雪風 YUKIKAZEのレビュー・感想・評価
全514件中、1~20件目を表示
最後で全て台無しとなってしまった
戦後80年の終戦記念日に上映ということもあって、期待値が上がっていた。
だからこそ、すごく良かったとは到底言えない作品だったのが残念でならない。
まず良かった点は2点
①「雪風」という駆逐艦の存在を知れたこと。
②主要キャラクターの俳優陣の演技が良かったこと。
特に主演の竹野内豊さんの、冷静に武士道を貫き責務を全うする姿は素晴らしかった。
しかし、それ以外が残念すぎる。
戦争映画は数字がなかなか出にくいのもあって、製作費の予算が出しにくいのも分かるが、VFXやCGの進化が凄まじい昨今で、このリアリティの無い偽物感溢れる映像を見せられると、没入したくてもできなくなる。吹っ飛んだ腕の作り物感もすごい。カメラワークもワンパターン。見せ場である人命救助シーンが、ほぼ引き上げるために手を伸ばすアングルのみなのも残念すぎた。
そしてセリフも演出もベタすぎる。特にドラマパートがベタすぎて、この状況でそんなこと言うかな?と思うシーンが何度もあった。
極め付けは最後。蛇足とはまさにこのこと。
見ている観客をそんなに信用できないのか?言葉にしなくても監督が言いたいことはわかるのに、あんな風にされたら押し付けがましくて拒否反応が起こってしまう。
大変申し訳ないけれど、過去見てきた映画作品の中で、1番最悪な演出はなんですかと聞かれたら、これですと答えられるぐらい、最悪な演出をラストにやられて激萎えだった。
見る側も予告やあらすじを見て、唯一生き残った駆逐艦というのを知って見るために、撃沈されない安心感もあり、戦争映画が苦手な人も見やすい題材ではあると思うし、豪華な俳優陣が揃っていただけにすごく残念。
同じ戦争を扱う今年の映画作品なら「木の上の軍隊」の方が数億倍良かった。
日本で戦争映画を作ることの難しさ
劇中で描かれるミッドウェイ海戦、レイテ沖海戦、戦艦大和の沖縄水上特攻作戦を含む、16回以上の主要な作戦に参加し、僚艦の乗員たちを救助して無事帰還した駆逐艦「雪風」のことを、本作で初めて知った。
日本は第二次世界大戦の敗戦国であり、憲法で戦争を放棄し平和を希求すると宣言しているので、過去に起きた戦争を題材にした映画で戦争自体を肯定的に描いたり、戦闘シーンを勇壮に描いたりすることは道義上できない。戦闘の残酷さ、軍の意思決定のまずさ、空襲や上陸戦で死傷した国民の悲惨さなどの描写を通じて、反戦のメッセージを後世に伝えるという大義名分が必要になる。
そうした前提をふまえると、沈没したり操艦不能になった僚艦から海に飛び込んだ乗員たちを、雪風の艦長と乗員らが救助する姿をヒロイックに描くというのは、よく考えられた切り口だなと感心。海戦場を舞台にしつつ、戦闘は少ししか描かず、メインはあくまでも人命救助なので、“人道的な戦争映画”と呼べるかもしれない。
ただまあ、予算上の制約で仕方ないところもあるのだろうが、海戦のスケール感やダイナミックさ、臨場感といったものがどうにも弱く、CGのクオリティもうーん、まだこのレベルかと嘆息。世界が市場のハリウッド映画と比べても気の毒だが、ローランド・エメリッヒ監督の近作「ミッドウェイ」のスペクタクルな海戦シーンの記憶も残っているし、見劣りするのは否めない。
竹野内豊、玉木宏の演技過多にならない、抑えめの表情や台詞回しがいい。さまざまなタイプの作品に引っ張りだこの奥平大兼が、若い兵らしい楽天的な軽さを表現していて、映画を明るくするのに貢献している。
山田敏久監督は本作が長編デビュー作だろうか。1992年の「あふれる熱い涙」以来じつに30年以上も助監督として現場経験を積み、初監督作で戦後80年の節目に公開される戦争映画というなかなかの大役を担った。映画製作の舞台裏にも興味深い“ドラマ”がありそうだ。
テーマは命の重さ、母方の叔父は乗艦してました
そこまで期待値は高くなかったのですが、面白く観ました
(完全ネタバレなので必ず鑑賞後にお読み下さい!)
