ウォーフェア 戦地最前線のレビュー・感想・評価
全368件中、1~20件目を表示
これは映画鑑賞ではなく、体験だ。
これが戦争か。
映画が始まった途端、私は戦場のど真ん中にいた。
いつ爆弾が投げ込まれるのか、いつ敵が襲い掛かってくるのか、いつ銃弾に狙われるのか、ずっと心拍数が上がり、体には力が入りっぱなしで、映画が終わった時、生きてることに心底ホッとした。
4DXで見ているわけではないのに、まるでイマーシブ体験をさせられているかのような生々しさと臨場感。これは映画鑑賞ではない、体験だ。
今まで様々な国の、様々な戦争映画を観てきた。
その度に戦争はダメだと噛み締めるのだが、今回ほど戦争はダメだと思ったことはない。
人間、聞くよりも見るよりも、体験させることが1番効くんだとよくわかった。
怖すぎる。あれは無理だ。
あんなところに自分は1秒だっていたくないし、大切な家族や友人に行ってほしくない。
だから戦争なんて絶対したくない。
そう心から思わせてくれるだけで、とても意義のある作品だと思った。
戦争映画は苦手な人が多いジャンルでもあるから、ドラマチックにして、ヒロイック要素を入れて、派手なガンアクションを入れて、御涙頂戴入れて、ハリウッド感出して…そういうものも多い。それを否定はしないし、そのおかげで見やすくなっている要素もある。
ただきっと、本当に戦争を経験した人からしたら「本物はこんな綺麗なものじゃない」と思うんだろう。
今作は、実際にイラク戦争に従軍した監督が、脚色なし、ハリウッド感なし、劇伴もなし、より忠実に彼らの記憶を再現することに徹底して作られた戦争映画だ。
パンフレットで監督たちの想いを読んだ時、この作品をつくったきっかけは、戦争の後遺症で記憶を無くしてしまった仲間に、あのとき何があったのかを思い出してもらうために作ったとあった。
そうして作っていく過程で「これは、自分たちが経験したものだ」と、兵士たちが思う、嘘偽りのない戦争映画が今までになかったことに気付いたとのこと。彼らは心を殺して戦場にいるから、自分たちの経験を大切な家族にもうまく話せないし、理解してもらえないという。
そんな彼らがこの作品をつくって、やっと解放された気持ちなれたと言っていたのがとても印象深かった。
なので特にこれといった複雑なストーリーや心理描写はない。
また、ヒーローもいなければ、ヴィランもいない。戦争の善悪も語らない。
無添加で原液で、ただ戦争を体験させられる。
そういう作品だ。
今も世界のどこかで、あの状況に陥っているところがあるのかと思うと、怖くてたまらない。
どうか1日でも早く、誰もがあんな経験をせずにすむ世界になってほしいと心から願う。
実体験をリスペクトし、観客の知性を信頼するガーランド監督の謙虚さ
映画であるからには物語がある。そういう先入観を一旦脇に置いて、他の映画とは違う尺度で観るべき作品だと感じた。
イラク戦争でとある作戦に従事した元兵士たちの記憶を集めて、2時間程度の間に起こった戦闘から撤退までの状況を再現したという。劇伴も、登場人物の背景描写もない。ただひたすら、最前線の緊迫と恐怖と混乱を、兵士に限りなく近い視界と音で見せられる95分間だ。
彼らが「普通の若者」であるという説明をするのに、エアロビ動画(「Call On Me」という曲のMVのようだ)にはしゃぐ兵士たちの姿をちらりと流すだけ、というミニマムさ。現場の再現に徹する映像体験の前振りならこれで十分なのかもしれない。
作戦前日に民家を占拠、手榴弾での急襲を受けるまでは不気味なほどの静けさが続く。映画の尺にして30分ほど経過したその時、緊張を強いる長い静寂に凝り固まった観客の心身は、突然の爆発に揺さぶられる。
砂埃に奪われる視界、怪我人の発生で乱れ始めるオペレーション、到着が遅れるブラッドレー(歩兵戦闘車)。ようやく到着したブラッドレーに怪我人を運ぼうとした瞬間、IED(Improvised Explosive Device 即席爆発装置)の激しい爆発に見舞われ、現場は混乱のるつぼと化す。
物語の展開に興を覚えるというより、エンドロールまでの間ひたすら戦々恐々としていた。
