北野武「アウトレイジ」完結編、ベネチアで評判上々 若松監督作も重厚な仕上がり
2012年9月5日 14:05

[映画.com ニュース] 第69回ベネチア国際映画祭で9月3日(現地時間)、北野武の「アウトレイジ ビヨンド」(コンペティション)、また4日に若松孝二の「千年の愉楽」(オリゾンティ部門)が相次いで上映された。
3日に公式上映が行われた「アウトレイジ ビヨンド」は、べネチア恒例であるイタリアの北野ファン・クラブのメンバーも駆けつけ、会場は満席となった。上映中、ユーモラスなシーンでは笑いも起こり、最後は拍手喝さいに。客電が着くとスタンディングオベーションが沸き起こり、北野人気を見せつけた。海外のジャーナリストの反応も良く、「前作よりわかりやすく、切れのいいストーリーテリングだった」「娯楽的でありながら、映画術的にもさらに進歩したと思う」といった意見が聞かれた。北野監督自身も、前作に比べ娯楽性を目指したことを強調。「『アウトレイジ』では暴力的なシーンのすごさばかりが取り上げられてしまったので、今回は暴力描写をちょっとセーブしたつもり。自分のなかのエンタテインメント性だけを選りすぐって作ったらこうなった」と語った。
若松孝二が中上健次の原作を映画化した「千年の愉楽」は、かつて中上と交流のあった若松監督が、「いつか彼の作品を撮ってみたいと思っていた」というだけに、気迫のこもった作品に仕上がった。紀州の入り江に面した小さな集落を舞台に、美しいがゆえに女の業に振り回され、命を燃やし尽くした男たちの激しい生きざまを、差別や偏見といった社会背景の上に力強く描く。撮影日数はわずか13日。若松組特有の低予算のインディペンデントスタイルは変わらないながら、重厚な映像や、俳優たちの情念あふれる演技が物語をけん引する。
会見で若松監督は「誰も語りたがらないが、日本でもいまだに差別の問題はある。自分にとって映画とは、ラジカルでポリティカルなテーマを表現できるもの。映画を武器にして戦い続けたい」と語った。今回、若松監督とともにベネチア入りしたキャストの高良健吾、高岡蒼佑、原田麻由もそろって会見に参加し、ふだんの映画作りとは異なる、「怖いほど自由に演技をさせてもらえた現場」についてコメントした。
若松監督の名はフランスを始めヨーロッパで知名度を得ているが、今回はすでに海外のセールス・エージェントも付き、注目度の高さを感じさせた。(佐藤久理子)
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