前例なき本格3D映画「牙狼」 手探りのなかでも「やりきった」
2010年10月29日 11:52

[映画.com ニュース] 人気特撮シリーズ最新作で、本格3D映画として製作された「牙狼<GARO> RED REQUIEM」。原作も務める雨宮慶太監督に、3D映画ならでは苦労や裏話を聞いた。
2005~06年にテレビ放送され、パチスロ機のヒットなども手伝いファン層を拡大している同名特撮シリーズ初の映画化で、人間の邪心にとりつく魔獣ホラーと戦う魔戒騎士・冴島鋼牙(小西遼生)の戦いを描くアクション。
ポストプロダクションで3D変換するのではなく、撮影から専用のカメラを用いて製作された本格3D映画。雨宮監督やスタッフ、キャストたちは前例のないなか、今できる最高のものを目指して手探りのなか奮闘し「与えられた時間と条件を使い切るだけ使い切って、やりきったという感覚はあります」と振り返る。
「3D映画自体は『アバター』などがあったけど、邦画ではかかわったスタッフや撮影方式を知っているスタッフもいないし、こうしたCG合成が多いアクション作品で3Dという作品もなかった。だから手探りだったけど、やれることはやったと思う。他のスタッフで、製作期間ももっといっぱいあれば、もっとやれたかもしれないし、やれなかったかもしれない。それはとにかく今は分からないですね。比較対象がない分、不安ではあるけど、妥協したところはすごく少ない」
最も苦労したのは、実写映像とCGの合成だ。「全部CGで作った空間に実写の役者を合成するシーンは、計算してやらないと取り返しがつかないので難しい。これまでのテレビや2D映画なら、人物を拡大縮小させたりもして、ある程度、力技で後から直せるけど、3Dの場合はそれができない。撮りきった絵にあわせて環境を作っていかなければいけないので、撮影時に、あとでどのくらいのスケールで合成するかというのを把握してないといけない。その認識をもって撮影行為をしているかどうかが一番大変なところです」
その難しさは、製作中に公開された「アバター」を鑑賞しても感じたという。「実写の俳優とコンポジットされているところは、『アバター』でもちょっと苦労している感じはしました。なじみの問題とかね。でも、技術的なひとつの正解というか、これを見たお客さんが『牙狼』を見るんだなという戒めにはなりました」
「新しいコンテンツが広がっていかないと未来がない」という考えから、3D映画の普及に賛成する雨宮監督。また3D映画を作れる機会があれば「やってみたい」と意欲ものぞかせている。「今回の『牙狼』をやってみて、新たに思いついた手法や表現がいくつかあります。それはもちろん今回の『牙狼』には入れられていないので、次に3D映画としてやってみたい、チャレンジしてみたいと気持ちはありますね」
「牙狼<GARO> RED REQUIEM」は10月30日から全国で公開。
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