ヘレン・ミレン、小津安二郎・黒澤明ら名匠に敬意「日本には素晴らしい映画文化がある」
2015年10月24日 21:00

[映画.com ニュース] オスカー女優ヘレン・ミレン主演作「黄金のアデーレ 名画の帰還」が10月24日、開催中の第28回東京国際映画祭の特別招待作品として上映された。2年ぶりの来日を果たしたミレンが、サイモン・カーティス監督、応援に駆け付けた俳優の石坂浩二とともに東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に出席した。
22日のオープニングセレモニーでレッドカーペットを歩いたミレンは、「本当に素敵なレッドカーペットでした」と振り返り、「私の夫は映画監督で、日本映画をたくさん紹介してくれたわ。夫のおかげで小津(安二郎)監督、黒澤(明)監督、溝口(健二)監督の作品もたくさん見ました。日本には本当に素晴らしい映画文化があると感じています」と、日本映画と名匠らに敬意を示した。
アカデミー賞に4度ノミネートされ、「クィーン」で主演女優賞を受賞しているミレンが今作で演じるのは、名画「黄金のアデーレ」こと「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像I」の所有権をめぐりオーストリア政府を提訴した実在の女性マリア・アルトマン。ミレンは、今作への出演を決めた理由を「オファーは多いけど、いい映画のオファーは少ないのよ(笑)。私の中の女優魂が『この役は本当にいい』と伝えてきたの」とニッコリ。さらに「それ以上に、この物語を読んだときに非常に胸を打たれました。私は終戦直後に生まれましたが、戦争で、思い出を共有する家族を失うことの悲しさや、自分のアイデンティティを失うことが、どんなに残酷なことかを語るひとりになりたかったのです」と真摯に語った。
また、先日英ミラー紙で“最も影響力のある女性No.1”に選ばれたミレンは「私は若くはないし、寝起きはそんなに美しくないわ(笑)」と謙遜しながらも、「本当に長生きしたい理由がひとつだけあります。今までたくさんのテクノロジーが生まれて、どこまでいくのか見届けたいと好奇心を持っているの。もしかしたら好奇心こそが若々しくある秘訣かもしれませんね」と年齢とともに増した魅力を振りまいた。
さらに、終始笑顔を絶やさず、カーティス監督や石坂と冗談を言い合って会場を沸かせたミレン。カーティス監督が「実は娘がインターンで2カ月前まで日本にいたんだ。私はずっと日本に来たいと思っていたのに」と嫉妬心を見せると、「今日は私がカーティスをパチンコに連れていくわ! 彼はパチンコが何か知らないわね(笑)」と日本通ぶりを発揮し、会場を大爆笑させていた。
第28回東京国際映画祭は10月31日まで開催。「黄金のアデーレ 名画の帰還」は、裁判の行方とアルトマンの美しく悲しい過去を描く。11月27日からTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開。
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