服役中の囚人たちがシェイクスピアを上演 「塀の中のジュリアス・シーザー」V・タビアーニ監督に聞く
2013年1月25日 19:20

[映画.com ニュース]1954年に初めて短編を撮って以来、60年近くも一緒に映画を作り続けているパオロ(81歳)とビットリオ(83歳)・タビアーニ兄弟。カンヌ映画祭のパルムドールを受賞した「父/パードレ・パドローネ」や、「サン・ロレンツォの夜」「グッドモーニング・バビロン!」など、日本にもその傑作群はコンスタントに紹介されている。第62回ベルリン映画祭金熊賞を受賞した、彼らの5年ぶりの新作「塀の中のジュリアス・シーザー」が1月26日公開になる。
全編刑務所のなかで撮影され、本物の囚人たちがオーディションに始まりシェイクスピアの戯曲を上演するまでの様子を追った、迫真のドキュドラマだ。ローマ近郊にある刑務所レビッビアで演劇実習が行われていることを知った兄弟が、1カ月通い続けて完成させた。その過程を振り返り、兄ビットリオは次のように語った。

「これまで常に自分たちが本当に情熱を感じる題材に取り組んで来たつもりでしたが、今回の経験はわたしたちにとってかつてない驚きと感慨をもたらしてくれました。初めて囚人たちをオーディションしたとき、いつも俳優たちにリクエストするように、名前と出身地を言い、せりふをしゃべってもらいました。ただ彼らへの配慮として、本名や素性を明かす必要はない、言いたくなければ偽名でよいからと伝えたのです。でも驚いたことに偽名を使う人は誰もいなかった。彼らはむしろ、世界から隔離された状態にある自分の存在を、少しでもアピールしたかったのです。わたしたちが暗殺を題材にした『ジュリアス・シーザー』を演目に選んだのは、囚人たちが共感しやすいだろうと思ったからですが、そこから引き出された反応は、予想をはるかに超えるものでした。ブルータス役の俳優がシーザーの暗殺計画を口にするとき、わたしはカメラを見ながら思わず身震いしたものです。彼はこのせりふの真の意味を知っているのだ、と! 彼らが役柄と対話するさまは、とてもエモーショナルでした」
演劇が囚人たちに解放感を与える一方で、自由を奪われた境遇を一層感じさせるようにもなる。映画のラストで囚人がつぶやく一言が、重い響きとなって観る者の脳裏にこだまする。監督は語る。
「映画が完成して刑務所を去るときは本当に辛かった。彼らはもちろん罪を犯した者たちですが、それでも長く一緒にいることで情が移りました。わたしは彼らに、たとえ刑務所の中でも人生の別の面があることを知って欲しかったのです」(佐藤久理子)
今月開催された第24回パームスプリングス国際映画祭では、コジーモ・レーガ(キャシアス役)、サルバトーレ・ストリアーノ(ブルータス役)、ジョバンニ・アルクーリ(シーザー役)が国際批評家連盟賞外国語映画最優秀男優賞を受賞。ストリアーノを除く2人の、服役囚の受賞という異例の結果が話題となっている。「塀の中のジュリアス・シーザー」は1月26日公開。
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