好きにならずにいられないのレビュー・感想・評価
全81件中、1~20件目を表示
悪人の出てこない映画
優しいフーシに不幸が訪れるのではと、ドキドキしながら観ました。
根っからの悪人は登場せず、もちろん人も死なない。自分は傷つけられても決して人を傷つけないフーシ。あ、一度だけ肉体的に傷つけた相手はいたか。でも100パー自業自得でフーシは全然悪くない!初体験した翌日の、生まれ変わったような朝を向かえさせてくれた彼女はメンヘラで、フーシはとことん傷つけられるけど、それでもやっぱり優しいフーシ。えっ終わり?と思ったけど、そこには年相応に大人になって一歩踏み出したフーシがいました。旅から戻ったらいいことあるといいね~フーシ。
【とにかく優しいフーシ】
人の心を読み、相手を思いやり、余計なことを言わず、誰の悪口も言わない。
絵に描いたように優しい男・フーシの物語だ。
しかし、そんな彼を取り巻く世界は驚くほど優しくない。
職場ではまるで高校生のようないじめを受け、思わず「なぜ彼を?」と疑問と怒りがこみ上げる。
さらに、自己中心的な母親。
息子を“できない男”に育てたのは自分なのに、その自覚がない。
見ていてモヤモヤが募る。
そして恋人。
一方的に鬱状態になり、立ち直ったかと思えばまた落ち込む。
その度に振り回されるフーシを見て、また別の怒りが湧く。
優しい主人公の物語なのに、観ている側の心がざわつく。それでも不思議と目が離せない。
フーシはどうすれば、この停滞した状況から前へ進めるのか。
その答えを、静かで繊細なシーンの積み重ねで描き出す、優しい余韻の残る作品だった。
孤独か成長か
自ら何もせず孤独に生きることを余儀なく選択してきた。
実家暮らしの内気な童貞中年男のフーシ。そんな自分のことを否定せず拒絶もされずに応対してくれる少数派の人々には心を開いて優しく接する。かといって執着もしない。
そんなフーシと偶然出会った彼女も似た者同士の周りと馴染めないメンヘラ系女だった。彼女のルックスは普通の分類だが精神疾患の短所があるため彼氏ができないのだろう。どちらも労働系や製造業にいるタイプだ。
二人は孤独を好んでいるわけではなく、自分の特徴に従いそうせざる得ない。変えられないし変わろうとする勇気もない。
そんな二人にも人からの優しさと夢に飢えていて引き寄せあうことができた。
しかし、人とまともに付き合うことができないことも知っていたのだろう。
そんな二人のなかで一瞬でも夢が見れたこと。心が通い合った経験が後の人生を豊かにするであろうと祈りたい。
彼女が身勝手でわがままだという見解もわかるが、フーシのような男と住めばイラついて憎たらしくなる醜い自分の心が辛くなるのだろう。
もっと言えば、見た目の悪い優しいだけの男と精神がまともでなく普通の性格ならモテる女の短所のぶつかり合いを乗り越えることができない結末だということだ。
男はつらいよと同じカテゴリーの映画だったと感じた。
自由で孤独、共感した。
アイスランドの純文学
好きにならずにいられない(Fúsi)
──孤独と優しさの閾値をめぐる私的考察
ベルリン国際映画祭やトライベッカ映画祭で賞を受賞したアイスランド映画『好きにならずにいられない』
原題は「Fúsi」、主人公の名前そのものだ。
43歳、独身、太った巨漢でハゲ頭。趣味は戦争のジオラマ、特技は機械操作。毎日同じことを繰り返し、職場ではいじめを受けても知らん顔でやり過ごす。
彼の生き方は、現代社会では「何もしない」という選択に見える。
何もしないことは悪なのだろうか?
親は「自立」を迫り、同僚は陰口を叩く。
自立という言葉は、いつの間にか正義のマストになってしまった。
フーシの母も、夫を失ってから恋人と暮らしながら、息子の自立を望むが、子離れできない寂しさを抱えている。
そんなフーシの前に現れるのがシェヴン。
彼女は嘘をつく。
花屋で働いていると言いながら、実際は清掃会社を無断欠勤している。
なぜ嘘をつくのか?
それは、捨てた夢を夢のまま持っていた方が「いい人」に見えるからだろう。
彼女の心には孤独が巣食っている。
孤独を愛してしまった人間は、その殻を破ることが怖い。だから「一緒に住みたい」と言いながら、引っ越し当日に「やっぱ無理」と告げる。
別れの言葉だ。
ここで私は考える。
フーシの優しさは、どこまでが優しさで、どこからが自己犠牲なのか?