観終えた後振り返れば、出来事の流れにはそれなりに起伏があり、それをストーリーと呼びたくなる。だがそこに、「メッセージ性を持たせるための恣意的な演出」の存在を感じなかった。
実際に戦地で戦った兵士たちの記憶を再現する。そのテーマに対するアレックス・ガーランド監督の誠実さがそこにはあった。
証言に沿って出来事を表現するが、兵士たちに過度に悲劇的な演出をほどこさない。兵士たち個々人の背景や人間関係をあえて描かないのは、そういった意図からなされた引き算である気がした。
また、証言の再現に特化し扇情的な演出を排した結果かもしれないが、兵士たちの行動の描写も変に彼らへの同情に偏るところがなく、どこかドライでさえある。
兵士たちが占拠した家にいた現地の民間人の反応によって、彼らの作戦行動の暴力性が浮き彫りになった。国から与えられた戦争の大義が人としての良心を易々と踏み越えさせる、その恐ろしさを感じると同時に、不都合なニュアンスも隠さない監督の客観的な視点を感じた。
エリオットがOP-2の兵士に何度も足を蹴られたり、彼にモルヒネを打とうとした兵士が間違って自分の指に刺してしまう場面は、命の危機の最中だけにちょっとシュールだったが、これも実際にあったことなのだろう。
監督は、戦争映画について「体験者の個人的視点から忠実に描かれた作品は極めて稀」とし、多くの戦争映画において戦争や戦闘描写は、何らかの意図によって歪められている、と述べた(公式サイトのインタビューより)。その原因は戦争経験のない監督が映画を作るからであり、ガーランド監督自身もまた戦争経験がないので、経験者の声をそのまま観客に伝えるよう努め、そこから何を導き出すかは観客の知性に委ねたいとした。
映画としての戦闘描写の迫力で評価するなら、「ブラックホーク・ダウン」「プライベート・ライアン」など他にも名作はある。
だが、従軍経験の長いレイ・メンドーサ共同監督は「映画は有用な媒体ではあるが、(戦地での体験を)正確に描いている作品は今まで存在しなかった」「(モデルとなった元兵士たちも撮影現場でアドバイスに参加したことを踏まえ)我々はようやく自分の体験について語ることができた」と言い、戦争経験者は本作を観ることにより肩の荷が降りるだろうとも述べている。
演出のある戦争映画に私たちが感じるリアリティや感動は何に起因するものなのだろうと考えさせられる。(演出の有無と作品としての優劣とは別の話である)
おそらく、本作は従来の戦争映画とはジャンルが微妙に違う。ラストぎりぎりまで緊張感が途切れずエンタメとしても見応えがあったが、当事者が演技指導にまで関わり、誇張や主義主張を極力排した高純度な体験談の映像化作品として独自の意義を持つ作品なのだと思う。
負傷兵の肉の痛みが伝わる地上戦のリアル
本作で共同監督を務めたレイ・メンドーサは実際に米軍特殊部隊の一員としてイラクで戦った人物。体験者だけが知る地上戦のリアルは、以下、こんな風に映像に活かされている。
2006年のイラク。危険地帯のラマディに進軍した米軍特殊部隊の8人が、事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、完全包囲されて負傷者が続出。救出を要請しても空からの援軍は無力と化し、戦車で接近するにも危なすぎてなかなか思うような成果が得られない。まさに孤立状態。ハイテク戦争とは名ばかりの、地上戦のジレンマが兵士たちはもちろん、観ている側も神経をすり減らしていく。さらにリアルなのは、負傷した兵士たちの肉体がどうなり、どんな治療法が有効なのかを描く、体験者のみが知る被害の詳細だ。
同じコンセプトを持つ戦争映画はこれまでにもあった。だが、負傷兵の肉の痛みをこれほどまでに実感させる作品はなかったように思う。洋画の話題作が少ない年明けに、刺激的な1作としてお勧めしたい。
そこにある現実
いったいかれらはなにをしに来て、なにを得て引き揚げていったのか、滑稽ですらある
