パプリカのレビュー・感想・評価
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初めて観ました。傑作ですね。
今年のお正月、何か映画を観たいとは思っていたのですが、「果てしなきスカーレット」も「ズートピア2」も去年のうちに観てしまい、私の嗜好の問題ではあるものの、食指が動くお正月映画がなく、どうしたものかと思案していたところ、「パプリカ」の4Kリマスター版が大きなスクリーンで上映されるのを知り、観賞しました。遥か昔ですが筒井康隆氏の原作小説は数回読んでいましたし、NHKで放送されていた記憶もあったので、観たことがあると思い込んでいましたが、NHKの方は録画していただけのようで、この映画は初見でした。夢という、人が作りだす深層心理の虚構世界と現実世界を縦横無尽に行き来し、現実化する妄想にも対峙して事件を解決(治療)して行く、「パプリカ」の作品世界が巧みに表現されており、夢という虚構世界を描くには、まさにアニメーションは最適なフォーマットと思え、その圧巻の内容に感動しました。しかも昨今のアニメーションに多用されるCGもほとんど使われていないように思われ、精緻に描き込まれた映像美の世界に圧倒されました。よくあの分厚い原作の内容を90分にまとめたものだと感心もしましたが、ひとつ残念に思えたのは「DCミニ」によるセラピーの様子や、千葉と時田の関係など、物語の核になる背景を、多少尺が長くなっても丁寧に描いて欲しかったと思いました。私のように、遥か昔とは言え原作を読んでいればいいですが、初めて「パプリカ」の世界に触れた人には、作品に入り込むのが難しかったのではないかと思ってしまいました。⭐︎ひとつ減らしたのはそのためです。とは言え、内容、映像ともに素晴らしい作品でした。大きなスクリーンで観て頂きたい映画でした。
夢を見てましたね
映画への愛が溢れ出る
筒井康隆の小説を翻案してアニメーション化した今敏監督の遺作を、4Kリマスター版で初見。夢や虚構と現実が混じり合い、侵食し合うというモチーフは、今敏と筒井康隆の共通のもので、この企画の実現を熱望していたことに納得する。
まずは、めくるめく映像表現と比喩やオマージュに富んだ物語展開に圧倒される。一度観ただけでは理解し切れないが、クリストファー・ノーランをはじめ多くのクリエイターに刺激を与えたことは理解できる。
パレードシーンの異様さが強烈な印象を与えるが、原作にないオリジナルとのこと。「千と千尋」を思い起こさせ、後で調べると同じ作画監督だったが、混沌とした和のテイストは筒井康隆っぽくもある。
犯人探しと併せて大きな柱になっている刑事のトラウマの物語も、オリジナルとのこと。「地上最大のショウ」「ターザン」「ローマの休日」といった直接的な引用のほかにも、ヒッチコックやキューブリックなどのスリラーやホラーを思わせるシーンもある。トラウマ克服の秘密を含め、今敏の映画への愛が溢れ出ていることが、意外であり、強く感銘を受けた。
平沢進の音楽もいい。エンディングテーマの摩訶不思議な歌詞とノイズを含んだサウンドが、作品世界を体現している。音響効果の良さも特筆したい。
ラストシーンで刑事が観る映画は、今敏の次回作ではなかったのか。それが永遠に観られないことが残念でならない。
天才たちによる強烈な作品
20周年記念として、
4Kリマスター版でリバイバル上映されていたので、観に行ってきた。
結構面白かった(*゚▽゚*)
今敏監督作品は、
やっぱり独特のキャラと映像が、
どこかクセになると思った。
今回は、現実と夢が交差して、
頭が混乱することもしばしば笑
あの夢見てたら、
精神おかしくなるのも無理はない(^-^;
パプリカが敦子と共闘?で、
出てきた所なんかは熱かった。
監督の作品まだまだ観たかったな。
来場者プレゼントで、
生フィルム貰えてラッキー(^_^)
筒井康隆教祖の作品は、写実的なアニメにするのがよく似合うと思う。平成になってからの作品なのに、なぜか昭和の香りがするSF作品。
筒井康隆作品はほとんど読破して、「時をかける少女」「敵」「七瀬ふたたび」「ジャズ大名」「日本以外全部沈没」などの有名な映画作品はもちろん、超マイナーな「俗物図鑑」もVHSで持っているズブズブの筒井康隆教の信者なので、4Kリマスター版で全国リバイバル公開となった本作を観に行かない訳がありません。
