「さようなら」監督&主演女優、専門家と難民問題を徹底討論
2015年11月19日 17:00

[映画.com ニュース]人間とアンドロイドが共演する映画「さようなら」とNPO法人「難民支援協会」のコラボ試写会とシンポジウムが11月18日に都内で開催され、深田晃司監督と主演のブライアリー・ロングが、難民支援協会の広報部コーディネーター・田中志穂氏と語り合った。
劇団・青年団を主宰する平田オリザ氏とアンドロイド研究の第一人者である石黒浩氏(大阪大学教授・ATR石黒浩特別研究所客員所長)が共同で製作した演劇作品を映画化。原子力発電施設の爆発で国土のほとんどが放射性物質に汚染された近未来の日本。国民が次々に国外へ避難していくなか、南アフリカからの難民である女性・ターニャ(ロング)と、その生活をサポートするアンドロイドのレオナは町に取り残され、静かに最期の時を迎える。レオナ役には本物のアンドロイド「ジェミノイドF」が使用されている。
映画化に際し、“原発問題”と“難民”という設定を追加した深田監督は「死んでいく女性の孤独と、女性を取り巻く世界そのものが破滅に向かっていく状況を作り出したかった」と意図を説明。作品を2回鑑賞したという田中氏は「難民になったらどうしようと想像できる実験的な映画」と評し、「日頃日が当たらない」という難民問題にスポットが当たったことを喜んだ。
田中氏によれば、日本政府に届け出た難民の数は年間5000人に及び、そのうち認められたのはわずか11人だという。申請結果が出るまでには平均で3年、難民と認定されるのは5年半もの月日を要する。アメリカでは約半数、ヨーロッパでは2、3割が認定されるとあって、「日本の社会はリスクを嫌う。(一部の)難民じゃない人(の悪行)を恐れて、難民も排除してしまう」と現状を紹介した。
各国で暮らした経験を持つロングは、肌で感じた差別について触れつつ「日本では、映画に出たくても『外国人だから役がない』とよく言われる。でも、本作で深田監督が目を向けてくれた」と感謝を述べる。「東京オリンピックも控えているし、外国人の受け入れ方を考えざるを得ない。タイムリーな映画でもあります」と語った。
3者はそれぞれ、難民問題を考えるキーワードに“想像力”を挙げる。「誰だって同じ立場になる可能性がある。自分に近いと感じられるかどうか」(深田監督)、「自分がマイノリティであるという経験をしていない人はいない。他(の事象)にあてはめて想像してみては」(田中氏)。ロングは「日本を出ていかない限りは日本人はマイノリティになることはない」と日本社会の独自性に言及し「本作は、自分の居場所がなくなる不安を描く映画。逃げなきゃいけない時を想像させてもらえる」と作品が難民問題への理解の懸け橋となることを期待した。
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