2006年、イラク。監督を務めたメンドーサが所属していたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、危険地帯ラマディで、アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。ところが事態を察知した敵兵から先制攻撃を受け、全面衝突が始まる。反乱勢力に完全包囲され、負傷者は続出。救助を要請するが、さらなる攻撃を受け現場は地獄と化す。本部との通信を閉ざした通信兵・メンドーサ、指揮官のエリックは部隊への指示を完全に放棄し、皆から信頼される狙撃手のエリオット(愛称:ブージャー・ブー(鼻くそブーの意))は爆撃により意識を失ってしまう。痛みに耐えきれず叫び声を上げる者、鎮痛剤のモルヒネを打ち間違える者、持ち場を守らずパニックに陥る者。彼らは逃げ場のない、轟音鳴り響くウォーフェア(戦闘)から、いかにして脱出するのか(公式サイトより)。
キャッチコピーである「<極限の95分、映画史上最もリアルな戦場に、あなたを閉じ込める>」の通り、呼吸を忘れるほどのリアリティゆえに、強烈な反戦のメッセージが込められている。
屈強な肉体を持ついかにも米軍っぽいナイスガイたちが、最新鋭のテクノロジーと統率のとれた軍事行動で、他所様の家に押しいったものの、敵軍から先制攻撃を受け、家をめちゃくちゃに破壊し、死傷者・重傷者を出し、精神を病みながら決死の情態で脱出を試みるという、いったいかれらはなにをしに来て、なにを得て引き揚げていったのかと、このリアリティでなければ出せない滑稽さがある。
滑稽さの正体は、この作戦は世界最強の米軍にあるまじき失態であり、軍事作戦にさらなる精度を、もっと統率のとれた軍事行動を、精神性も含めた兵士の訓練を、テクノロジーの進化を、各部隊の連携の強化といった措置をとるべきだというアイロニーではもちろんない。戦争なんてやめちまえという痛烈なメッセージである。
演出面では圧倒的に「音」である。狂気の天才ピアニストを描いた「シャイン」でラフマニノフを弾くシーンや、「オッペンハイマー」の原爆実験のシーンのように、視覚と裏腹に、完全に錯綜する聴覚の演出が戦地最前線の混乱を見事に表現している。この「音」を体感するだけでも映画館で観る価値がある。
ブラックホークダウンの期待はダメ
ブラックホークダウンのようなノンフィクション戦争アクションを期待したが裏切られた。場所はイラク戦争の話だが、すべて映画セットでの撮影なので壮大な戦地の雰囲気がない。同じイラク戦争映画の4デイズ・イン・イラクのような絶体絶命感もあまりない。
シールズ隊員が攻撃で負傷して泣き叫ぶだけの室内シーンが時間をひたすら割いて助けを待つ。大けが出血してるのにあんなに泣き叫ぶ元気は実際にあったのだろうか。
強いて言えば迫力があるのは、やけに黄色い塗装のブラッドレー歩兵戦車が援護射撃するだけ。他の戦闘シーンは記憶にも残らない。
それと海軍大尉 Lieutenantなのに字幕が大佐になってるぞ。あんな若い大佐いるかよ。配信会社は常識で気付いてほしいな。
映画ではなくこだわり抜かれた再現映像だった
娯楽で観るつもりなら観ないほうがいいレベル
戦争映画にあるだろうヒーロー性やドラマ性もかっこいいシーンも一切ない
戦場の非情な現実
緩い空気や楽しい雰囲気は最初の方だけ
あとはひたすら実録の非情な戦場そのもの
奇襲を受けて撤退する60分
BGMも無く、兵士の聞こえていた音のみで構成されている
爆破や銃撃、叫び声、無線の音が頭に刺さる
殺意を向けられている中で重症を負うもの、パニックになる者、戦意喪失する者、応戦する者
全員が本当に演技なのかと疑う緊迫感だった
ただ再現しただけでなく緊張感や非情な感覚がひしひしと伝わってくる
襲撃が始まってからは自ずと肩に力が入ってしまっていた
今までみた何物よりも戦争の怖さが伝わってきた
もはや教材になる代物
生半可な気持ちで観ると心にダメージを負う映画だと感じた
劇場で観ないと価値が下がる
潜入から脱出までの攻防。
それだけです。
それだけだからこそ戦争の悲劇が直で訴えてきます。
本当に戦場で撮影したドキュメンタリーなのかと錯覚してしまいます。
