ラストエンペラー

ALLTIME BEST

劇場公開日:2024年3月8日

ラストエンペラー

解説・あらすじ

「ラストタンゴ・イン・パリ」「1900年」で知られるイタリアのベルナルド・ベルトルッチ監督が清朝最後の皇帝・溥儀の生涯を映画化し、1988年・第60回アカデミー賞で作品賞をはじめとする9部門に輝いた歴史大作。溥儀の自伝「わが半生」を原作に、激動の近代史に翻弄された彼の人生を壮大なスケールと色彩豊かな映像美で描き出す。

1950年、ハルピン。ソ連での抑留を解かれ母国へ送還された大勢の中国人戦犯の中に、清朝最後の皇帝・溥儀の姿があった。手首を切って自殺を図った彼は、薄れゆく意識の中、波乱に満ちた自身の半生を思い起こしていく。

「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のジョン・ローンが成長した溥儀を演じ、「アラビアのロレンス」などの名優ピーター・オトゥールが少年時代の溥儀を導く英国人教師役で出演。坂本龍一が甘粕正彦役で出演したほか音楽を手がけ、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞した。オリジナル全長版は218分。

1987年製作/163分/PG12/イタリア・イギリス・中国合作
原題または英題:The Last Emperor
配給:東北新社
劇場公開日:2024年3月8日

その他の公開日:1988年1月23日(日本初公開)、2023年1月6日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第45回 ゴールデングローブ賞(1988年)

受賞

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 ベルナルド・ベルトルッチ
最優秀脚本賞 ベルナルド・ベルトルッチ
最優秀作曲賞 デビッド・バーン

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョン・ローン
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(C)Recorded Picture Company

映画レビュー

5.0 東京国際フォーラム シネマ・コンサートで

2026年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

知的

驚く

1987年の本作品、私が高校生くらいに映画館で
数回見た記憶があります。当時から好きだった
坂本龍一の音楽にも惹かれて、サウンドトラック
のCDも擦り減るほど(擦り減らんけど)聴きました。

そこから40年近く経って、新聞広告でこの
シネマ・コンサートを見て、条件反射的にチケット
を2枚申し込みました。年明けの楽しみに据えて
いざ本日観賞です。

結論、最高でした!
映画は全編映像を上映し、映画と全く同じ音楽を
生演奏してくれます。もちろん、中国の二胡や
お琴も演奏され、坂本龍一さんが渾身を込めて
作った音楽を、余すことなく演奏するぞ感を
感じ取れる見事なパフォーマンスでした。二胡の
生演奏を聴けたのも感動でした。
最後のエンドロールは、演奏もクライマックス。
久しぶりに演奏で涙が溢れ出ました。

映画の中身はと言うと、まさに中国 清朝時代の
最後の皇帝の波乱に満ちた人生を、あの圧倒的な
映像美で魅せるスケールの大きさ。
ちょうどマドゥロ大統領が捕らわれた時事ネタも
相まって、まさに天国から地獄まで体験する事に
なります。

改めて、名作と断言します。

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共感した! 0件)
t.kokubun

5.0 皇帝 愛新覚羅溥儀の生涯。

2026年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

幼くして皇帝となり、紫禁城での生活、美しい映像が続く中で成長する姿、どの年代も丁寧に映し出される。
成長し激動の運命に翻弄される生涯。
ジョン・ローンの姿が綺麗。
歳を重ね晩年の姿も同様で、ラストシーンも美しい。

紫禁城での撮影がスケールの大きさを感じる。
溥儀の自伝『わが半生』を原作に、
ベルナルド・ベルトルッチが映画を監督。
坂本龍一の音楽が響く。
チェン・カイコー監督も出演。

