「THE CODE/暗号」で現代劇に挑戦。歌舞伎界のプリンス、尾上菊之助に聞く
2009年5月8日 12:00

[映画.com ニュース] 林海象監督の人気探偵シリーズ「探偵事務所5」の最新劇場版「THE CODE/暗号」(5月9日公開)に主演した尾上菊之助に話を聞いた。本作で尾上が演じるのは、暗号解読のプロフェッショナルである“探偵507”。とある人物から暗号解読を依頼され、単身乗り込んだ上海で絶体絶命のピンチに立たされるという役どころだ。
当初は探偵役に「触れたことがない世界なので、イメージが湧かなかった」という尾上だが、数字と向き合い暗号解読という特殊なミッションに挑む507の個性的なキャラクターには大いに惹かれたそうだ。「僕自身、学生時代は数学が好きでしたしね。公式を用いて、たった1つの答えが導き出されるという点がいいんですよ」
和装のイメージが強い尾上が、ブラックスーツに黒縁眼鏡というファッションに身を包み、アクションもこなす姿はファンならずとも新鮮。「素手での格闘は、歌舞伎の世界では多くないですからね。それに507は本来、肉体派ではない。相手を倒すというよりも、逆にやりこめられる場面が多くて難しかったです」と尾上。実際、相手とのタイミングが合わず、パンチが顔に入ってしまったこともあったそうだが、この件については昨年行われた完成報告会見の席で、林監督が「尾上さんのお顔にキズがついたらと、ヒヤヒヤでした」と心境を告白している。
稲森いずみ演じる謎の美女・美蘭(メイラン)との切ないラブストーリーも作品の見どころ。「稲森さんはクールな印象で、美蘭に通じる寂しさや孤独感が伝わってきました。演技なのかご本人が持つ雰囲気なのかは分かりませんが……507は美蘭を愛し、守ろうとしますが、彼女に対する思いが強くなればなるほど、人の心の複雑さを知ってしまう。今まで答えがハッキリ出る暗号解読の世界に生きてきた507にとっては、人生最大の難問だったはずですね」

「犬神家の一族」「怪談」など映画でも独自の存在感を放つ尾上は、今後の映画出演に関して「自分にとって映画はかなり特別。演じるという意味では(歌舞伎と)変わらないかもしれないけど、表現方法が違いますからね。未知数なところがありますが、自分の感情にウソをつかず、縁を大切にしていきたいです」と前向きなコメント。最後に「探偵事務所5」シリーズに登場する“探偵十訓”にちなんで、演技者としてのルールを尋ねると「やっぱり遅刻しないことですよ」と笑顔で答えてくれた。
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