劇場公開日 2024年12月27日

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菊豆(チュイトウ)のレビュー・感想・評価

全15件を表示

3.5【”禁断の関係が齎した様々な因果応報。”今作は1920年代の旧弊的な中国の田舎を舞台にした夫婦、親子の愛憎の物語である。】

2026年1月14日
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難しい

■1920年代の旧弊的な中国の田舎。
 染物屋の楊金山に金で買われて嫁いだ菊豆(コン・リー)は、虐待されて死んだ2人の前妻と同様に、毎日のように金山から、子が出来ない苛立ちを叩きつけられるように折檻を受けていた。
その姿を壁の節穴から見ていた楊金山の甥である楊天青と、菊豆は不倫関係になる。やがて菊豆は天青の子を身ごもり、天白と名付け、金山の子として育て始めるのである。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・今作は、禁じられた男女の恋と、それにより齎される親子、夫婦の憎悪、情念の映画である。

・楊金山に夜毎、虐待を受けていた菊豆は、金山を憎み、その姿を見られていた楊天青と恋に落ち、天白が生まれる。だが、旧弊的な村では、それを天青の子とは言えずに、金山の子とするのである。
 そこで生まれる、様々に歪んだ感情。
 金山は自分の子ではないことを知りつつ、一度は染め液の池の中に落とそうとした天白を愛するが、彼は表情が無い。だが、身体が麻痺した(因果応報であろう。)金山が染め液の池に落ちた際に初めて天白は、莞爾と笑うのである。実に皮肉なシーンである。

・金山が死んでも、楊家では建前を重んじ、菊豆と天青とは夫婦にはしないのである。故にあくまでも、天白と天青の関係は親子としては認められないのである。
 時は流れるが、天白はそのような、歪んだ肉親関係の中で、天青を憎み、蔑むのである。母の菊豆を不幸にした者として。

・そして、絶望した菊豆と天青が逃げようとした際に、二人は染物屋の地下道に落ちるのである。まるで、畜生道に堕ちたかの如く。
 だが、そこに成長した天白が助けに来て、母の菊豆の命は助け、天青を且つての金山が溺れ死んだ染め液の池の中に投げ込むのである。
 そして、起った炎は紅蓮の如く、染め布に燃え移り、呪われた染物屋は炎に包まれて行くのである。

<今作は1920年代の旧弊的な中国の田舎を舞台にした夫婦、親子の愛憎の物語なのである。>

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NOBU

3.059点

2025年10月10日
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ま

4.0幸福を求める人間は勝手で愚かなのか、問う。

2025年9月21日
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金で妻を買う老人
老人の妻である女
染物工房で働く男の甥
そして生まれた子

小さな村と工房
狭い空間の物語

暴力と性と憎しみ
愛は意外な方向へ
受け継ぐ本性
始まりにも
終わりにも
幸福感は無い。

俯瞰で映される家の瓦
見上げた布色の素朴さ
憎しみとは無縁の風景

あの子は父から何を受け継いだのか。

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星組

3.0百年前、🇨🇳、男尊女卑、奴隷制

2025年7月6日
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りか

3.5封建的因襲に押し潰されていく男女

2025年5月24日
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知的

斬新

チャン・イーモウ監督が『ハイジャック 台湾海峡緊急指令』に続いて、『紅いコーリャン』では助監督を務めていたヤン・フォンリャン(楊鳳良)と共同監督した中日合作映画(今は無き東光徳間が出資に参加している)。

初公開時に観たが、封建的な因襲に押し潰されていく男女を描いた、とにかく陰々滅々とした気の滅入るような映画で、陽性の爆発力にあふれていた『紅いコーリャン』に比べるとかなり落ちる出来だと感じた。それは今観直しても変わらない。チャン・イーモウによると『紅いコーリャン』は中国の理想を描いたのに対して、本作は中国の現実を描いた映画とのこと。

ただ『紅いコーリャン』では構成要素の一部という印象だったコン・リーの存在感がぐっと前面に出てきたのは印象的で、そういう意味ではコン・リーを初めて「女優」として認識した作品だった。ただ、それはそれとして今になって観直すと主人公はむしろリー・パオティエン(李保田)のほうで、コン・リーはトップクレジットながらヒロイン役という印象。李保田は確かコン・リーの中央戯劇学院時代の担当教官だったんじゃなかったかな。

また原作では農家だった舞台を映像的に映えるために染物屋に変更し、また実際には存在しない大型染色道具が創造されているとのこと。このあたりはいかにもチャン・イーモウ。さらに『紅いコーリャン』に続き、当時の中国ではギリギリのエロティシズム描写も試みられている(日本人から見ればずいぶんおとなしいもんだが)。しかしと言うべきか、それゆえにと言うべきか、中国国内で賛否両論の大論争となった『紅いコーリャン』に続いて、本作はとうとう国内上映禁止になってしまったらしい。

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バラージ

3.0禁断の恋と子供の心境

2025年5月14日
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難しい

驚く

既前妻を2人いたぶり殺し、新たに購入した(とセリフでは…)配偶者と血の繋がらない弟の恋路の話
僕も弟の立場だったらサッド感で助けていたと思うが、あの美貌を考えると恋するかもと思いながら拝見
今はいくら中国🇨🇳でもないやろ〜と思う反面、この時代の中国女性の人権はなかったんだナと悲しくなった
村社会を考えさせられる作品

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ろくさん

3.0ドロドロと美しさ

2025年2月13日
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ドロドロの男女関係で、昼ドラみたい(苦笑)

男女間はドロドロだけど、それと対比するように美しさがあるのかな?