中国が激動する時代に生きた運命と、映像の美しさに引き込まれる映画。

これまでに何度も観て、失われてしまった美しさと時の流れを感じる。

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共感した! 3件)
naomi

4.0 【84.7】ラストエンペラー 映画レビュー

2025年12月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

🌟 作品の完成度
本作の完成度は、単なる歴史の再現に留まらない、映画的叙事詩としての格の高さにある。史上初めて紫禁城での大規模なロケーション撮影を敢行したという事実が象徴するように、視覚的な壮麗さは他の追随を許さない。しかし、その真価は、絢爛豪華な映像の裏で進行する主人公の「孤独」と「喪失」の物語を、重層的な時間軸構成で巧みに表現した点にある。皇帝としての幼年期、紫禁城幽閉時代、満州国皇帝時代、そして戦犯収容所での「再教育」を経て、一市民となる老年期。これらの時代を、収容所での尋問という現在軸を基点にフラッシュバックさせる手法は、溥儀という人間の内面的な変遷と、彼を取り巻く歴史の残酷さを際立たせる。ベルトルッチは、溥儀の半生を、権威と自由、過去と現在、公と私の間で引き裂かれる普遍的な人間のドラマとして昇華させた。その結果、歴史大作にありがちな散漫さを排し、高い密度と情感を保ちながら、約3時間にわたる壮大な物語を見事にまとめ上げている。アカデミー賞9部門受賞という事実は、この作品が技術、芸術性、物語性の全ての面で、世界的な批評基準を完全にクリアしたことの何よりの証明と言えよう。
🎬 監督・演出・編集
ベルナルド・ベルトルッチ監督の演出は、詩的でありながらも、歴史の重厚さを損なわない緻密さに満ちている。イタリアの巨匠は、一貫して権力とセクシュアリティ、そしてその両者に抑圧される個人の自由というテーマを追求してきたが、本作においても、溥儀の皇帝という名の「檻」の中での歪んだ成長と、外界への渇望を、象徴的なショットの連続によって表現した。特に、シネスコの画面いっぱいに広がる群衆の圧倒的なスペクタクルと、一転して宮殿の片隅で孤独に佇む溥儀のクロースアップとの対比は、演出の妙である。ヴィットリオ・ストラーロによる撮影は、その豪華な美術・衣装と相まって、一瞬一瞬が絵画のような美しさを誇る。ガブリエラ・クリスティアーニによる編集は、過去と現在の切り替えをシームレスに行い、3つの時間軸を迷路のように絡ませながらも、全体として流れるようなリズムを生み出している。特に、収容所での溥儀が自伝を語る場面と、過去の記憶が交錯するシーンの編集は、感情的な高まりを見事に牽引している。
🎭 キャスティング・役者の演技
キャスティングは国際色豊かで、それぞれの役者が歴史の歯車としての役割を高い次元で演じ切っている。
主演:ジョン・ローン(John Lone)/愛新覚羅溥儀
ジョン・ローンが演じる成人以降の溥儀は、その優雅さ、脆さ、そして運命に対する諦念を複雑に内包した、類まれな肖像である。彼は、清朝の絶対的な権威を背負いながら、実権を伴わない「ラストエンペラー」という看板の重みに耐える男の孤独を見事に体現した。特に、紫禁城を追われた後の戸惑い、満州国皇帝としての傀儡政権下での虚飾、そして戦犯収容所での自己否定と再生に至るまでの内面的な変化を、抑制された演技の中に静かに刻み込んでいる。その美貌と相まって、彼は歴史の悲劇を体現するにふさわしい、圧倒的な存在感を放っている。溥儀のアイデンティティの喪失と再構築という、この映画の核となるテーマを、説得力をもって観客に伝えた功績は計り知れない。
助演:ジョアン・チェン(Joan Chen)/婉容(えんよう)
ジョアン・チェンが演じた皇后・婉容は、紫禁城という「籠」の中で輝きを失っていく美と精神の崩壊を痛ましくも体現した。初期の奔放で知的な魅力から、アヘン中毒に陥り、狂気へと至るまでの軌跡を、一貫して高いテンションで演じきっている。特に、溥儀との関係性の破綻と、時代の波に押し流される皇后としての無力感を表現した彼女の演技は、主演に匹敵するほどの鮮烈な印象を残す。婉容の悲劇は、溥儀の孤独とは別種の、閉ざされた空間における絶望を象徴している。
助演:ピーター・オトゥール(Peter O'Toole)/レジナルド・ジョンストン(Reginald Johnston)
名優ピーター・オトゥールが演じた溥儀の英国人教師ジョンストンは、東洋の異質な世界に招かれた西洋の理性と、一人の少年に注ぐ深い愛情を象徴する。彼の存在は、溥儀に外界の知識と自由への憧れを与えながらも、その運命を変えることはできないという、歴史の皮肉を浮き彫りにする。威厳と慈愛を兼ね備えたオトゥールの演技は、物語に安定感と深みを与え、溥儀の少年時代における精神的な支柱を明確に描いた。彼の知的な眼差しは、溥儀の数奇な生涯に対する、観客の視点と共鳴するかのようである。
