映画祭が見出した新星・中野量太監督、長編デビューに「やっと見つけてくれた」
2013年2月5日 12:20

[映画.com ニュース] 次代を担うクリエイターを発掘する「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」で監督賞を受賞した「チチを撮りに」の公開を記念し2月4日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で記者会見が行われた。14年前に家を出た父親との再会を通して、姉妹が味わう悲喜こもごもを描いた家族ドラマ。会見には本作で長編映画デビューを飾った中野量太監督、主人公の姉妹を演じた柳英里紗と松原菜野花、母親役の渡辺真起子が出席した。
「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012」で日本人初の監督賞と、今後の可能性を感じる監督に授与されるSKIPシティアワードのダブル受賞を果たし、第63回ベルリン国際映画祭正式招待作品にも決定している。自主映画を10年以上撮り続けてきた中野監督は、「撮影中は配給も公開も決まっていない状態。世に出るきっかけは映画祭しかないと思っていたので、(受賞を)狙って出品しました。正直『やっと見つけてくれた』という感覚」と感激しきりだ。
ある日、母親(渡辺)から「お父さんがもうすぐ死ぬから会いに行って、ついでにその顔を写真に撮ってきてほしい」と頼まれた姉妹(柳と松原)は、複雑な気持ちを抱えながら、父親が暮らす田舎町へ。しかし、すでに父親は他界しており……。会見では、高齢の白人男性が「こんなに感動した映画は初めて」と涙ながらに絶賛し、中野監督が「サンキュー」と感謝する場面も。「悲しい出来事に直面した人間のおかしさを、バランスよく描きたかった。笑いながら、涙が流れていた……。そんな風に思ってもらえれば、それが僕の作りたかった映画」(中野監督)と演出意図を語った。
また、12年前に製作した処女作について「母親に見せたら、『恥ずかしいから、お前の作品は二度と見ない』と言われた」と振り返り、「この映画はどこかで、母親に見てほしいという気持ちで作った。母親への感謝の気持ちがモチベーションになったし、僕のうそのない気持ちに、キャストの皆さんが応えてくれた」と胸中を明かした。母親を演じる渡辺は「現場を仕切っていたのは私? どうでしょうね(笑)。でも中野監督は“言われ強い”ですよ。私たちが言うことを全身で受け止めて、仕切り直してくれた」と中野監督の手腕をたたえた。
「チチを撮りに」は2月16日から全国で公開。
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