アニメの作画も色合いがサイケ調で、音楽もP-MODELの平沢進が担当するなど、昭和の残り香がハッキリと残る作り方に、昭和のオジサンはこれだけでご飯三杯はイケます(当社比)。原作はラノベのように作品構成のイメージを形にした挿絵などないので、この頃の作品には若干難解な部分もありましたが、本作は2000年代初頭になってから出版された「銀齢の果て」のような分かりやすいSF作品に回帰したような脚本になっています。
17歳の自分がいる
今 敏はアニメ界のクロサワであり小津である
※今 敏作品の『千年女優』、『PERFECT BLUE』、『東京ゴッドファーザーズ』、『パプリカ』それぞれのレビューページに以下の同一の文章を投稿します。どうぞご容赦ください。
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今 敏の作品を今まできちんと鑑賞したことがなかったのは不徳の致すところで、深く後悔している。
以前からTikTokあたりで海外のマニアから『パプリカ』の切り抜きが流れていたのは知っていたし、それだけで今 敏の尋常ではない画作りに瞠目してはいたが。
その『パプリカ』公開20周年企画として、正月から渋谷シネクイントが同作を含む今 敏の劇場アニメ代表作4本を4Kリマスター版で再上映してくれた。
何と素晴らしい企画だろう。PARCO系のシネクイントではあるが、現在はかつてのPARCOとは経営が異なるはず。
だがPARCOが渋谷を席巻していたのをよく知る世代としては、堤清二の文化貢献の尖兵だったPARCOを思い出した。
こんな上映企画は私が生きているあいだに二度と無いかも、と思ったので、ある一日、昼から夜まで4本ぶっ続けで観てきた。
上映順(鑑賞順)で言うと『千年女優』(2001)、『PERFECT BLUE』(1997)、『東京ゴッドファーザーズ』(2003)、『パプリカ』(2006)である。
いやはや、帰宅して数時間経っても頭の芯がじんじんして、全身の血管に今 敏が流れている感覚が抜けなかった。
これは『七人の侍』と『羅生門』と『用心棒』と『隠し砦の三悪人』を一日でぶっ続けで観たのに等しい。
あるいは『東京物語』と『麦秋』と『秋刀魚の味』と『晩春』を同じく一日でぶっ続けで観たようなものだ。
大袈裟ではなく、それほどの価値とインパクトのある鑑賞体験だったし、こうして通しで一気に観ることでわかったこともある。
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少々脇道に逸れるけれど、4本の上映時間はそれぞれ87分、81分、92分、90分と、現在では極めて短い部類に入る。
しかしそれぞれの濃さ、密度、味わいの違いの圧倒的な満足感はそれ以上だった。1600円均一という鑑賞料金が安く思えてしまうほどの内容である。
そう言えば『ルックバック』もわずか58分だったが、あんなに強烈な物語はそうそうない。
そうしてみると、昨今の実写映画は最低でも2時間がもはやデフォルトで、長ければ平気で3時間オーバーが普通になってきているのは、良い作品も確かにあるけれど、本当はもっと濃縮できるのではないか、濃縮したうえで深く、鮮やかに、同等かそれ以上の満足感を届けられるのではないだろうか、とちょっと思ってしまう。
アニメであろうが実写であろうが、「映画」って本来そういう濃縮された語りが腕の見せ所だろうと思うのだけれど。
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閑話休題。
この4作品についてそれぞれバラバラに感想を記することももちろん可能だ。
ただ、46歳で世を去った今 敏は10年という限られた時間に、この4本に後半生の寿命を注ぎ込んだ気がしてならない。
デジタル技術によるオーサリングツールが制作プロセスを劇的に省力化しているはずの2010年代以降でも、例えば新海作品でも最低3年のインターバルがある。
だから、それ以前の技術で2年半に1本という驚異的なペースで作ったことが文字通り命を削ったのではないか、とさえ思えるのだ。
そして、それぞれ作品としてのクォリティがどれも異常に高いという共通点を持ちながら、4本ともまったく違うテイストになっている。
それだけに、この4本に込められた今 敏の噴出するエネルギーと咲き誇る表現に応えるために一気に観る必要がある、そのうえで見えてくる全体像を感じたい、と思うのだが、それは少々妄想が過ぎるだろうか?
