豹変と沈黙 日記でたどる沖縄戦への道のレビュー・感想・評価
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タイトル詐欺
ドキュメンタリー映画にしては過剰な演出が多く、その分、提示される情報が少なく感じたのがマイナス。日記のわずかな文をいちいち朗読させ、しかも朗読者の一人は日本軍の軍服のような衣装を身につけさせたところはやり過ぎ。また映画のタイトルも書いた書家にいちいち書かせるのも一度や二度なら許容範囲だが多すぎていい加減うんざりした。
さらにサブタイトルの『日記でたどる沖縄戦』が紹介された4人の日記のどれにも引っかかってもおらず、タイトル詐欺。しかも沖縄戦への導入が南京戦にも参戦した牛島と長だけでは弱い。沖縄の方の日記も紹介されていたが沖縄戦には参加していないので導入としては弱い。
監督の前作『夜明け前のうた』も見たことがあるが、こちらも過剰な演出にうんざりしたので、そういう演出が好きなのだろうがドキュメンタリーには不要。
日記から十五年戦争を振り返るという試みは良かったが、せっかくの題材を監督の酷い演出で台無しにされた気分である。
日記で紐解く歴史
兵士達の日記を元に彼らが戦争で豹変していく……と、こう書くと何だか単調な映画になりそうだが、見事な構成力で90分近く目が離せない。
特に戦友たちがみな「慰安所」に行くなか、ある兵士が婚約者がいるからと一度も「慰安所」に行かなかったというエピソードの見せ方が秀逸。その兵士の婚約者への一途な想いに触れた観客が「純真な好青年じゃないか」という共感を抱きかけた時に、「あんな汚い女(=「慰安婦」)に欲望を抱けない」という日記の文章を紹介するという手法。その兵士に共感しかけた観客も「美談」に流されかけた事を反省せざるを得ない。ある意味観客をただの観客のままで終わらせない意思を感じる。
「東亜同文書院」に興味を抱いた。
今、振り返るべき歴史
見事な取材と構成。
しっかりとした取材に裏打ちされた構成に興味深く見せていただいた。日記のリアリティが重くのしかかる。ただ、職業軍人ではない皆さんが、どのようなモチベーションで事変に参画したのかをもっと伝えて欲しかった。国民党と共産党が内戦を行っている中、都市部をのぞき込む「国民国家」意識のない農民が大半の大陸で、上海事変から南京攻略に向かった兵隊さんたちはどのような気分だったのか?便衣兵と間違えられた庶民に対してどういった意識で手を下していたのか?非戦闘員の庶民を虐殺する辛さは何となく理解出来たが。1つ残念なのは沖縄での慰安婦のインタビューで、「『慰安婦』にされた女性」とのテロップがあったが、ここはもう少し丁寧に表記すべきだった。本人の意志に反して「慰安婦」になったのかも知れないが、あの表記では、いわゆる軍による「強制連行」によって「された」ように解釈されそうで心配だ。悪徳業者による可能性もあり、経済的窮地による本人の選択だった可能性もある。あそこは「『慰安所』で働いていた女性」としておいて欲しかった。
内容は素晴らしいし見る価値が高いと感じた。けど
日中戦争が始まったあと、
いち庶民がどのような時間を過ごし、
どのような心理状態になっていったのか、彼らの日記を通して見ていて分かりやすかったし、悲しいことに説得力があった。
いわゆる"南京大虐殺"というのは、何より皇軍が日常的に感じていたこと、見ていたこと、そして行っていたことに起因する一連の悲劇の総称とも言えそうだと感じました。
劇場に来ていた人の中で30代半ばの自分が明らかに最年少で、
ほとんどの客は60代前後の人たちだったので、もっと若い人にも観てほしいと思いました。
しかし、映画表現としてはあまり好きではなかったです。
テレビ番組に出しにくいから映画にした、くらいの感じだったのかな…。
映画という作品としてみると安っぽかったし、
途中で謎の俳優達に衣装に見える衣装を着せて日記の要所要所を朗読させるという表現は見ていて恥ずかしさすら覚えました。
本人直筆の第一級資料があるのだから文字やナレーションで十分だったと思う。作品を一個上のレベルまで引き上げたい思いもあってたどり着いた表現だったと想像しますが、
そこだけは作品の格を下げてるような表現に見えて全く好きになれなかった。
とは言えやはり多くの方に見てほしい内容だったので星4つです。
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