エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命

劇場公開日:2024年4月26日

解説・あらすじ

19世紀イタリアで、カトリック教会が権力の強化のために7歳になる少年エドガルド・モルターラを両親のもとから連れ去り、世界で論争を巻き起こした史実をもとに描いたドラマ。

1858年、ボローニャのユダヤ人街に暮らすモルターラ家に、時の教皇ピウス9世の命を受けた兵士たちが押し入り、何者かにカトリックの洗礼を受けたとされるモルターラ家の7歳になる息子エドガルドを連れ去ってしまう。教会の法に則れば、洗礼を受けたエドガルドをキリスト教徒でない両親が育てることはできないからだ。息子を取り戻そうとする奮闘する両親は、世論や国際的なユダヤ人社会の支えも得るが、教会とローマ教皇は揺らぎつつある権力を強化するために、エドガルドの返還に決して応じようとはせず……。

監督・脚本は、「甘き人生」「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」「シチリアーノ 裏切りの美学」などで知られるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ。教皇ピウス9世役はベロッキオ監督の「愛の勝利を ムッソリーニを愛した女」にも出演したパオロ・ピエロボン。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

2023年製作/125分/G/イタリア・フランス・ドイツ合作
原題または英題:Rapito
配給:ファインフィルムズ
劇場公開日:2024年4月26日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第76回 カンヌ国際映画祭(2023年)

出品

コンペティション部門
出品作品 マルコ・ベロッキオ
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16
  • 画像17

(C)IBC MOVIE / KAVAC FILM / AD VITAM PRODUCTION / MATCH FACTORY PRODUCTIONS (2023)

映画レビュー

4.0 ゆったりした語り口で語られる、不条理なまでに翻弄された人生の物語

2024年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

1858年にボローニャで起きた事件を題材にした歴史劇である。仲睦まじいユダヤ人一家に育つ少年がとある理由によって親元から引き離され、カトリック教徒としての生活を余儀なくされる。ストーリーの柱には、現代でもあらゆる争い事の火種となりうる「宗教上の違い」があり、教義のため、宗教上の権威のために是が非でも事を為そうとする、優しい顔をした非情さが本作を不気味な闇で覆う。その一方で、これはいたいけな少年の瞳を通じた年代記でもあるのだ。己の理解がまったく追いつかぬところで全てが目まぐるしく移ろうお伽話のような感触すら持ち、彼は数十年のうちに大きな精神的変容を辿ることになる。ベロッキオ監督曰く、この事件はイタリアにとって重要な歴史的瞬間だったとのこと。なるほど、描かれるのは、宗教的支配が近代史のうねりによって変わりゆく過渡期。ゆったりした語り口ながら、当時を生きたあらゆる人々にとっての激動の物語なのだ。

コメントする (0件)
共感した! 6件)
牛津厚信

3.0 オペラ文化が出ているのか独特な作風

2026年1月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

オペラ文化が出ているのか独特な作風

コメントする (0件)
共感した! 1件)
いのしし

2.5 宗教が法律だった国

2026年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

驚く

キリスト教がテーマの作品は、キリスト教者でない私にとっていつも難しいです。
本作では、イタリアを治めていたのがカトリック教会であったこと、すなわち教会法が国の法律であったことを始めて知りました。その教義により教会が親の元から子供を連れ去ることができるという、それがわずか150年前までは合法であったとは驚きです。
更に子供が連れ去られる発端となった事件(?)の真相が作中で明らかにされるのですが、実行犯の動機はともかく、その背景にあった真の動機は想像を絶するものでした。

神(仏?)と祈りが自分自身と一体化している感覚を持たない、神は自分とは別のもので心の赴くままに祈りを捧げることもあるという認識の自分にとってキチンと理解できたかは不明ですが、自身と神を一体化していた時代、信仰を変えるということは麻酔無しの外科手術に例えられるような苦痛を伴うものであったのかもしれません。
神と一体であるとしても父母の存在が心の大きな部分を占めた幼少期から、自らの意思を明確に持った青年期に至るまでの主人公の葛藤をつぶさに描く代わりに、イタリアの宗教改革の歴史的事件を追う構成がちょっと不思議でした。
史実なので不確かな部分の描写は避けたのかもしれません。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
さとうきび

3.5 最近、親族の納骨があり翌日、親族のお葬式がカトリック教会で会った。...

2025年11月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

ドキドキ

最近、親族の納骨があり翌日、親族のお葬式がカトリック教会で会った。
全く違う様相ではあるが若干の違和感を感じるも平然とどちらも参列した。
ほとんどの日本人がそうであるように宗教には寛大というか「無関心ではないがそのときそのときの都合によって神様を代えれる多様性を持ち合わせている」と良いように思ってしまう。
この映画は全くそうではない。
母親の死に際で改心させようとする息子にがんとして断る母親。
子どもだったから長い年月を経て改心できたのだろうし、他の家族は家族を連れ去られた悲劇を背負い生きてきたのだから改心するという選択肢はなかったに違いないし。
ただ、つれさられたエドガルドには何の罪もない。権力者のエゴに巻込まれただけなのに。
母と死別した後もキリスト教宣教師として立派に生きられたという史実もこれまた感動の余韻を残した。
子どもから改心するまでの10年間が描かれていなかったのは残念だった。それを描くと3時間以上の大作になるかも。

それにしても司教のエルガルドに靴をなめさせたり地面に舌で十字を書かせたり、完全なるハラスメントである。実際にはないと思うが
今風で言うなれば宗教ハラスメント、宗ハラである。
権力者のいやな一面でメチャクチャ腹立たしく思ったシーン。
これも史実に基づいていたのかなあ。多分、そやろなあ。知らんけど。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
♪エルトン シン