劇場公開日 2026年1月16日

旅の終わりのたからもののレビュー・感想・評価

全12件を表示

3.0民族のルーツを知ることで、自身の中にあるDNAが覚醒していくのかな、と感じた

2026年1月20日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

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Dr.Hawk

4.0旅先でありながら自らにタトゥーを刻む癖はだいぶヤバい

2026年1月19日
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鑑賞方法:映画館

笑える

知的

ニューヨークで生まれ育ったルーシーは、ジャーナリストとして成功しているが、どこか満たされない想いを抱えていた。その心の穴を埋めるため自身のルーツを探そうと、父エデクの故郷ポーランドへと初めて旅立つ。ホロコーストを生き延び、その後決して祖国へ戻ろうとしなかった父も一緒だ。ところが、同行したエデクは娘の計画を妨害して自由気ままに振る舞い、ルーシーは爆発寸前。かつて家族が住んでいた家を訪ねても、父と娘の気持ちはすれ違うばかり。互いを理解できないままアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を訪れた時、父の口から初めて、そこであった辛く痛ましい家族の記憶が語られるが──(公式サイトより)。

娘のルーシーは1991年で36歳、東西冷戦が終結し、湾岸戦争に突入した、ある意味でイケイケのアメリカ・ニューヨークでジャーナリストという花形職に就くが、人生がどうにも思うに任せない一方で、父エデクはホロコーストでの凄惨なトラウマを抱えながらも奔放で楽観的で毎日が楽しそうである。この対比的な構造の中で、物語を生むのが、「母の死」というきっかけと、こうした生い立ちに時代性を加えた「感覚」のズレである。

例えば、ルーシーは、両親の住んでいたアパートメントや経営していた工場や食器に自分のルーツの欠片を見出そうとするが、父はそんなものはただのモノだと一蹴する。かつての壮絶な過去を思い出してしまうスイッチになり得るのはもちろんだが、同様に本当に「ただのモノ」だと思っている風でもある。

父のエデクは幸せな結婚や家族観はもとより、恋愛観やセックスに至るまで、「普通」という固定観念を、旅程につきまとうおばさん集団の応援を受けつつ、ルーシーに強要する。アウシュビッツによって「普通」を壊された過去があるという前提は理解しながらも、その無理強いは親子とはいえ一線を越えており、ずいぶんとデリカシーに欠く。

ルーシーはルーシーで、ポーランドにまでシリアルを持参するレベルのベジタリアン(偏食家)であるが、それがダイエット目的なのか、何か思想的な背景を持つのか、あるいは個人的なトラウマなのか、最後まで明示はされない。ストレスを感じると、旅先でありながら自らにタトゥーを刻む癖もだいぶヤバい。大きなルーシーがバスタブに浸かって、虚空を眺めるシーンは本作の白眉であろう。

このへんてこで凸凹な感覚のズレが解消されないまま進めるの親子には、たとえ「負の遺産」と世界から忌避されるような場所であろうとも、出生の地という共通のルーツがある。本作はその確認の旅路であった。

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えすけん

4.0幻想を追って苦しむ娘と、現実から目を背けていた父のロード・ムービー

2026年1月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

驚く

斬新

ホロコーストの生存者が抱える記憶を扱った映画はいつも観る者の胸を苦しくさせる。
本作は、その記憶が生存者だけでなくポーランドの地を踏んだこともないアメリカ生まれの娘に迄引き継がれていることを通して、想像を絶する心の傷を浮き彫りにします。
おおらかに人生を愉しんでいるかに見える父親が直視しようとしていなかった現実と、娘がそれとは気付かずに抱えていた罪悪感の正体が旅を通して二人の目に映し出されます。
現実から目を背けていた父が、旅の終わりに娘に手渡したたからものとは…

悲しい思い出とどう折り合いをつけて生きてゆくのか。
戦後75年。
第二次世界大戦の記憶を持つ世代が世を去りつつある今日こそ、人類が犯した大いなる過ちの記憶が世代を越えて受け継がれてゆくことを願ってなりません。
ポーランドの厳しい現実を含めて、多くの記憶を映画を通して受取った気がします。

