おくびょう鳥が歌うほうへ

劇場公開日:2026年1月9日

解説・あらすじ

シアーシャ・ローナンが初プロデュースを手がけて自ら主演を務め、大都会で自分を見失った生物学者が故郷で新たな生き方を模索する姿を描いたドラマ。イギリスでベストセラーとなったエイミー・リプトロットのノンフィクション回想録「THE OUTRUN」を原作に、「システム・クラッシャー」でベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞したドイツ出身のノラ・フィングシャイト監督が映画化。スコットランド・オークニー諸島の雄大な自然を背景に、主人公の断片的で混濁した内面世界を繊細な演出で描き出す。

ロンドンの大学院で生物学を学んでいた29歳のロナは、スコットランドの故郷に10年ぶりに帰ってくる。恋人との別離、暴力的な体験、入院など、人生が限界を迎えた末に、彼女は依存症の治療施設に入所し、90日間のリハビリプログラムを経て断酒生活を開始した。故郷の野鳥保護団体で働きながら孤独な時間を過ごすなかで、少しずつ自らの内面と対話を重ねていくロナだったが、数々のトラブルを引き起こしてきた記憶の断片が彼女を悩ませ続ける。

共演は「MEN 同じ顔の男たち」のパーパ・エッシードゥ、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のスティーブン・ディレイン、「記憶探偵と鍵のかかった少女」のサスキア・リーブス。

2024年製作/118分/G/イギリス・ドイツ合作
原題または英題:The Outrun
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2026年1月9日

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(C)2024 The Outrun Film Ltd., WeydemannBros. Film GmbH, British Broadcasting Corporation and StudioCanal Film GmbH. All Rights Reserved.

映画レビュー

4.5 非線形の語り口で、意識の揺らぎと記憶の混乱を体感させる

2026年1月11日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

癒される

若気の至りで飲み過ぎて記憶を失くした経験がある人なら、主人公ロナの動揺や後悔が痛いほどわかる(自分もそう)。意識が飛んでいる間に一緒にいた人にひどい迷惑をかけたりしなかったかと、二日酔いでぼんやりした頭の中でかすかな記憶の断片を拾い集めるようにして思い出そうとする。

本作における非線形の語り口(現在と過去を行ったり来たりする)は、観る人によっては分かりづらいと感じるかもしれない。推測するに、ロナが酩酊して意識を飛ばした後で焦って思い出そうとしたり、断酒プログラムの過程で過去の記憶がフラッシュバックしたりするのを、観客にも体感してもらう狙いで作り手はこの構成を選択したのだろう。依存症で自制がきかなくなるほどの精神状態なら、意識も記憶も相当に混乱するはず。とはいえ、髪全体を染めたブルーが月日とともに伸びる地毛に追いやられていくので、毛先のブルーの残り具合が時期を知る目安になるよう工夫されている。

今作でプロデュースも兼ねたシアーシャ・ローナンの演技は変わらず素晴らしい。冒頭のバーのシーンでは、酩酊してカウンターの上に座ったロナが床に落ちる姿がワンショットで撮影されていて、体張ってるな!と驚く(彼女ほどのスター女優でこの動きを撮影するなら怪我をさせないよう、映らない位置にクッションを敷いてまず落ちる演技を撮り、カットを割って落ちた後の映像をつなげるだろう)。

生物学の研究者であるロナは鳥類保護協会の仕事を得て、辺境の島でウズラクイナ(=臆病で滅多に姿を見せない鳥)の生息状況を調査するため、目を凝らし、耳を澄ませる。映画の映像と音響も観察者を体現するかのよう。シアーシャの青い瞳や皮膚のそばかすに肉薄するクローズアップに、島の雄大な景観を捉える俯瞰ショットも。島の岸に打ち寄せ砕ける波の音と地響きが、劇伴の壮麗なオーケストレーションと響き合うラストも圧巻だ。

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高森郁哉

4.0 原題も考えられているけど、邦題もみごと

2026年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

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うすたら

4.0 アルコール依存の苦悩と脱却、厳しい自然の猛威。 おくびょう鳥は彼女自身の心の投影か。

2026年1月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「髪を染めた女性のポスター」だけを頼りに、何の事前情報もなく鑑賞を決めた。
都会でのアルコール依存の酷い生活、怠惰で喧噪な毎日から抜け出すために、地方の人々と 厳しい自然に身を置き影響されながら、徐々に自分を取り戻していく。
時系列が錯綜して描かれる場面の連続は、主人公が苦悩して思い起こす様を表している。
染めた髪の色で、時間経過がわかるのはいいアイディア。
真横から降る吹雪、厳しい冬の寒さ、自然の観察、父親の破綻 家族の苦悩、アルコール依存から立ち直ろうとする姿。
アザラシが波に浮かび、かおお出す姿を見ながら、鳴き声を真似する。
おくびょう鳥の鳴き声は、穏やかな日々が返ってきたことの証のようだ。

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ITOYA

5.0 闇から這い上がるアル中映画の大傑作

2026年1月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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masa