脱獄者の叫びのレビュー・感想・評価
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警部補と奥さんのやり取りがとても面白い追跡劇
ルイジアナ州の沼地を舞台にした異色作。ミシシッピ川奥地の呪術師の老婆やワニ、風土病など南部風設定がユニーク。
しかし私が本作で惹かれたのは、本筋からは逸れるが、主人公の警部補と奥さんとのやり取りである。
まず会話がハリウッド映画のユーモアとかウィットを超えていて、もはや謎レベル。
隣人から事前情報仕入れて出張の準備してくれていたり、スキンシップにも快く応じてくれる良妻。
それにしても川下りの捜索にピクニック用バスケットを持たせてくれるのはすごい。コンビーフをはじめ各種サンドやテキーラも入っている。
エピローグの逃亡者の唐突過ぎる笑顔の後に、警部補と奥さんとの安堵のショットを加えて欲しかった。
ガスマンとサリヴァンの殴り合い
LAの州刑務所から脱走したヴィットリオ・ガスマンを追う刑務官バリー・サリヴァンのお話。正確に云うと、ガスマンは、ウィリアム・コンラッドによって検事局へ護送中に、トンネル内で自動車事故に合い、運よく隙をついて逃亡を図るのだ。逃げたガスマンが、急な坂を登るケーブルカーへ乗り込むカットが、ジョセフ・H・ルイスらしい空間造形だ。ロングショットの中の通行人のリアクション演出もいい。
本作のユニークさ(アピールポイント)は、ガスマンの妻子がいる地元が、ルイジアナのバイユー(湿地帯)で、主人公のサリヴァンや、部下のコンラッドは逃げ込んだガスマンを追跡するため、勝手の知らない沼地を舞台に四苦八苦する、という設定だろう。例えば、サリヴァンは、沼の水を飲んだため、沼地熱と現地の医者が云う高熱に苦しめられる。この場面での唐突な悪夢の造型が、シュール過ぎて違和感もあるが、面白い。白い壁(多分大きな布で作った壁)と、沢山のガスマンの影。
あと、ハリウッドらしい美人女優は二人出て来てるが、一人はサリヴァンの妻役のポリー・バーゲンで、夫へのキスとジョークが多いのが特徴だが、普通に綺麗なだけ、と云うと云い過ぎかも知れないが、あまり印象に残らない役。もう一人が、ガスマンの妻のメアリー・ザヴィアンという人で、これが、夫のガスマンをけしかけて、追跡者たちを困らせる悪女なのだ。沼地をカヌーに乗って現れる
登場カットも特別感のあるもので、この人が、もっともっと機能すれば、面白かったのにと思う。また、鰐(アリゲーター)の存在について、早くから示唆されるにもかかわらず、出て来るのも遅いし、ほとんどスリルに機能しないのも減点か。ただし、沼地でのガスマンとサリヴァンの殴り合いの殺陣は見応えがある。
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