運転手、ステファンとホテルマン、タデウスのキャラに萌え萌えです(笑)

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さとうきび

3.5思い出したくない思い出もある

2026年1月17日
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何かと理由をつけてルーツから距離を置く父親の姿から、思い出のままにしておきたい気持ちが伺える。
アウシュビッツの持つ空気が張り詰めたような雰囲気はどの作品にも共通する。
故郷に恐怖を感じるなんて想像もできない。

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ななな

2.0娘はもう少しお父さんから学びなさい

2026年1月16日
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鑑賞方法:映画館

「リアルペイン」の父娘版。

ニューヨークで記者やってる娘がいろいろ課題があるタイプで、アウシュビッツの収容所の生存者なのに、楽しい人生をおくるパパからもっといろいろ学んでほっこりする話かなと思ってたら、そうでもなかった。

パパはかっこよく生きてるのに、娘はまずはダイエットをがんばってほしい。

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minavo

4.0過去は忘れたい父とその過去をちゃんと知りたい娘のチグハグ親子のロードムービー

2026年1月16日
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スクラ

3.5【忘却という名の防衛、沈黙という名の遺産。1991年ポーランド、錆びた標識の裏側に宿る真実】

2026年1月9日
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鑑賞方法:試写会

1991年という歴史の停滞期を、これほどまでに映画的な「沈黙」と「質感」で捉えた作品は稀有である。

本作『旅の終わりのたからもの』が提示するのは、ホロコーストという巨大な「不在」を巡る、痛烈なまでの肉体的な対話である。1991年のポーランド。鉄のカーテンが崩壊し、資本主義の濁流が歴史を上書きしようとする不安定な時空。この「過去がまだ生々しく腐敗している時代」の空気を、ユリア・フォン・ハインツ監督は彩度を削ぎ落とした寂れたトーンで完璧に醸成した。

特筆すべきは、言語的説明を排し、画(フレーム)そのものに物語を独白させる映画的演出の強度だ。アウシュヴィッツの引きのショット。等間隔に並ぶ焼却炉の残骸は、そこにかつて漂ったであろう醜悪な臭いすら消去された「無菌状態の地獄」として、その設計思想の異常性を網膜に焼き付ける。エデク(スティーヴン・フライ)が、現在の観光地化した「博物館」という呼称を拒絶し、「収容所」と言い直す瞬間の断絶。それは、歴史を安全な記号として去勢しようとする現代社会への痛烈な告発だ。

父娘の断絶は、そのまま「生存のための忘却」と「自己確立のための記録」の衝突である。娘ルーシー(レナ・ダナム)がホテルのレストランで頑なに「鳥のエサ」のような食事を摂り続ける姿。それは、父が経験した「欠落」を自らの肉体に刻もうとする、未体験世代の悲痛なコンプレックスの表出だ。中盤、彼女がバスタブに浸かり、自らに課した「禁欲」を破ってチョコを貪るショット。バスタブを浸食するスライムのように膨張した彼女の肉体は、精神論では解決し得ないトラウマの重力を象徴し、本作でもっとも官能的かつ残酷な映画的瞬間を形成している。

劇中で父から手渡される『失った腕のアリバイ』。それは、失われたものへの「幻肢痛」を抱えて生きる者たちの物語だ。エデクが娘に投げかける「パンプキン」という愛称。その滑稽な響きの裏に、彼が一生をかけて封印しようとした「最も愛し、最も傷ついた記憶の残影」が重なる瞬間、観客はこれまでの父娘の不毛な攻防のすべてが、痛切な鎮魂歌であったことを知る。

