シグナルのレビュー・感想・評価
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解釈の多さ
## 選別される世界──『シグナル』論
2015年の映画『シグナル』は、ジャンル上はSFスリラーに分類される。しかしこの作品の本質は、スリルでも謎解きでもない。むしろそれは、「人間はどこまで人間でいられるのか」という、静かで不穏な選別の物語である。
作中に登場するドクター・デーモンは、極めて奇妙な存在だ。彼らが着用するのは、消防や化学災害で用いられる防護服ではなく、ほとんど宇宙服に近い装備である。彼らはそれを「汚染防止」と説明するが、その言葉が何を意味しているのかは、最後まで明確にはされない。
ドクターはニックたちに向かって言う。「これで、なぜ我々が君たちに興味を持ったかわかっただろう?」。その言葉と、ドクター自身の身体の異様さを考え合わせると、ニックたちに起きた出来事が、彼の言うEDE(地球外生命体)による介入であった可能性は極めて高い。
彼らはニックたちを「完璧な融合体」と呼ぶ。しかしその言葉は、むしろドクター自身にこそ当てはまるように見える。人間とマシンが結合し、地球の科学では説明できない現象が現実に起きている。ドクターたちの研究、あるいは調査は、その未知の進化過程に深く関与していることは疑いようがない。
物語の終盤、映像だけで語られる大どんでん返しは、もはや『マトリックス』的世界観に踏み込む。タイトルである「シグナル」を追い続けた末に、EDEに認められた者だけが手にするBMI(ブレイン・マシン・インターフェイス)。そして、初めて示される「本当の地球の姿」。
この作品が示唆するのは、地球外からのアクセスと介入である。EDEは、生命がある段階以上の進化を遂げられないと判断し、マシンによって弱点を補完することで進化を加速させようとしたのではないか。その際、鍵として重視されたのが「精神力」だったと、ドクターは語る。
精神力とは、おそらくマシンでは代替できない領域である。だからこそ、融合という手段が選ばれた。精神力が未熟な存在は、融合しても真の能力を発揮できない。その見極めこそが、ドクターたちの最大の関心だったのだろう。
多くの物語と同様に、この作品もまた、精神力を感情へと置き換え、「怒り」を最大のエネルギー源として描く。しかしこれは非常に危うい発想でもある。怒りは力を生むが、同時に人を支配するための最も安価で効果的な装置にもなり得る。それは真理というより、操作のための「嘘」に近い。
牛を用いた実験シーンも象徴的だ。刺激を与えることで発揮される怪力。それは肉体の強化ではなく、感情への介入だったのではないか。しかし、BMIで満たされたドクターたち自身は、なぜその力を行使しないのか。ここに彼らの限界、あるいは欠落がある。
物語の出発点であったハッカー・ノーマッドの正体が、ドクター・デーモンであったと明かされたとき、EDEの存在は逆に遠のく。彼らは姿を見せず、ドクターたちを通じて人間をリクルートしていたのだろうか。では、道中で殺された人々は何だったのか。もし地球がすでにあの形であるなら、排除する必要は本来ないはずだ。
宇宙服のような装備は、感染防止ではなく、彼ら自身の本当の姿を隠すためのものだったのだろう。閉じ込められた世界は、選別の結果、落第と判断された者たちの居住区なのかもしれない。エリア51と陰謀論的空間が、単純に地続きであるという示唆も、決して偶然ではない。
物語は一貫してニックの視点で語られる。つまり、ニックとは観客そのものだ。ドクターの会話から察するに、彼の身体的障害すら、EDEとの接触による評価の一環だった可能性がある。人は一人ひとり、知らぬ間にチェックされている。
多くを語らない余白こそが、『シグナル』の最大の魅力である。アノニマス的ハッカー集団とUFOアブダクションの神話。その二つを接続し、「選別」という恐ろしい発想をここまで静かに描いた作品は多くない。細部を拾い上げれば拾い上げるほど、この物語は観る者の妄想を深く、そして不穏な場所へと導いていく。
ウィリアム・ユーバンクって監督に興味シンシン。低予算の なにこれ作...
