レム

2016年製作/75分/アメリカ
原題または英題:Rem

スタッフ・キャスト

監督
トマス・コールハース
製作
トマス・コールハース
撮影
トマス・コールハース
編集
トマス・コールハース
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映画レビュー

4.5 巨人 レム (REM)

2026年1月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

建築家レム・コールハースの、独り語りのドキュメンタリー。

◆継ぎ足したブッ違いの高層ビルの林立。あれは竹林のようであり、バランスを遊ぶ積み木のようでもあり。

◆殷の時代。古代の青銅器が、そのままに四股を踏んで巨人のように立ち上がった中国のガラスのビル。

◆延々と地平線の彼方まで続く砂漠には、活断層の断面のように伏して気配を隠しているドバイのビル。

彼の建てた、にわかには信じられない巨大なビルたちが、何度かはスクリーンに写る。しかしカメラはすぐに反転し
75分を通してそのほとんどがレム・コールハースの人となりをとらえる。
泳ぐ姿、語る姿、歩く姿、そして考える彼の横顔で画面は占められている。

これはレムの作品集ではなく、(タイトルそのままに)聳え立つ巨人レムを見る映画だったのだ。

・・

まるでその空間=空と、空気と、砂漠と、水とにマッチしない、
かつすべての風景にそぐわない、
とんでもないビルを、彼は地球の各所に建てる。

呆気にとられるほどの違和感なのだ。
あれは視界のほとんどを埋め尽くしている。衝撃のゆえ、その後方の景色など見えなくしてしまう「威容」である。
だからビルと言うよりも蜃気楼か、オーロラか、地球に大接近してしまった小惑星のようにも見えるのだ。

( 絵画で例えるならばその雰囲気はルネ・マグリットのあの「大家族」に近いかもしれない)。

気難しいレムの、また飛びっきり難解な彼の思索が続く。長い彼の独白は観るものを困惑させるし、理解しようとして耳を澄まし、話について行くことにも挫折をしそうになるのだが、

しかし日ごろ、仕事場で交わされる低俗で野卑な会話ばかりに疲弊していた僕は、頭を冷水で洗うような爽快感を、久しぶりに与えられた気がする。

レムの息子トーマスが父を撮るから、父への愛と尊敬が、画面を特別大切なものとして締めている。

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きりん