マーティのレビュー・感想・評価
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9時から深夜まで、ただ話しただけ…結婚は?
アーネスト・ボーグナインの心のこもった説得力のある演技とその佇まい、一挙手一投足の不器用さが愛らしい。クララ役ベッツィ・ブレアもいい。人生を変えるとある週末、自信のない等身大2人の恋模様は、好感と共感を呼ぶ。土曜日だけで、本編の1時間超!ピュアネス琴線に触れるけど、刺さりきらなかったのが少し残念?
「心の痛みを積み重ねた人は、痛みの専門家になるんだ」
自己評価:「ずんぐりな醜男(fat & ugly)」。見た目も、精肉店という仕事にも自信なく引け目を感じている主人公。成人君子ではないけど心根の優しい、さみしい中年男性。行く人行く人みんなに結婚の心配される始末?いつ結婚するの?誰かいい人はいない?スターダスト・ダンス場、トマトがわんさか。
「ハズレを引いた」いけ好かないサイテー男ハービー。例えばコイツを使うなど、もっと葛藤の作り方はあったとも思うけど、作品のテーマなど考えるとこれでよかったのかなとも思う。ハービーは言わずもがな最低なのだけど、我々観客が好感を抱くべき主人公マーティもややもすれば「弱った女性につけ入る」最低男になりかねないムーブで、別の意味で少し心配になった。
「近所をブラブラ」…からの、浮かれて自分語りが止まらなくなるおしゃべり怪獣の拗らせっぷりが、またリアル!映画に行く。クララが「日曜日は父と映画」と友だちの誘いを断るのに対して、マーティからの日曜日の映画はOKするのとか、わかりやすいけど好き。「深夜は1時間に1回のバス」当時の時間感覚よ、土曜日の夜はまだまだ終わらない…!
「義娘のソファでうたた寝する老女」老いも若きも、生も死も、群像劇的に横のドラマもあって、テーマが描かれる。妹に吹き込まれたこと受け売りで180度考えをコロッと変える母ちゃん(コッチは気持ちはわからんでもない)もアンジーも、どいつもこいつも本当にうるさいし失礼すぎるKYだし、見ていて心底イライラした。35歳か40歳、50過ぎに見える?いや、どう見てもキレイだろ!色眼鏡に外野の雑音、母から息子へ流されやすい血筋。
「どこ行きたい」「さあね」そんな男友達とのお決まりの夜…。宝物を見つけたのに何をしてる!ハズレとブ男の楽しい時間、今日も楽しいに違いない。そうやって楽しい時間を重ねたら、跪いて求婚する。マーティの最後の科白は素晴らしいんだけど、アンバーに自分が言われてきて嫌だったことを言って終わるのはいただけない。結婚がすべて、結婚こそ正義の時代・価値感。
モテない2人の恋のお話
恋愛に無縁な不器用な男女の恋のお話。
いつの時代も外野がいちいちうるさいよな〜って観ながら思ってたんだけど、そのおかげでマーティ(アーネスト・ボーグナイン)とクララというモテない2人の恋を全力応援している自分が居た。
周りのモテる友達たちは簡単に相手を見つけていくけど、マーティもクララも恋に関しては何度も挫けてきたんじゃないかな…って思えるほどに諦めのムードが漂っていて。2人の出会いもクララが友達に紹介された男性に逃げられた事によっての偶然で、でもマーティの優しさにクララの心が少しずつ解けていくのが可愛らしいと思った。
こんなに異性と話していて楽しいのは初めてだって凄く伝わるぐらいにマーティの話は止まらなくて、クララもクララで帰宅した後に両親に彼のことを話すシーンは喜びに満ち溢れていて正に幸せの絶頂。
マーティが約束の時間に電話しなかったのを私は許さないぞ…って思ったけど、ちゃんと自分にとって誰がいちばん大切か気付いてくれて本当によかった。
ドラマチックなわけではない地味なお話なんだけど、こういう小さな奇跡みたいな出会いを描いたお話が結構好きなんだよな。観てよかった。
どうでもいい人ではない
普段は悪役が多いボーグナインだけど、こうした人のいい役もなかなか似合っている。オスカー獲得も納得(作品的には・・・)
弟たちも先に結婚してしまい、今では母親と二人暮らし。トミーから聞いたダンスホールを勧めるけど、「何度も行ってるよ。どうせ俺はfat ugly man だ!」と結婚を諦めている男なのだ。
