夢去りぬのレビュー・感想・評価
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20世紀初頭の実話を元にしたドロっとした恋愛模様
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著名な建築家スタンフォード・ホワイトと愛人イヴリン・ネスビット、彼女の夫ソウにまつわる実在の事件は、昔読んだE.L.ドクトロウの小説「ラグタイム」にも出てくる。後にミロス・フォアマン監督により映画化され、イヴリンは旬の頃のエリザベス・マクガヴァンが演じていた。
実録ものなのでどこまで真実に寄っているのかわからないが、ホワイトは紳士然として、妻を深く愛している風。それでもイヴリンになびいてしまうのは生来の性癖なのか。隠れ家に紅いブランコは少々引いてしまう。
一方ソウの素行はやはり異常というしかなく、ホワイトに対する偏執的な憎しみからイヴリンを妻にしたと見れなくもない。終盤母親の過剰な偏愛の理由が明らかなるが、裁判後の手のひらを返しを見てもそのあたりが顕著にうつる。
イヴリンは健気でもあり、野心的であざとくもある。このあたりに男心がくすぐられるのか。前半の母子家庭の部屋で、列車か馬車かが通過した時のガス燈の灯りが仄かに揺れるシーンに、イヴリンの境遇の哀しみが重なる。
ラストのブランコに揺られるイヴリンの例えようのない虚無的な表情。ハリウッド映画のエンディングにこれを持ってくるところに、フライシャー監督の矜持を感じた。
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