助演:ヴィクター・ウォン(Victor Wong)/陳宝琛(ちんほうしん)
ヴィクター・ウォンが演じた清朝の忠臣・陳宝琛は、旧体制の遺物としての「忠」と、時代の変化を受け入れざるを得ない「老い」の悲哀を見事に表現した。溥儀の幼少期から青年期に至るまで、伝統と儒教の価値観を教え込む彼の姿は、変化を拒む紫禁城内の保守的な空気を象徴している。ウォンの厳格でありながらもどこか哀愁を帯びた演技は、溥儀の側近たちが抱えるジレンマと、彼らの忠誠心がもはや時代に通用しない現実を静かに示唆している。
助演:坂本龍一(Ryuichi Sakamoto)/甘粕正彦(あまかすまさひこ)
クレジットで最も最後に登場する主要な俳優として、音楽も担当した坂本龍一が演じた甘粕正彦は、冷徹な合理性と、日本の帝国主義の影を象徴的に体現した。感情を表に出さないポーカーフェイスと、時折見せる冷酷な眼差しは、溥儀を操る日本の権力の不気味さと効率性を表現する。その存在感は、役者としての経験値を超え、物語後半の緊張感を高める重要なスパイスとなっている。
📜 脚本・ストーリー
マーク・ペプローとベルナルド・ベルトルッチによる脚本は、溥儀の自伝『わが半生』を基にしつつも、映画的なドラマツルギーを構築することに成功している。その構造的な強みは、前述の通り、現在と過去を往還する非線形の語り口にある。この手法は、溥儀の人生が、彼自身の意志ではなく、歴史という外部要因によって断片化されていった事実を反映しているかのようである。しかし、歴史の大きな流れを追う中で、一部のエピソードが駆け足に感じられたり、特に満州国時代の政治的な複雑さが、溥儀の内面に集約され過ぎているという批判もあり得る。それでも、最後のコオロギのシーンが象徴するように、一人の人間が辿り着いた「解放」と「帰属」のテーマは、説得力を持って結実している。
🎨 映像・美術衣装
ヴィットリオ・ストラーロの撮影、フェルナンド・スカルフィオッティの美術、そしてジェームズ・アシュソンの衣装デザインは、この映画の最も特筆すべき要素であり、極めて高い芸術性を誇る。紫禁城の黄金と朱色のコントラスト、宦官たちの群れを捉えたロングショットの壮大さ、そして戦犯収容所の灰色のコントラストは、視覚的に鮮烈な印象を与える。特に衣装は、清朝の伝統的な装束から、溥儀が西洋文化に傾倒して着る燕尾服、そして満州国時代の軍服、さらには収容所時代の人民服に至るまで、時代の変遷と主人公の地位の変化を雄弁に物語っている。これらの美術・衣装は、単なる背景ではなく、溥儀の「権威」と「環境」そのものを体現していると言える。
🎵 音楽
音楽は、デヴィッド・バーン、坂本龍一、コン・スーの3名が共同で担当し、アカデミー賞作曲賞を受賞した。この音楽は、東西の要素が見事に融合した、この作品の情緒的な背骨を成している。
主題歌として扱われることが多いのは、坂本龍一作曲の「The Last Emperor -Theme-」である。この曲は、ピアノとシンセサイザー、そして東洋的な旋律が混ざり合い、荘厳でありながらも、深い哀愁と孤独感を漂わせ、溥儀の運命を象徴している。また、劇中では、坂本龍一による「Rain (I Want A Divorce)」など、印象的なシーンを彩る楽曲が多数用いられている。デヴィッド・バーンによる楽曲群は、やや現代的なテクスチャーを持ち込み、時代の移り変わりや、溥儀が直面する新しさへの違和感を表現している。この東西融合のスコアは、映画の国際的な性格を補完し、その情緒的な深さを決定づけた。
🏆 受賞の事実
本作は、第60回アカデミー賞において、ノミネートされた全9部門(作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞、作曲賞、録音賞)を全て受賞するという快挙を成し遂げた。特に、坂本龍一が日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞したことは、特筆すべき功績である。また、第45回ゴールデングローブ賞でも、ドラマ部門作品賞、監督賞、脚本賞、作曲賞を受賞するなど、世界的な主要映画賞を席巻し、その芸術性と完成度の高さを不動のものとした。
『ラストエンペラー』は、壮大な歴史を背景に、一人の男の孤独な魂の旅路を描いた、ベルトルッチ監督のキャリアにおける一つの頂点である。その映像美と重層的な物語構成は、公開から時を経た今もなお、観る者に深い感動と歴史への洞察を与え続けている。