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今回、居住まいを正して今敏作品を観て強く思ったことがいくつもある。
一番目には脚本の巧みさである。
『PERFECT BLUE』と『パプリカ』にはそれぞれ竹内義和、筒井康隆という作家による原作があるが、あちこちですでに書かれているように、今 敏は原作者に了承を取ったうえで「アニメーション」かつ「映画」にするために原作を徹底的に換骨奪胎し、別の脚本家を交えて共同で物語を作り上げている。
そしてあとの2本も、単独ではなく脚本家とともに練り上げている(このあたり、いい加減に細田守も学んで欲しい)。
二番目には、この脚本に合わせて密接に設計されているマッチカットの多用である。
あるシーンに存在する事物や動き、イメージが、次のシーン(例えば「時代を超えたシーン」や「まったく別の場所のシーン」)にワープしたような、瞬間移動したような錯覚を、観る者に与えながら遷移する。
三番目には、同様に脚本の作り込みの中で効果的に差し込まれたであろうタイムループのようなリフレインの使用である。
歪んだ廊下を走る、悪夢に跳び起きる、列車を追いかける・・・それもまったく同じカットではなく、少しずつどこかが変わっている。
鑑賞者にデジャヴのような時空間の歪みを生じさせる。
これは原作があったとしてもなかなかここまでの映像として表現できないし、オリジナルならそれこそ驚異的なクリエイティビティとしか言えない。
四番目には、あらゆるカットの構図が、極めて「映画的」だ。
実写のロトスコープ化と錯覚するほどである。いや、単に「実写みたいだ」というのではない。
非常に優れた監督とシネマトグラファーが創り上げ、撮った構図の中で、アニメーションのキャラクター(「役者」)がかすかな視線や眉根の動かし方や指先の所作などで「演技」しているのだ。
今でも思い出せるのは、例えば『千年女優』の藤原千代子が牢で同房となった女囚(先輩女優の島尾詠子) に「『鍵の君』を追いかけていくうちに益々愛するようになった」と告白する。
それを聴いた詠子が「ふん」とばかりに受け流す、その一瞬に三段階くらい目の表情が変化するシーンだ。これには心底、舌を巻いた。
ここだけのために観に行っても良いくらいである。
タイトルとレビュー冒頭に、黒澤明や小津安二郎という巨匠の名を持ち出したのは、いかにも大げさすぎるだろうか?
しかし、これは事実確認をしていないのだけれど、およそアニメーション、特にジャパニメーションに強く衝撃を受けた世界中の若いアニメーション・クリエーターたちが繰り返し繰り返し観るとしたら、『AKIRA』もそうかもしれないが、今 敏のこの4本ではないか?
スピルバーグ、ルーカスは「クロサワを何十回観たかわからない」と公言し、ヴィム・ヴェンダースは「オヅは生涯の師」と言っているのだから。
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そして、今 敏が大友克洋のアシスタントからスタートしたという経歴を考えると、特に『東京ゴッドファーザーズ』のキャラたちや、あり得ない偶然の連続と言ったおかしみのセンスは、間違いなく『ショートピース』や『ハイウェイスター』で遺憾なく発揮されていた大友テイストそのものだ。
今 敏のあまりにも早い旅立ちについて、大友克洋はどこかで発言していないだろうか。
たぶん真の天才こそ、別の天才の不在を大きな喪失として捉えているのだと思う。
そして、今 敏とわずか2歳違いの細田守は、今、何を考えて走っているのだろう。
ひょっとしたら今 敏の影を追いかけたり、あるいは影と踊ったり、さまざまな思いに良くも悪くも振り回され続けているのではないか。
『果てしなきスカーレット』は公開直後くらいに観ているのに、どうしてもまだレビューが書けないまま、そんなことをつらつら思ってしまう。
今敏監督の魅力大
久しぶりに観たが、変わらず最高に面白かった
目覚めたらデブ専に目覚めてた
ストーリーが面白いので夢中で見れました
林原めぐみの声に浸れます
デブ>イケメンのオタク向けアニメです
あんなクソデブと可愛いヒロインが結婚できるわけないので
クソデブが作ったDCミニで妄想してるだけだと思います(妄想)
DCは何の略かな?