染物屋が舞台なので干されている染まった大きな布とか、コン・リーの着ているチャイナドレスとか。

最後は…

タイトルの菊豆(チュイトウ)とは、コン・リー演じる女性の名前です。

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RAIN DOG

5.0テーマの重さや暗さに反した染物の真紅や黄色など鮮明な原色が実に効果的で印象深い作品

2025年1月29日
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泣ける

悲しい

興奮

新文芸坐さんにて『艶やかなる紅の世界』と題したチャン・イーモウ(張芸謀)監督の初期作品の特集上映(25年1月24日~29日)開催、未配信の『菊豆(チュイトウ)』(1990)、『紅夢』(1991)を鑑賞。

『菊豆(チュイトウ)』(1990)
2008年北京オリンピック開会式および閉会式の総監督も担ったチャン・イーモウ(張芸謀)監督の3作目。
サディストで前妻二人を死に至らしめた初老のもとに売られてきた若妻が、純朴な初老の甥と逢瀬を重ね、甥との間に身ごもり、そして破滅していくストーリー。
本作でも監督とコンビを組んだコン・リー(鞏俐)が嫁いだ矢先の儚げな少女から、初老の男性が脳卒中で身体不自由になると復讐の炎をたぎらせ彼を追いつめる憎々しい悪女まで振れ幅の大きな役を好演。華奢でなく肉感ある体躯と可憐さと性悪女を演じ分ける彼女は日本では京マチ子氏と重なりますね。
中国の古の因習、男女の肉欲、因果応報などをテーマに描きながら舞台を染物屋に設定。
テーマの重さや暗さに反した染物の真紅や黄色など鮮明な原色が実に効果的で印象深い作品、この色彩の豊かさは次回作以降でも継承されますね。

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矢萩久登

3.5何はともあれ美しい映画

2025年1月25日
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単純

まだまだ古いしきたりが残る中国での恋愛模様。金で人が買われる時代、こんな悲惨なこともあっただろうか。想い合う男女とそれを許さない社会。最後まで二人は想い合うのに幸せにはなれない。ちょっと話が無茶苦茶すぎるとは思うが、映像の美しさと秀逸な効果、役者の演技で世界観に没入できる映画となっています。

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FormosaMyu

4.0色めくも厳しい悲劇だった

2025年1月25日
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エロくそチキン2

4.0紅シリーズ第二弾

Kさん
2025年1月20日
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悲しい

怖い

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K

3.5リバイバル特集で出会えた作品 名前も知らなかったコンリーが良い味出...

2025年1月13日
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リバイバル特集で出会えた作品

名前も知らなかったコンリーが良い味出してる

息子が不気味、あえてそうなんだろうけど

この頃の中国を舞台にした映画は好きかもしれない

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jung

4.5ワルい子にもほどがある

2025年1月7日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

1987年の紅いコーリャンに次ぐ、1990年のチャン·イーモウ監督作。
原作は農家らしいが染物屋に変更したそうだ。
目の付け所が素晴らしい。
ヤク(牛)に廻させる大きな歯車の仕掛けも実際は染物屋には必要のない創作物だそうだ。
染物屋の建築構造も天然の撮影セット。
奴隷同士の密通はノゾキ穴がきっかけ。
金で買われたとはいえ、菊豆(コン・リー)の昭和テイストがたまらない。
マダム楊は夜毎悲鳴とも絶叫ともつかぬ声をあげる。天青でなくとも気にならざるを得ないよね。
半身不全になった男には菊豆と天青のマグワイアを見せつけてやることがもっとも効くかな〜と思いましたが、それほどの描写は無理な中国映画。日中合作と言えども、お金を出しただけというのもまぁ良かった気がします。
私が幼かった頃、隣の家は染物屋で、長い反物を針のついた竹ひごを等間隔に張って干していました。とても芸術的な反物の染物。私が小学校に上がった頃には廃業してしまいましたが、隣のチャコお姉ちゃんにはいろいろ遊んでもらい、いろいろ感謝しています。
天白という名前を決めた楊一族の長老は裏目に出てしまいましたね。あそこまで因果応報でなくても良かったような気がしますが、真っ赤な反物と炎は映像作品としてインパクトありました。あの子どもはいかにも惡そうでした。怖かった。紫色の学生服でデビューした藤正樹そっくりでした😎

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カールⅢ世

5.0期待度◎鑑賞後の満足度◎ ギリシャ悲劇を思わせる濃密な人間の業と二人の運命が転んでいく先が読めないサスペンスフルな展開に圧倒される。見事な映画だ。中国映画には時々驚かされる。

2025年1月3日
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モーさん

4.5苦界のような結婚

2024年12月29日
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悲しい

怖い

菊豆(コン・リー)が最初から最後まで哀れだった。貧しさゆえの結婚で金で買われてきた。求められているのは、男子を生むこと、染め物屋の仕事と家事をすること。今までの二人の妻は子どもが生まれないが故に(理由は夫)暴力振るわれ虐待され死んだんだろう。同居する夫の甥・天青も染物の仕事をする。情けないおじさんに見えたが、菊豆と心と体を交わす間柄になってから頼りになる男の顔と身体になっていった。

美しく染められた色とりどりの布が高い天井の上から何枚も吊るされて、空気の動きと共に優しく揺れる様子は言葉に表せないほど美しかった。染料を入れた溜池がある木造の工場には屋上もあって、子どもにとっては危険でありながら楽しい遊び場みたいだった。戸外の場面も多く、野原、川、里山などの自然の映像も素晴らしい。染め物屋の二階にある夫婦の寝室だけは地獄だった。

天青との間にできた息子の天白が何を思っているのかわからなかった。母を大事に思っていることは伝わる。どちらの男を息子は憎んだのだろう?そもそも息子にとって大人の男、父親なんて不要で邪魔者なのかも知れない。母が苦労し他人から後ろ指差され辛い思いをした原因はすべて男だから。

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talisman
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