私はずっと力んでしまって肩がこりました。
兵器や戦争マニアじゃないので、どこまでが正しい描写なのかわからないです。
でも心理描写はすばらしく、俳優の演技も本当に負傷してるのかと心配になるくらいでした。
グロ描写注意とかじゃなく、戦争ってこんなに悲惨なんだよと伝える描写として価値がありました。
最近は完成度の高い戦争映画が続いていて、観る度に「戦場に行かない首脳たちはこれ観なさいよ」と感じてしまいます。
もしかしたら無人兵器同士の戦争が始まるかもしれませんが、巻き込まれる市民の苦しみは変わらず続くでしょう。
この映画でも、巻き込まれた市民への謝罪も補償も説明されていません。
もしかしたら反逆に加担したとして処罰されたのかもと心配になりました。
映画館の爆音で観ないと本当の価値が味わえないです。
自宅に設備がない人は映画館で観ましょう。
戦争のリアル
まずこれを観て自分が感じたのは
自分はまだまだ平和ボケした人間なんだなと痛感した。
本作に登場する特殊部隊のネイビーシールズは選抜が非常に厳しく鋭意努力では通用しない人間を超越した部隊。戦場のエキスパート。
そんな部隊だから並大抵それ以上の事は熟知して動じず冷静に対処すると観る前は考えていた。
しかし戦闘に巻き込まれる過程からその後まで
彼らも普通の人間なんだなと思った。
アルカイダから攻撃を受け負傷者を手当てする時も冷静に対象できず間を空けたり、モルヒネの針の位置を間違えるミスを犯してしまい果ては参謀の許可を得ずに命令をしてしまう。
このことから自分は特殊部隊という組織が超人の集まりと思っていたがそれは平和ボケであって戦争というのは、自分が考えているほどシビアな世界だと改めて考えるようになった。
もしかするとこれを観ている人には自衛隊のレンジャーや空挺レンジャーがいるとして「この作戦はおかしいよ」と思う人もいるかもしれないし仮にデルタフォースならもっと上手くやり短時間で処理できたと思う人もいるかもしれないが、市街戦でなおかつ狭いエリアでよく持ちこたえられたと流石ネイビーシールズと少なくともそう思った。
戦争映画として地味だと感じる人もいるかもしれないが海外のドキュメンタリー特集で兵士のボディカメラのリアルな光景に近いことからかなりリアル寄りの戦争映画である。
戦場体験
戦闘現場のリアル
究極にリアル感を追求。
ドラマは無い
イラク戦争時のアメリカ兵の脱出劇。
人間ドラマは無いし、彼らのバックボーンも語られない。劇伴もない。
途中で指揮を振れなくなる指揮官など、きっとリアルは映画的な事はなく、こうなんだなっと思った。
映画ではなく、映画館で戦争を見ている感じ。
めちゃくちゃハラハラした。あまりない面白い映画体験だった。
現代戦を映す 爆弾と衝撃波
尻切れトンボ感
戦場のディテール描写は素晴らしかった。
モルヒネを打とうとして自分の親指に打っちゃうとか、右と左がわかんなくなるとか、戸口から出ようとしてらアンテナがひっかかるとか、救護活動してる時にぼうっとしてしまうとか。こういうのはなかなか脚本家の頭だけでは捻りだせない。
ただ、ラストがね。「ここで助かったと思わせといて、対戦車砲が襲ってくるぞ!そしたらどうなるんだ?」と思ってたらそこであっさりEND。肩透かしを食らった気分だった。
実際の戦闘がそうだったと言ってしまえばそれまでだが。正直、満足度は低い。これでは「ブラックホークダウン」の亜種という以上の評価はできない。
追1
戦車に乗り込むとこ、なんで二回に分けたの?怪我人を運び込むと同時に一緒に乗り込めばよかったような?なにかそうしなきゃいけない理由があったんだろうか。
追2
大義なき戦争を始めてイラクに乗り込んで散々荒らした挙句、放り出して逃げ帰る。この映画全体はアメリカのやってきたことの象徴にもなってる。と、部外者の日本人としてはそう思う。が、アメリカ人にはどう見えてるんだろうか。
見る側も部隊の1人となる
戦闘体験
全368件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。