ラスト、空港へ向かう黄色いタクシーが遠ざかる中、画面中央に屹立する「錆びた標識の裏側」。何も描かれず、ただ風化していくその鉄板の質感こそが、エデクが抱え続けた沈黙であり、アウシュヴィッツの虚無であり、そして私たちが受け継ぐべき「答えのない歴史」そのものである。サバイバー特権でゴーカートに興じるという、滑稽でいて救いようのない現実の皮肉すらも、エンディングの旋律とともに「逃れられぬ影」として我々の足元に縫い付けられる。本作を観ることは、歴史を学ぶことではない。歴史という名の「錆びた鉄板」に、自らの指先を触れさせる儀式である。

X:物語の臨界を穿つ者|映画観測官(@kinemalover)

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物語の臨界を穿つ者|映画観測官

2.0試写会初体験でしたが…

2026年1月9日
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鑑賞方法:試写会、映画館
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84

5.0Pumpkin

2026年1月9日
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ブレミンガー

2.5過去と向き合う

Kさん
2026年1月9日
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《試写会にて鑑賞》

満たされない気持ちを抱える娘と
残酷な記憶を封印した父。

正反対で不器用なふたりの旅路に
後半、感動しました。
ユーモラスで温かい物語。

収容所に到着してからさらに引き込まれました。
収容所全体を画面いっぱいに
映してくれたことに感謝。
改めて歴史を学べました。

ただ、娘との旅の途中で
そういうことをしてしまうのはいただけない苦笑😅

本日はありがとうございました。

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K

5.0虐げられるということは

2026年1月8日
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鑑賞方法:試写会

泣ける

癒される

前トークショー付きの試写会で観させていただきました。ネタバレ回避しながらも“為になる”内容はとても有り難かったです。より映画を愉しめたのは間違いありません。

父エデクの自由奔放な行動にクスッとなりつつも垣間見る思慮深い表情やはぐらかすような言葉…フックになるポイントが、物語後半のルーシーの感情の揺れ動きにリンクして「あの時の表情は…そういうことかも」と腑に落ちる。何箇所か自然に散りばめられていてこの構成の感じ良いな好きだなと思いました。
この父娘の虐げられた体験は歴史的背景をみても私の想像力ではこと足りないとは思いますが、昨年観た「リアル•ペイン 心の旅」を観たあとにも生まれた虚無感や喪失感との付き合い方(向き合い方?)は再度、自分の中で課題となった。ルーシーのようにルーツを辿ることで心のパーツは埋まってゆくのだろうか。
身内が他界した時、戸籍謄本を読みながら自分が今ここにいる不思議に思いを馳せたことも思い出した。

帰りにポスターを見て「たからもの」の5文字が棒線でつながれているデザインなのを眺めながら旅の道筋を諦めずに繋いで行ったからこそみつけたもの(人との出逢い、ルーツの品々や家族の想い)色々がたからものだったなと優しい気持ちになれました。

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ききみみずきん

4.0不完全な家族に注がれる「恵み」のロードムービー

2025年12月6日
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鑑賞方法:試写会、VOD

笑える

知的

癒される

 ホロコーストという重いテーマだが、本作はスティーヴン・フライ演じる父エデクの陽気で、時におせっかいで、コミカルな振る舞いによって、絶えず「笑い」と「温かさ」に包まれている。エデクには、悲劇を悲劇としてのみ描かずに「それでも人生は続く」という強烈な肯定感が貫かれている。レナ・ダナム演じる娘のルーシーは、自分のルーツを知るため、厳粛で完璧な旅にしたいと計画していたが、父エデクはそれを極力避けようとする。この「過去を掘り起こしたい娘(第二世代)」と「過去に蓋をして今を生きたい父(サバイバー)」の温度差が物語の核になっている。

 また、このちぐはくで不完全な父娘のロードムービーというシチュエーションが、ホロコーストの歴史を抽象的な「悲劇」としてではなく、ポスト生存者時代に生きる私たちに「現在進行形の課題」として引き寄せている。本作の原題“Treasure”が「たからもの」とひらがな表記されていることで、ポーランドの土の中に埋められた金品ではなく、世代間の対話を通じてようやく見出された「理解」と「和解」という恵み、そして記憶を未来へ繋ぐという「覚悟」そのものを指しているようにも想えて印象深い。

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JC-LORD