掠奪された七人の花嫁のレビュー・感想・評価
全5件を表示
略奪された七人の花嫁
スタンリー・ドーネンがジーン・ケリーとの共同監督ではなく単独で演出に当たった作品としては、フレッド・アステアと初めて組んだ「恋愛準決勝戦 ('51)」、あの「雨に唄えば ('52)」のデビー・レイノルズとドナルド・オコナーを主役にした「Give a Girl a Break ('53)」を含め計4本有るが、本作はドーネン監督作品として、最初の大傑作と言える出来栄えであり、当時作られた他のミュージカル映画と比較しても、斬新で独特なスタイルを持つ作品として映画史にその名を刻んでいる。
1954年という年は、ハリウッドのメジャー・スタジオがそれまでのスタンダード (Aspect ratio 1.37:1)から、横長の大型スクリーンであるシネマスコープ (Aspect ratio 2.35:1)へと移行した映画史的にも非常に重要な年であり、「略奪された七人の花嫁」も完全にこれを意識して作られた作品で、シネマスコープならではの魅力に溢れている。
映画のタイトル通り、七人の兄弟が街に繰り出して、七人の花嫁を略奪する話なので、少なくとも計14人の男女がシネマスコープの画面一杯に拡がっての大群舞シーンやアクションシーンが必要になる。スピーディーでダイナミックな振り付けの歌とダンスやスラップスティック的な笑いに満ちた豪快な乱闘シーンが、シネマスコープの大画面+当時MGMが開発したアンスコカラー+4chステレオ音響と言う豪華なテクニカル・スペックで描かれていく。
映画は西部劇と変わらない田舎街のオープンセットで始まるが、山奥の農場への移動中の森のシーン、到着した農場での様々なシーンを含めた大半が当時のMGMスタジオ内に作られた巨大なセットで撮影されたものであり、美術と装置類が見事だ。
主役のハワード・キールは、「ショウ・ボート ('51)」に代表される様なオペラ歌手並みのバリトンで歌い上げるのが得意なスターであり、軽いコメディ向きという感じがしないが、この映画ではそつなく喜劇演技を披露している。相手役のジェーン・パウエルは、既に「恋愛準決勝戦」でのアステアとの数々の歌やタップダンスを見ての通り、ミュージカル・コメディが似合うスターだが、美しいソプラノで歌い上げるのが特徴でもある為、この主役二人によって思い切り歌い上げられてしまうと流石にミュージカル・コメディらしからぬ映画になってしまうのではと、観る前には少々心配したものだが、監督ドーネンの才気溢れる演出力と「イースター・パレード ('48)」や「踊る海賊 ('48)」の名脚本家であるフランシス・グッドリッチ&アルバート・ハケットに、更に「Girl Crazy ('43)」や「キス・ミー・ケイト ('53)」のドロシー・キングスレーが加わったシナリオが冴えわたり、そんな心配も杞憂に終わっている。
ビデオソフト(LD、DVD等)で既に何度も観ている映画だが、初めて観たのが新宿歌舞伎町に有った「名画座ミラノ」でのリバイバル公開時だった。フィルムで、しかもシネマスコープの大画面で観ることが出来た日のことを今でも鮮明に覚えている。TVやビデオやサブスクで観るのも良いが、やはりこういう映画は劇場の大画面で観たいし、もっとそういう機会が欲しいものである。
MGM黄金期のひとつ
一応ミュージカル
バーンダンス (納屋の踊り)
振付師マイケル・トッドの野心作で
見処は ポンティピー弟6+娘6+町独身男6(+兄嫁)の
恋のさやあても表現した群舞、男達のボードの上の競争、そして乱闘へと続く流れ
集団の迫力と男性ダンサーの身体能力を見せつけるアクロバティックなダンス
歌は正統派のキールとパウエルが美声を披露するが
弟達の歌う〈寂しいスカンク〉も切なく可笑しい
意外と可愛らしい弟達
彼等を長い間面倒見てきて 合理的人間になりすぎた兄は嫁を悲しませる
群舞と男性ダンサーの魅力を知らしめた振付師の仕事に理解を示したドーネン監督もブロードウェイのコーラスから振付師、監督へと進んだ
1998年のアカデミー名誉賞受賞時には 歌とタップダンスを披露してくれている
(チャーミング!)
この作品には不満もあったらしい
プロの目は厳しい
ミュージカルの名作
全5件を表示



