八つ墓村(1977)のレビュー・感想・評価
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怪談風ミステリーではなく、もはやホラー映画
松本清張のミステリーの映画化を得意とする野村芳太郎監督による金田一耕助ものです。同じ金田一ものでも市川崑は実験的なタッチや陰翳ある映像を駆使しながらもあくまでもミステリーとして描くのに対し、野村芳太郎はミステリーは付け足し程度でむしろ戦国時代から続く因縁と呪いを強調した怪談に仕立てると言う原作から離れたアプローチが面白いです。彼の代表作『砂の器』でも、原作ではあまり描かれないハンセン病患者の苦難をクローズアップしているのと同じアプローチですね。原作ファンからは異論があるかもしれないけど、原作でも旧家の跡取りの青年が主人公で、金田一は完全脇役だし、落武者の屍で栄えた村の伝説を始め、双子の老婆や村の下に広がる大洞窟、発狂した当主による大量殺人、鎧甲冑を着た屍蝋等、ホラー映画の要素が多いので怪談路線に切り替えたような気がしました。そのため、落武者が艱難辛苦を経て岡山の山村に行き着くプロローグから、主人公の青年が迎えられる岡山の旧家の山奥の風景は、何度もロングで撮ることで、俗世から隔絶した異世界感がよく出ています。そこで、橋渡しをする小川真由美の颯爽としたビジネスウーマン振りが対照的です。映像的にも、夜桜舞い散る中に猟銃と日本刀を手に疾走する殺人鬼のシーンや、昏い洞窟の中で亡者に追いかけられるシーンは、グロとエロスが感じられ、今観ても魅力的です。役者では、小川真由美の存在感が圧倒的でした。現代社会と因習世界だけでなく、現世と冥界の橋渡し的な存在を見事に演じていました。渥美清も、寅さんらしさを微塵にも感じさせない知的で温厚な金田一像がよかったです。山崎努、市原悦子もインパクトありすぎの怖すぎでした。
オカルト風味
古い記憶にある映画のコピー/フレーズとして、サスペリアの「けっしてひとりで見ないでください」と人間の証明の「母さん僕のあの帽子どうしたでしょうねえ」と「八つ墓村のたたりじゃあ」を覚えている。奇しくもすべて1977年だった。
ドリフが濃茶の尼のセリフ「たたりじゃあ」を寸劇コントにつかったこともあり、おそらく学校でもなにかにつけて「たたりじゃあ」と言った記憶がある。
じっさい八つ墓村は『配収19億8600万円という松竹映画の歴代に残る大ヒット作』だったそうだ。(『』はウィキペディア「八つ墓村 (1977年の映画)」より)
ただし興行収入とクオリティは一致しておらず、昔見た記憶は消えていたが、今見ると長くて冗漫な出来栄えだった。
1976年に市川崑監督の犬神家の一族が公開され、当時は横溝正史ブームに沸いていた。松竹は東宝に対抗すべく、金田一耕助に渥美清をあて、オカルト風味を増幅し『2年3箇月の製作期間と7億円(現在の15億円分)の制作費をかけ』て八つ墓村をつくり、鳴り物入りで封切った。結果、興行的に成功し「たたりじゃあ」ははやり言葉にもなり、映画八つ墓村は大成功をおさめた、といえる。
批評も当時は悪くなかったようだが、時を経て見ると古さが目立った。洞窟にはハリボテ感があり、小竹・小梅はアダムスファミリーのようだ。
津山事件を扱ったものなら丑三つの村(1983)のほうが猥雑さがあっていい。
そもそも日本映画ベスト10にさえ入れてしまえる1976年版犬神家の一族との比較は酷な話だとは思う。
ところで横溝正史ブームとは恒久永続的なものと言える。横溝正史的世界がホラーの一分野を形成しているからだ。
犬鳴村、樹海村、牛首村、ヴィレッジ、湯殿山麓呪い村、すなわち旧弊な村の因習にからめとられる現代人という構成で話がすすむホラージャンルは常に王道にある。
おどろおどろしい村の因習へ、とても呑気で日常的な構えの金田一耕助が介入していくところが横溝正史の魅力だが、金田一耕助という文明が介入しなければ腑抜けたホラーになってしまう。
雨穴さんの話が面白くて怖いのは文明サイドに雨穴さんや栗原さんがいるからだと思う。結果として、今つくられる横溝正史型ホラーは腑抜けている。面白いのは罵倒村ぐらいだろう。
この映画八つ墓村も推理小説をオカルト方向へ舵取りしたせいで横溝正史風味をことごとく削いでいる。渥美清も、もっとコミカルに位置づけるのかと思ったのにビーンのメグレという感じ、キャラクタが生かされていなかった。
さらに主役は荻原健一。個人的にショーケンは数回の結婚歴・逮捕歴がある人という認識しかなく、芸能界の「昔やんちゃしていたタイプ」の一人。おそらく横溝正史らしからぬ配役を狙ったのだとは思うが、いいところが解らずじまいだった。
二匹目のドジョウ
砂の器コンビ、橋本忍✕野村芳太郎が再タッグで二匹目のドジョウを狙った本作だが、これはちょっといただけない。
まず、時代設定が昭和52年、横溝文学は戦後の混乱期が背景となり、それが作品のよさを醸し出しているのであるが、本作は近代を背景にしたことで、その臭いが薄い。
あと、だいぶ原作を端折っていて原作のよさが十分でているとは言い難い。
画面構成や音楽の入れ方なんかは砂の器に似せているが、中身が伴ってないから感動できない。
砂の器は社会的差別を扱っていて実感できる何かがあったが八つ墓村は祟、祟って、これはちょっと実感できない。
連連書いたが何故当時あんなに祟じゃが流行ったのかよくわからない。
よ〜く観ていると、本編では、そんなに祟じゃは言ってない
何でもかんでも、今は大谷翔平。それと同じで傑作だろうが駄作だろうが当時は横溝正史だった、ってことかな。
以前トヨエツ版をテレビで観ていたけれど、結末をすっかり忘れていま...