意外と、出会ったその晩のシーンが長い。普段は聞き役に徹しているのにここぞとばかりに饒舌になるマーティ。なんだか喋り過ぎで嫌われそうな気もするけど、似たもの同士だったから心が通じたんだろうな。
終わり方も恋愛映画らしくない。男友達の誘いを断って、彼女との次のデートを楽しむぞ!てな心意気だけ見せる。そして電話・・・「ハロー、クララ」 で終わり。
母親のエスター・ミンチオッティがボーグナインに似てるってのも面白かった。なんといっても、マーティとともに恋愛体験を共有できたような気になるのがいいな。
イタリア系アメリカ人の哀歌
ブロンクスに住む34歳の独身男マーティを主人公に、イタリア系移民でカトリックの小市民の生活をリアリズムで描いた小気味よい映画。イタリア系というとピエトロ・ジェルミの「鉄道員」を連想するが、ニューヨークが舞台の為か、切れ身の良い映像で展開が無駄なくスムーズに流れ、90分の放映時間があっと言う間に終わってしまった。映画と云うより、ニューヨークの舞台劇の趣向が勝った内容で、完成度の高さもその範囲内である。1950年代のアメリカ映画において、美男美女ではない容貌の劣る男女の恋愛映画は異色で貴重だ。悪役で名を馳せたアーネスト・ボーグナインの人柄の良いチャーミングな役も珍しいが、演技も充実している。主人公の母親と伯母の姉妹の会話が、どこの国にも通じる(特にイタリアと日本)嫁いびりの内容で笑わせてくれる。
21世紀の今の日本にこそ必要な物語です
素晴らしい映画に出逢えた幸せを感じます
こんなに美しい恋愛映画はありません
心から感動しました
主人公のマーティは34歳
ネットで今話題の子ども部屋おじさん
小太り、ブ男、高卒、下町の肉屋の店員
本人も自覚する非モテキャラです
同居の母親からも、肉を買いに来たお客さんにまで口ぐちに早く結婚しろ、なぜしないのよ?と言われてへこむ毎日
仕様がないと諦めてもいて、地元の非モテグループとつるんでグダグダと週末を過ごしています
正に現代的な設定です
21世紀の今の日本にこそ必要な物語です
主演のアーネスト・ボーグナインの演技が素晴らし過ぎます
クララに知り合って舞い上がり話が止まらなくなる姿
キスを拒否されて消沈してへこむ姿
別れ難くいつまでも一緒いて、深夜に彼女の家までバスで送り、家のドアの前で明日も会いたいと握手して別れる姿
どのシーンも見事です、いとおしいです
クララ役のベッツィ・ブレアもまた素晴らしい見事な配役でした
確かに美女ではありません
イモだのなんだのとさんざんな言われようですが、最初の登場シーンで遊び人の男がパッとしないが十分魅力的じゃないかと言う姿形、雰囲気にピッタリはまっています
29歳の高校教師の役です
奥手で真面目の設定どおりの知的な面立ち
痩せすぎで胸も腰も尻もペッタンコです
地味で母親からももっと年がいってるはずとけなされます
だけど彼女の笑顔は男の心が晴れる笑顔です
この人となら人生を一緒に歩き続けたい、全力で取りに行きたいと思える女性の姿形です
クララを見た次に、車のバックシートにもたれる遊びなれた看護婦の顔を見、その声を聞いたとき、マーティだけでなく私達観客も、その決定的な違いを実感させられるのです
本当に絶妙で奇跡のような配役と言えるでしょう
クラブで男から取り残され、選ばれない自分への情けなさ惨めさに泣き出しそうな表情
マーティからの約束の電話が来ず打ちのめされつつ、微かにまだ期待しているその表情
共感と説得力がありました
34歳と29歳の男女
現代の日本なら全然適齢期です
しかし当時ならそれよりプラス5歳、いやプラス10歳の今の日本なら44歳と39歳のカップルの物語のイメージだろうと思います
この非モテカップルの恋の行方だけでなく、嫁姑問題と親放れや、親の子放れの問題も描かれます
マーティに彼女ができたとたんに、その彼女のことをことさらに悪くいいだす教会の前でのシーンや実家の家でいいあう叔父夫婦はまるで米国版の渡る世間は鬼ばかりでした
エンドマークが出た時、拍手をしてしまいました
それはマーティの変化に、そして見事な作品に対しての拍手です
恋愛に遅いなんてありません
マーティとクララの幸せを確信して暖かい心が残りました
是非、現代の東京を舞台にしたリメイクを観たいと思います
まっすぐな、まっすぐな恋
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