ドリームキャストじゃないよねソニーだし
夢の中に入る技術より夢を見ないでぐっすり眠れる技術がほしいですね
そしたら映画館で寝ないですむ
なかなか理解し難い名作
パプリカ・スパイス
興味はあったものの機会を逃していたが、リバイバルにて遂に鑑賞。
賑やかでカラフルなパレードから始まり、妙に艶めかしい“セラピー”へと展開する。
素晴らしかったのがオープニングクレジット。
アニメーションの持つ娯楽性と芸術性の両輪が絶妙なバランスを保った映像でした。
さて肝心の本編ですが、かなり感覚的な印象。
人の意識に潜るSFというのはそれなりに多く、最近のアニメでも『ユア•フォルマ』がある。
なのでそこ自体はすんなり入れたし、真犯人を探すサスペンスも面白かった。
しかしどうも理論的に見てしまう質なので、特にBARのシーンで躓いてしまい…
(PC画面上のサイトなのに、なんで酒を飲んだり夢に繋がったりするの?と)
好きなのはパプリカが裂けて敦子が出てくる場面。
小山内が股間に手を入れるエロさから顔面が崩壊するグロへの転換が映像的にも新鮮です。
また、磔台に蝶が描かれており、残されたパプリカの身体が蛹のように見えるのも上手い。
粉川がスクリーンを突き抜けるカットも印象的。
リフレイン演出など映像演出は本当に見事。
話の筋やテーマ、メッセージなどはシンプルながら、現実と虚構の境目に戸惑ってしまった。
そのため、物語に没入しきれなかったのが残念。
乾や小山内といった、決定的なダメージを受けたであろう人物のその後が描かれないのもモヤモヤ。
興味深い作品であることは確かながら、好みとしては微妙なところでした。
粉川は(映像ではパプリカだが)敦子と会ってたハズなのに、顔を知らなかったのは何故?
あらためて、林原めぐみの凄さよ
名作に理屈は要らない
昨年末にリバイバル上映していた大友克洋総指揮の『MEMORIES』は3本立てで3本とも良かったが、1本目の今敏監督『Magnetic Rose』が特にアニメーションとしてもSFホラーとしても非常に良く出来ていたので本作も迷わず観賞。
原作小説を読んでいませんが、世代の違う天才2人の素晴らしい化学反応をヒシヒシと感じる名作で多いに感動できました。
賑やかな夢の世界を観ていると、途中で『千と千尋の神隠し』も似たようなイメージで描かれていたような気がしましたが、30歳で観た『千と千尋』には何も刺さるモノが無かったのに、こちらはサスペンス的な大人の夢だからか、55歳の私はどっぷりとハマることができました。
そして最後には理事長が『もののけ姫』のダイダラボッチになったので、もはやジブリへのオマージュか?と思いました。
原作を読んで、どこからが今敏カラーなのかを確認したいです。
しかし、人間の生々しい動きは宮崎駿など、他の巨匠を超えるものがあり、40代という若さで亡くなられたのは本当に惜しいですね。
特に大人の女性を魅力的に魅せることについては比肩する人はいない気がします。
アニメ界だけでなく、映画界全体の大きな損失でしょう。
立川で来週末から今敏監督の違う3本も週替りで上映されるので全て観に行くつもりです。
最初から最後まで目が離せない一本
原作と比べて、差し引き少々プラス
・夢と現実が交錯する原作の世界が、フロイトやらユングやらの理論を持ち出すまでもなく、見事にビジュアル化されていた。
・登場人物を整理するために能勢と粉川を統合したのは良かった。
・ノーベル賞がらみのエピソードをばっさり切ったのも、スッキリして良かった。
・原作では、こじらせ精神病理学者である副理事長が、所長兼理事長を排除しようとするという構図だったのに対し、映画では理事長が「主犯」で、雇われ所長を排除しようとするという構図に変えてたが、理事長という立場ならそんな手段に訴える説得力に欠けるでしょ、と思わざるを得なかった。
・主犯の「動機」を21世紀的な問題に変えていたのは、時代に合ってたが、動機としてはちょっと弱くないか?
・原作では化粧して着替えてた――つまり現実世界にしっかり存在していて、何のためだか分からなかった(男の患者を喜ばすためとしか思えなかった)パプリカが、映画で脳内別人格であるかのように描かれていた点は良かった。
・筒井さんの女性像が1960年代から変わっていないとしか思えないのが鼻につく原作(「言葉狩り」に抗議して「断筆宣言」した頃だったから「敢えて」なのかもしれないけど)に対し、映画にそういう点を感じなかったのは良かった。
・全体として、原作がちょっとブラッシュアップされた印象。
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