金田一耕助シリーズ映画、屈指の名作
文豪 横溝正史さん原作の傑作サスペンスドラマを巨匠 野村芳太郎監督と邦画史に残る名作「砂の器」の製作スタッフが2年以上の歳月をかけて完成させたというだけあって、映像・ストーリー共に重厚で大作の風格を備えた見応え満点の傑作です
“八つ墓村”の名前の由来が400年前の戦国時代の凄惨な出来事から来ていること
そして、それをなぞる様に現代を舞台にした本筋も人間の卑しさと弱さが動機で起きる凄惨な事件、とてもよくできたストーリー展開にグイグイ引き込まれます
横溝作品お馴染みの田舎の旧家の屋敷を舞台にしたアンサンブルキャストが豪華
主役は若き日の“ショーケン”こと萩原健一さんでカッコいいし、小川眞由美さんと山本陽子さんがメチャクチャ綺麗、特に小川さんがすごく色っぽくて素敵でした
そして金田一耕助を演じる渥美清さん、“寅さん”以外の渥美さんがとても新鮮でした、でもあらためて観てみると金田一耕助の出番ってすごく少ないんですね
それ以外の印象的だったキャラクター
・死人のように青白い顔をした不気味な双子の老姉妹
・山崎努さん演じる田治見要蔵が鬼の形相で日本刀と猟銃を持ち闇夜を駆け村人を大量虐殺
・400年前の戦国時代パートで出てくる夏八木勲さんの◯◯
など、ビジュアル的に脳裏に焼き付くほどのインパクトを残します
子どもの頃、TVで流れるCMにビビり、通学路の途中に貼ってあったポスターが怖くて前を走り抜けた事とかを思い出し、今となっては微笑ましいノスタルジックな気分にもなる、邦画史上に残るサスペンス映画の傑作だと思います
渥美清扮する金田一が読み解き語る部分は正直分かりずらい。 犬神家の...
渥美清扮する金田一が読み解き語る部分は正直分かりずらい。
犬神家のように回想シーンが理想だけど、家系図的なものでも映してくれればもう少し観ながら整理できたかなと思う。
市原悦子さんの声を聴くと、昔ばなしを見聞きしてるようで土曜19時の時間帯を思い出す。
豪華オールスターキャスト。特に大滝秀治、市原悦子、藤岡琢也、田中邦...
これ当時にしては相当怖い話だと思います。
全キャラがツマラン。
オカルト版金田一
てっきり市川崑の監督だと思っていたら、別人だった。しかも、金田一耕助が渥美清とは。渥美清が演じていたことはどこかで知っていたが、うーん、全然、探偵に見えなかった。定番の袴じゃなくてスーツ姿だったし。帽子だけが、唯一金田一っぽかった。
しかし、懐かしの俳優が見られたのは良かった。みんな若いわー。クレジットを見てて、風間杜夫と吉岡秀隆の文字を発見したが、どこに出ていたかわからなかった…。小川真由美の匂い立つ美しさと色気。ショーケンの爽やかさ。山本陽子の楚々とした佇まい。山崎努の狂気。俳優はいい仕事していたと思うが、いかんせん演出が冗長であった。洞窟の中のシーンがちと長すぎる。ロケ洞窟は6つも使い、強い照明を使わずに撮影したので、映像が暗いし。東屋はロケなのかセットなのか、めっちゃ風格ある建物だった。この当時はCGがないから、火事シーンはほんとに燃やしたのかな。そごい大掛かりだわ。
どうもオカルト風味で、金田一シリーズの異端児だと思った。
BS松竹東急の放送を録画で鑑賞。
個人評価:3.5 渥美清が金田一耕助なだけで、もうぞくぞくする。 ...