鬱でトイレに籠る彼女を世話し続ける彼。
「君を喜ばせたかった」という言葉は、誰もが共感できる。
しかし、誰にも閾値がある。
フーシの懐は、真似できないほど大きい。
やがて、フーシは決定的な学びを得る。
職場でショーガールとの性行為を強要されそうになったとき、初めて力で拒絶した。
受け入れられることと、受け入れられないことがある。
それは人それぞれだ。
フーシは、シェヴンの孤独という絶対領域を犯せないと悟る。
そして、彼女に元お菓子屋の空き店舗をプレゼントする。
それは映画「あの娘は知らない」のサンダーソニアに込めた花言葉の祈りのようだった。
二人で行くはずだったエジプト旅行。
フーシは一人で飛行機に乗り込む。
アイスランドの寒さから灼熱の砂漠へ。
離陸の瞬間、彼は微笑む。
他人を変えることはできない。
しかし、自分を変えることはできる。
この映画は、その普遍的な気づきを、私にそっと差し出してきた。
じわじわ
主人公フーシは見かけは太くてオタク気質だけど、とびきり優しい奴。職場の同僚や近所の人がきつい対応を後日謝罪しても「気にするな」と一言。情緒不安定でコロコロ対応が変わる彼女にも常に優しく接していました。
一方で友人やラジオDJ、タイ料理屋の主人、彼女の代わりに働いた職場の人たちが彼に好意的に接してくれます。
その彼らのフーシに向ける行為が彼の人間の器量の良さを極わだせていきます。特にいじめられるんじゃないか、そわそわして、パブでまさかビールを奢られる時の拍子抜けした表情はかわいかった笑 フーシの仕事ぶりがみんなに評価されたんだぞ、っつぶやいちゃいました。
見返りなんていらない、フーシの優しさに「じわじわ」させられた佳作でした。
その献身的な愛情ってどこから湧き出てくるんだろうって思った。 愛す...
心優しき道化
映画を見終わった頃には、冴えなくてどんくさくいけれど、心優しいフーシが好きになる。
宮沢賢治の雨にも負けずを思い出した。
「東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
誉められもせず苦にもされず …」(抜粋)
あまりに自己犠牲的で素直だから、途中何度も騙されてバッドエンドになるんじゃないかとひやひやした。けれど周りの人間たちも彼の心根の良さを知っていて、気遣ってくれたのが救いだった。
ハッピーエンドとはいかないが、希望のある終わり方でよかった。
彼の愚かしくも温かい優しさに、少し勇気をもらった。
フーシは一見甘やかされて育ったただのマザコン
みたいに見えるけど、実は心にメラメラと燃え滾るものがあって、でもどうせ俺なんかって自分で蓋しちゃって生きてたただけなんだね。シェヴンがきっかけでそれが春になって雪の中から新芽が出るように発露したんだなきっと。シェヴンもかなりややこしい女だけど、フーシわかるんよねシェヴンがしんどいこと。自分もしんどかったから。
それにしてもダンス教室やだなって言ってたころからめっちゃアクティブになったよな。嫌な奴の車直したり、シェヴンの勤務先に行って働いたり、おかん切って引っ越ししようとして、でも土壇場でシェヴンひっくり返されたり、それでも店プレゼントしたり、最後はエジプト一人旅か。飛行機に乗ったこともなかったのに。いやー人生いろいろ思いどおりにならんことばっかだけどがんばってるよね、楽しんでるよね、生きてるって感じしたわ。
タイトルなし(ネタバレ)
第二次世界大戦オタク
アジア料理オタク
ヘビメタ好き
内気で外見に無頓着な彼は、周りの大人に偏見を持たれたり、いじめられたり。子供には好かれる。大人になればなるほど、何か人やものを見た時、周りを囲む情報で判断してしまい、そのものを見るという事が難しくなってゆく。子供は、相手の目を見て、その奥の心が見えるのかもしれない。
主人公フーシが、シェヴンに出会い、惹かれ始める。
臆病ながらも、静かに自分を押し上げてゆく様子が良かった。精神的に病み浮き沈みの激しい彼女を支え初め、徐々に彼の魅力が引き出されてゆく。自分を1人の人間として対等に接してくれた彼女への、恩返しのような一つ一つの行動に、大きな愛を感じた。愛って、いいなー
外に出ることすら億劫だった彼が、エジプトへひとり旅に出る。彼女と行けなかった寂しさ、初めての旅への緊張、少し何かが吹っ切れたような清々しさ、最後の表情にさまざまな感情を見た
心が潰れるような辛いこと。心が沈む出来事。出会い、そして、別れ。全ては、臆病だった彼が新たな人生を歩むためのプロセスを描いた物語。
フーシは、どんどん幸せになっていくだろう
はじめの一歩を踏み出す難しさ、それを乗り越えたのだから
きっと何かが待っている!(いい意味で)
外見のこともあり(太っていてうだつが上がらない感じ)、積極的に外の世界に踏み出すことができない主人公。しかしあるきっかけを元に、女性と出会い変わっていく。
彼女のことを好きになっちゃうわけだけど、その女性はめちゃくちゃ情緒不安定。
関係がうまくいかず、傷つけられてしまう。
ハッピーエンドは提示されていないけど、外の世界に飛び出せば、いろんなこともあるかも知れないけれど、その方が絶対いいよ。
きっと何かが待っている!(いい意味で)
途中ちょっと寝た
余裕がなくなったら何度でも観たい
全81件中、1~20件目を表示