ウィリアム・ユーバンクって監督に興味シンシン。低予算の なにこれ作品をここまでハイセンスに仕上げちゃった!うまいっ!きれいっ!ラストまで魔法にかけられる。
鑑賞日:2014年8月19日 FacebookNotes より移動
陳腐、古典SF的
斬新すぎ
エイリアンの陰謀?
最初はハッカーの正体を暴く学生のサスペンスかと思ったら、途中から謎の施設でパワーを持った義足や義手に改造手術され途方に暮れる主人公、どういう訳か脱出できたが追われる身に・・。謎のハッカーの正体は政府の軍人ではなく得体のしれないアンドロイドだった。
一体、何がどうしたのかさっぱり分からないストーリー、つまり筋書よりも混乱させたいだけのホラーの部類の映画だったのでしょうか。
学生たちをおびき寄せるエイリアンの陰謀だったらしいが何故そんな回りくどいことしたのでしょう、兎に角、訳がわかりません。
やってはいけないスローモーション集
不思議な映画
傑作SFスリラーと呼ぶのはどうかと思うが、不思議な感覚を味わえる深い作品だった。
頭脳派の二人がPC上で「誰か」とやり取りをしている所から始まるのだが、この三人の生い立ち等が深く描かれる事は無く、主人公の恋人の引っ越しを兼ねての旅行という名目で、男二人はその「誰か」を突き止めようと夜な夜な奮闘している。その道中、防護服を着た謎の組織に捕らえられてしまうのである。
彼らいわく、三人はある物と接触をし、汚染されているとの事だ。そこからは尋問のシーンが続くので画的には盛り上がりのない一本調子の描写が続いていく。だが、時折過去の出来事のフラッシュバックが差し込まれ、こういったシーンが後々回収されてくる構図であった。
全てがすっきり回収される訳ではなく、所々穴が出てくるが、謎が謎を呼ぶ大胆な構図は最後まで気が抜けない印象的な作品になっている。スカッと分かりやすいSFを観たい時にはオススメできないが、先が読めずどこかゾクッとするこの感覚はぜひ体感してもらいたい。
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自宅にて鑑賞。凝った撮り方が随所に鏤められ、大胆なプロットと落ち着いたスティルライフショットとの心地良い違和感が際立つ。逆読みのハンドル・ネームや足が不自由になる前の森中でのジョギング等、冒頭からしっかり伏線が張ってあり、これ等をご都合主義と呼ぶのは相応しくないと思う。進行する程に噺がどんどん大きくなっていくのは、『キャビン('11)』を彷彿させるが、本作の方が上品でブレが少ない割に、やや難解な後味となっている。説明を削ぎ落とし、最低限にしたのは解釈に幅を持たせる為なのかもしれない。70/100点。
・オープニングで描かれるクレーンゲームが本作の伏線になっていると云う。エリア51のシュミレーションと云うガラスケースからクレーンでぬいぐるみを獲ると云うゲームが本作を解く大きなヒントになっている。亦、終盤に登場するガラスの様な星のドームは'87年、我が国で製作されたファミコン版ゲーム『エアー・フォートレス』からのアイデアらしい。
・登場するIPアドレス「192.117.255.147」はネバタ州に実在する。
・鑑賞日:2016年1月8日(金)
謎が謎を呼ぶ謎な映画
こういうインディペンデント映画大好き💕
面白かったんですけど
詰まるところは拉致された。宇宙人に。
自分たちの星に実験用疑似地球(エリア51風に)を作っていた。そこが舞台。ニックは足(不自由)、ジョナは手(PCタイプ)、ヘイリーは?だが、それぞれ個人に纏わる実験された。
車の婆さんも拉致された地球人。(黒い鼻血)トラックドライバーもしかり。(逃げられやしねぇ)
ジョナ逃亡を手助けしたのは?気になるところ。
悪評が多いがよいと思う。
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