原作者、横溝正史のいちばんのお気に入りが渥美清だったらしい。 横溝正史原作らしく意外な人が犯人であることは終盤で渥美清の口から語られる。
動画配信で映画「八つ墓村(1977)」を見た。
劇場公開日:1977年10月29日
1977年製作/151分/日本
配給:松竹
渥美清
萩原健一
小川眞由美
花沢徳衛
山崎努
山本陽子
市原悦子
山口仁奈子
中野良子
加藤嘉
井川比佐志
綿引勝彦
下條アトム
夏八木勲(夏木勲)
田中邦衛
稲葉義男
橋本功
大滝秀治
夏純子
藤岡琢也
下絛正巳
山谷初男
浜田寅彦
浜村純
吉岡秀隆
横溝正史原作
寺田辰弥(萩原健一)は新聞の尋ね人欄で自分を探している人がいることを知った。
辰弥は旧家の跡取りらしい。
自分を迎えに岡山から来たのは森美也子(小川眞由美)。
とても美しい。
その岡山県の村で次々と殺人事件が起こる。
辰弥は自分の両親は田治見要蔵(山崎努)と井川鶴子(中野良子)だと思っていたのだが、どうも父親は違う人らしい。
中野良子もまたとても美しい。
多くの人が金田一耕助を演じたが、
原作者、横溝正史のいちばんのお気に入りが渥美清だったらしい。
横溝正史原作らしく意外な人が犯人であることは終盤で渥美清の口から語られる。
黒っぽいグロリア、セドリックのパトカー、ブルーバード、ハコスカの4ドアセダン、多くの旧車を見れてうれしかった。
JR天王寺駅の懐かしい駅舎もよかった。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
ホントに祟り
原作は祟りにカモフラージュした計画殺人、という点がプロットのキモなのに、本当に祟りモノにしてしまった和製ホラーの怪作。ある意味、動機も祟りなので、寅さん金田一はほぼ役立たずの脇役にw
最初は紛れもない入魂の大作!! と入れ込むが、その後の展開がどうにも散漫
製作陣が精魂込めて作ったであろうことは間違いなく、映画品質は上々とは思うのだが、ややオカルトまじりのサスペンスとしては緊迫感を欠いていたのは否めず、事件謎解きに到っても何の感心も感興も起こらないまま、150分の〝大作”は幕を閉じてしまった・・・
まず視聴前にキャストの最初に萩原健一とあったので、てっきり彼が金田一幸助なのだと思い込み、「ショーケンの金田一とはぜひ見てみたい!!」と大いなる期待があった。
リメイク版を以前視聴しパッとしない印象は残っていたけれど、巨匠:野村芳太郎監督にショーケン金田一なんてワクワク感しかなかったよ。笑
それが全くの勘違いで金田一幸助はなんと渥美清だったのだから苦笑。
その渥美金田一の登場の仕方もイントロがなくてヌボーっと、いつの間にか現地入りというのにも拍子抜け。
渥美金田一も主役とはとても言えず、完全な脇役扱い。
主役:ショーケンとヒロイン小川真由美の〝祟り悲恋物語”にどうやらフォーカスを絞った脚本だったみたいですね。
と、総体的にはあまり芳しい印象は残らなかったが、芥川也寸志の音楽は熱のこもったいい仕事だったと思います。
夏の夜の鍾乳洞&お化け屋敷ツアー
渥美清の金田一は思っていたより悪くなかった。石坂浩二と比べる必要がないほど作風が全く異なっていたし、最後、ストーリーにもひっかけて少し笑わせてくれてさすが!と嬉しかった。
女優さんでは久しぶりの中野良子が懐かしく美しくて素敵だった。小川真由美、好きなのだが最初から髪かきあげが多くてそればかり気になってしまった。仕事バリバリで都会のいい女感を出そうという演出なのだろうが、そういうのに向かない髪質のロングヘアーだったので重そうで逆効果だった。
市川崑監督&石坂・金田一シリーズ5作と比べてスピード感とモダンさが圧倒的に欠けていた。編集もカメラワークも進行も平板で飽きてしまい何度も睡魔に襲われた。閉鎖的な村の存在の説得力がもはやない時代設定(一応現代)だったので音楽も合っていなかった。
おまけ
山崎努、美しい。市原悦子の声はすぐにわかった!声の力はすごいなあ。
日本むかし話
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