✅ 最終表記(主演A9へ変更)
作品The Last Emperor
主演
評価対象: ジョン・ローン
適用評価点: A9
助演
評価対象: ジョアン・チェン、ピーター・オトゥール、ヴィクター・ウォン、坂本龍一
適用評価点: A9
脚本・ストーリー
評価対象: マーク・ペプロー、ベルナルド・ベルトルッチ
適用評価点: B+7.5
撮影・映像
評価対象: ヴィットリオ・ストラーロ
適用評価点: S10
美術・衣装
評価対象: フェルナンド・スカルフィオッティ、ジェームズ・アシュソン
適用評価点: S10
音楽
評価対象: デヴィッド・バーン、坂本龍一、コン・スー
適用評価点: S10
編集(減点)
評価対象: ガブリエラ・クリスティアーニ
適用評価点: -0
監督(最終評価)
評価対象: ベルナルド・ベルトルッチ
総合スコア: 84.7275

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honey

4.0 ベルトルッチ監督には手に負えなさそうな長尺だけど、何とか編集したという感じの残る作品

2025年9月16日
スマートフォンから投稿

意図せず皇帝になった
寂しさと楽しさの幼少期
門の外の情勢に激動時代へ
自由と共に崩れ去る人生
再び見る夢も狂いだし
時代に見捨てられた。

実際の歴史を学び知る事で
この映画の世界は広がる。

オリジナル版は、長尺過ぎて中盤以降のまとまりが悪く感じた。この作品はベルトルッチ監督らしい映像が随所に表現されていて、観賞後はそれぞれの強い印象が残る。

世界公開を念頭に入れている事から、英語での台詞になっているが、逆にマイナスで現実離れを促しているのでは無いかと感じた。
このロケの凄いところは、中国共産党の協力で紫禁城含めた撮影が認められたという所に有り、民衆の動きなど嘘っぽさの見えないところにある。

お気に入りのシーンは終盤
1967年の部分から最後まで
ここは好きだ。



何年か前に仕事で紫禁城へ行った。
観光客の居ないあの場所で眺めた。
外から隔離されたようなあの場所に居た。
溥儀の気持ちに近づけたのかわからない。
その後、弟 溥傑の終の住処にも入った。
北京市内にある落ち着いた小さな家だった。
高い弊と庭の向こうの入り口と部屋や窓
彼らの人生に近づけるなんてあり得ないが
映画に繋がる体験として良い経験だった。

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星組