(レビューが溜まっているので短く‥)
正直予告を見た時は、ほぼ無傷で終戦を迎えた駆逐艦「雪風」が題材で、「米英との戦争に反対だった男」「1人残らず引き上げろ」と、当時の価値観と遊離した現在の理想が全面に押し出された作品なのではと、警戒感とそれほど期待感もなかったのですが、意外にもちゃんとした戦争映画で、当時の人々の心情を誠実に描いているとも思われ、僭越、面白くは観ました。
(実際の私的の点数は細かいですが3.3点です‥)
ただ、やはり予告で凝縮された主張は、今作の根底のトーンではあり、それはもう一段当時の時代のリアリティに踏み込めない要因になっていたのではと、僭越今回の点数になりました。
戦争映画に限らず、当時の時代と人物描写はその価値観を含めて当時のままに迫り、矛盾を含めた人間を描くことに集中した方がと、個人的には思われています。
仮にそれが現在の価値観と逸脱していたとしても、観客の私達はきちんと距離を取りながらその時代に生きた人間の生き様を感受出来るので、もう少し、制作者側は、当時の人々と現在の観客に対して、信頼して向き合って欲しいと静かに強く思われています。
残念ながら2025年に観た限りの当時の戦争を扱った作品の多くは、現在の価値観から描かれ、本来のその当時の人間の深さからは離れてしまっていると、僭越、思われています。
しかしながら、その印象は見え隠れしながらも、今作の映画『雪風 YUKIKAZE』は、当時の価値観含め人々に向かう真摯な姿勢を一方では感じることが出来、俳優陣の質高い表現を含めて、僭越ながら、今作を面白く観ることが出来ました。
戦争映画ではなくヒューマンドラマモドキとして見ましょう。
総評→戦争映画ではない。予算が足りず、メッセージ性もなく「史実を基にした」薄っぺらいフィクションヒューマンドラマ。
正直、予算足りないんだなぁって思いました。数多くの日本軍の主要な作戦に参加した雪風。当然、見どころを作れるような話も数多くあると思うのですが、、、、うーん、、、、戦闘シーンは確か4基あったはずの25mm三連装機銃のうち同じ25mm三連装機銃が撃ってるのをアングルを変えつつ映し続けるだけですし、作中まあまあな比重を占める救助シーンも下に手を伸ばして助けるのをアングルを変えて引き伸ばすだけですし、、、そのうち同じような構図の連発になります、、、。坊ノ岬沖海戦は大和が轟沈するシーン一瞬映して終わりますし、CGも出来がいいわけじゃないです。なんか波が四角く見えます。航空機のポリゴンも荒いです。10年前ならスゲーってなるんじゃないすか?
個人的に意味が分からないと思ったのは序盤と終盤に出てくる万博の映像&「見てるからなー」とか言い出すシーン達です。(日本はこんなにすごくなりましたよー)的なこと言いながら1970年万博の映像が出てくるのですが、そのまま触れられませんwww。なんで?何故触れないのに出した?出すとしてもですよ?日本の復興アピしたいんなら64年オリンピックでいいと思いますし、新しい方の大阪万博アピしたいんならそっちの映像流せばいいと思います。何故に70年万博?
