ワン・ビン監督が来日 雲南の貧しい寒村で親なしで生きる「三姉妹」語る
2013年4月9日 18:00

[映画.com ニュース] ベネチア国際映画祭オリゾンティ部門グランプリをはじめ、世界の映画祭で数々の賞を受賞したワン・ビン監督最新作「三姉妹 雲南の子」公開に際し、来日したワン監督が4月9日、都内で会見に応じた。
標高3200メートルに位置し、中国国内で最貧困と言われる雲南地方の山間の村が舞台。10歳の長女、6歳の次女、4歳の三女という幼い三姉妹は、母親が家を出、父親は出稼ぎに行ってしまったため、長女が下の子の面倒を見ながら、家畜の世話や畑仕事に一日を費やし、子どもたちだけで暮らしている。貧しく厳しい環境の中、たくましく生きていく少女の姿をとらえたドキュメンタリー。
友人に紹介された小説の著者の墓参りとして同地を訪れた際に、泥だらけになって遊んでいる三姉妹に偶然出会い、家族の話を聞いたことが製作のきっかけとなった。「彼女たちの家の貧しさを見て驚きました。私の想像をはるかに超えており、見るのがつらいほどでした。そんな中、長女が私たちのためにジャガイモをゆでてくれたのです。貧しさの中、三人が寄り添って生きていることが私の心を打ちました」と話す。
本作はわずか20日間で撮影されたが、ワン監督は高山病にかかり、途中から自分自身でカメラを持つことを断念せざるを得なかったと明かす。映画製作への原動力を問われると「毎回、ある人物に出会ったときにその人物の経験を理解したい、共有し合いたいと思うのです。その欲望が原動力になっています。貧しく、さみしい雰囲気が漂う環境の中で、三姉妹はどのように生きていくのかに興味がありました。しかし、彼女たちは貧しさに負けないくらいの生命力をもっていました。その人間の持つ生命力をきちんと撮りたいと思ったのです」と力強く語る。
現在北京を拠点に活動するが、今一番興味を持っている対象は長江一帯の地域だと明かす。「今急速に発展している中国経済を担うのが長江のデルタ地域で、最東に位置するのが上海、西の最上流域が三姉妹の住む村です。私は、黄河流域で育ちましたが、長江に対して理解がなかったので、これから何本か作品を撮りたいと思っています。今、農村の労働力が大量に都市に流入しており、人の流れの変化やそれに伴う人々の暮らしの変化を、ドキュメンタリーを通して理解していきたい」と次回作の構想を明かした。
「三姉妹 雲南の子」は5月25日から全国順次公開。過去作「鉄西区」と「鳳鳴 中国の記憶」ニューマスター版が渋谷シアター・イメージフォーラムで5月11から24日まで上映される。
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