黒木和雄監督の遺志を引き継ぎ「火垂るの墓」完成
2008年6月17日 12:00

[映画.com ニュース] 戦時中の幼い兄妹の姿を描き、直木賞を受賞した野坂昭如の同名小説を実写映画化した「火垂るの墓」が完成。6月16日、東京・丸の内の東商ホールにて、完成披露試写会が行われ、主演の吉武怜朗、畠山彩奈、松田聖子、松坂慶子、日向寺太郎監督が舞台挨拶に登壇した。
本作は、太平洋戦争末期の1945年6月、大空襲に見舞われた神戸を舞台に、優しい母(松田)を失った、14歳の清太(吉武)と4歳の節子(畠山)の幼い兄妹が、親戚の未亡人(松坂)を頼るがひどい仕打ちをされ、2人だけで生き抜こうとするというストーリー。
元々は、「父と暮らせば」「紙屋悦子の青春」の黒木和雄監督が映画化する予定だったものを、黒木監督が06年に急逝したことから、黒木監督の一番弟子とも言える存在だった日向寺監督がその遺志を引き継ぐ形でメガホンを握った。「戦争を知らない僕が、黒木監督から聞いていたそのままを形にするのでは、メッセージが伝わらないと思った」と、日向寺監督自身は重責に不安を感じていたそうだが、試行錯誤の末出来上がった脚本を読んだ松田は、「脚本が素晴らしく、映画の一部を担うことが出来たら、どんなに素晴らしいだろうと思った」と絶賛。松坂も「日向寺監督は、“パターン化されたいじわるな人にはしたくない”と仰ってくれた。最初は優しいお母さん役だと思っていたので自信はなかったが、監督のおかげで演じきることが出来た」と、監督の手腕を評価した。
その一方で、吉武、畠山の2人は、松坂の演技について「撮影中は怖くてビクビクしていたが、普段は優しかった」(吉武)、「上手でした」(畠山)とコメントして会場中の爆笑を誘ったほか、「戦争についてよく知らなかったが、命の大切さを感じた。これからは僕らのような人間が、戦争について伝えていかなければならない」と、しっかりした一面も見せた。
「火垂るの墓」は7月5日より全国公開。
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