかけた村山聖さんの半生、母親とのきずな、師弟愛、羽生氏らライバルで仲間だった棋士たちとの友情を交えて描く。第29回東京国際映画祭のクロージング作品に選ばれ、11月19日から全国で公開される。この日は、今年5月に羽生氏を破り名人位についた佐藤天彦氏も観賞に訪れ、登壇者を激励した。
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