劇場公開日 2025年12月13日

これからの私たち All Shall Be Wellのレビュー・感想・評価

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5.0人生で1番心に響いた映画。

2026年1月13日
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鑑賞方法:映画館

静謐な香港のアパートの一室を中心に巡るヒューマンドラマ

血の繋がりはないが、長年連れ添い愛し合う高齢の女性2人。それを取り巻く家族。静かな日常生活。持つ者と持たざる者。光と陰が静かに交差する美しい描写の数々。淡々と流れる時間、変わらない現実。日常の営みを丁寧に描きながら、人の心の機微をあぶり出す

降り注ぐ日差しの中、手に入れたアパートで写真撮影をする家族。どこか物憂げで幸せの兆しは見られない

その一方、雨の中、故人の願いを叶えて海で散骨するレズビアンの仲間達。パートナーを思う気持ちの強さ、コミュニティの絆の深さに心打たれる

婚姻はただの制度に過ぎない。元々は他人同士。根本にあるのはどこまで相手を思いやるかだ。愛とは言葉じゃない。小雨降る山の茶屋で語らう2人。ただ隣にいることこそ、寄り添い続けることこそが愛なのだろう。

心の美しさに溢れた最後のキスシーンに涙が止まらなかった。そこにあるのは究極の愛、究極の家族。今私たちが求めている幸せが限りなく可視化されている

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カイジラ

4.5にしても立体駐車場の管理人ぐらいしか職が無いって

2026年1月10日
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鑑賞方法:映画館

映画のかなり早い段階でパットは急死するのだが、彼女が海葬(散骨)を希望するのは、おそらく生物学的後継者、つまり子供を作らず(作れず)、実質的に自分で血の繋がりを断絶してしまったことに起因している。それは他の胡一族と比べてパットだけが金回りが良く、暮らしが安定しているように見えてしまうことと無関係ではない。勿論性的マイノリティ特有の美意識や才覚によって成功しやすい業界もあるのだろうが、生物学的に退路を絶った彼女自身の努力や覚悟によって経済的自立を勝ち得たという見方もできる。中秋節には兄夫婦や親戚を集めて食事会をする程度には血族思いの面も見えるが、そんなところに自我を埋没させる義理は彼女にはない。ましてや墓地に埋葬などという、ヘテロ共同体特有の慣習に興味を示さない所以もここにある。そしてパット以外の胡一族がなんとなく経済的に不遇に見えてしまう理由として、香港独自の就職不況や住宅不足問題が一旦は示唆されるも、やはりそこはパットとの能力格差、ヘテロ共同体に個性を埋めてしまう人たちの愚鈍さが透けて見えてしまうのである。
そして残されたアンジーなのだが、二人がそれぞれ仕事をしている場面が映画を見る限りでは確認できないので、たぶんパットのサポートをしていたか、主婦業に専念して家計を切盛りしていた可能性が高い。映画終盤にある重大な決断をしたために、彼女もまた経済的苦境に立たされてしまうわけだが、年老いた両親を見送った後も今度は彼女自身の冬支度が始まると考えると前途は多難である。パットに変わる稼ぎ頭的恋人をゲットする手もあって、それだと映画の趣旨に大分反する気もするが、私個人としてはそれはそれで全然OKだとも思っている。
唯一の希望は、終盤にアンジーと一緒に船に乗り込んで、あることを手伝ってくれた女友達(同志達)の存在である。彼女達もまた、才覚と自助努力によって経済的自立を勝ち取ってきた頼もしい存在であり(特に法律家の同志!)、彼女達のコミュニティーから様々な有形無形の刺激を受けることからしか、アンジーの明るい未来は見えてこない気がするし、そう思わせる程度に香港も(また日本と同様に)法律整備が追いついていない実情を憂うばかりである。

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鵜殿丈助

5.0胸が痛くなる

2025年12月17日
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香港は暦や風水、家長などをとても大事にする文化。
それが主人公に静かに牙を剥く展開は、非常に巧く、切ない。

主題の同性婚はもちろん、老老介護や高齢者の就労、住宅環境の悪さなど、香港の様々な問題や困難を、変に騒ぎ立てず、静かに、力強く描いた力作でした。

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克晴

4.0これほど優しいキスを見た事がない

2025年12月13日
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鑑賞方法:映画館

癒される

長年連れ添っていた60代のレズビアンカップル。
そのパートナーの急死。
同性愛という社会や親族からの偏見と戦う……のだが、
騒ぎ立てる安い映画ではなく
物静かな描写なので怒りと悲しみを描くので

「もし自分が親族なら
この同性愛おばさんを理解してあげれるのかな」

って思った。
敵味方じゃない。それぞれに想いはある。
とても愛のあるLGBTQ作品。

邦題も上手い。1人で戦ってるのに
「私たち」という心の支え。

これほど優しいキスを見た事がない。

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梶野竜太郎

5.0今年最も心に残る映画

2025年12月8日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

癒される

大切な人と過ごした何気ない日常のすべてが、こんなにも美しかったと気づかされる。けれど、死がふたりを分かつとき、そこに生まれたのは差別と法律という冷たい壁。わかってほしいと願っても、その想いは届かず、ただ虚しさだけが残る。ただ悲しむ人のそばに、静かに寄り添ってくれるだけでいい。そんな優しさのかたちをこの映画は私たちに教えてくれる。今年最も心に残る映画だった。

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江川知弘(作家)