ミテルカラナーのシーン→いるか?そんなん言われずとも分かってるし、映画なら作品中でそのメッセージを伝えれる用に努力すべきです。なのに終盤であれをお出しするってことは「私達の映画はこんなことしないとメインメッセージの一つもまともに伝えられません」って大声で宣言するようなもんです。いやー冷めましたねーアレ。
まあ、それ以外にも何個か気になるところはあるのですが、まあ、、、、それ言い出すとキリがないので、、、
じゃあ何がいいのか?→俳優の方々(男性)の演技力です。これでなんとか映画としての体裁を保っています。女性の方は爪が長いのが気になりました。
感情に支配され、精神論と捨鉢に走るなかれ
本作は史実に基づいたフィクションであり、実際とは異なる部分もある、との断りがされています。
ただ、雪風が過酷な大戦を生き延びて、戦後は中華民国=台湾の艦船として永らえたという点で、幸運だったと言えることは確かです。
本作のように、他の沈没した艦船の乗組員救出にどこまで尽力できたかはわかりませんし、戦艦や空母とは異なり一駆逐艦故に、標的として集中砲火を浴びなかったことが生き残れた大きな要因だったのかもしれません。
ただ、日本の従来の戦争もの、というと戦況が不利で絶望的になる中で、「特攻」「命と引換えに」といった「精神論」や「滅びの美学」に支配されていたきらいがあります。だからこそ、「悲しい」「悲劇的」といった感情論に囚えられ、単に「繰り返してはならない」といった思考停止に陥り、その先の検証や戦略的理論が育たなかったのだ、と考えています。
この映画は反面、雪風の艦長や乗組員がそれに異を唱えて、無駄死にさせずに少しでも多くの命を救い、未来につなげるべし。という信念の尊さを表現していたことに意義があったと感じました。
映画に没入する前に同情が先に立つ
はしょりすぎ、
自分としては
戦後25年後の回想
うーん
正直それほど期待した内容ではなかったかな。
可もなく不可もなく?
竹野内豊や玉木宏の好演があって成り立っている映画ではあるけど、脚本はかなり雑。史実の流れで見せるんだけど、なんかなぁ。人間ドラマが少ない!
最後の日本に対するメッセージも恥ずかしくなるレベル。そんなことを映画作ってる現代人から言われても何も思わんて。言ってないことを妄想で言わせるなよ。
銃後の人々の場面も取ってつけたような話で、必要性が全くわからない。
しかもどことなく厳しく大変な日常を綺麗で理想的なものに描いているようで、見ていて何を見せられてるのだろうとしか思わなかった。
玉木宏演じる専任伍長も、途中で死んでしまうのが唐突すぎる。玉木宏の存在感がこの映画にとって大きすぎるので、映画の面白さを欠く要因になった気がする。
活躍したのが新刊抜くところだけとか、もう少し活躍させて欲しい。
うーん。何のためにキャラやったんや。青年を成長させるためだけのコマやんか。
リアリティがなさすぎる
脚本が『真夏のオリオン』と同じ人なので絶対面白くないんだろうなと思い、映画館で観た方のレビューを読んだ限り概ね予想通りと思え、じゃ何でわざわざ観たかっていうと戦闘せずに救助ばっかりやってれば立派って考えは根本的に間違ってると思うから、ここのレビューでクサしてこういう映画は作るべきではないと意見するためだったんですが
総論として良くはなかったです。
決して。
リアリティが全然ない。
雪風の乗員は機銃員を除き戦闘中に誰も鉄帽をかぶっていない。
反響するものの何もない海原のど真ん中のシーンで、声を遠くに飛ばす話し方をしていない。
表紙に箔押しで『武士道』とのみ書かれた、内容の少なそうな薄い本。
當真あみのシーンは病身の母親を連れて、人里から遠く離れたとおぼしき家一軒、田一枚ないススキ野原へ何しに行ったところなの。
『加賀、行動不能』とか『能代、鈴谷、行動不能』とかの台詞が随所に挟まり、所謂ナレ死ってやつですが、ナレだったらまだしも登場人物に言わせるからとても不自然。加賀のは誰から誰に宛てた報告かも不明だし、鈴谷が行動不能って報告を能代が上げる訳がないのだからこんな文面で報告が上がってくることはあり得ません。
栗田健男中将が反転を決断するシーン、このまま南に進んでレイテ湾で上陸部隊を叩くか、北に反転してハルゼーの艦隊を叩くか、の決断を迫られている。
史実ではここで反転してハルゼー艦隊を叩きに行って空振った訳ですが、映画だと栗田中将の決断はいきなり『本海域離脱』。
会話になってない。
無線機が故障して通信員が負傷しただけなら発光信号なり旗旈信号なり、通信する手段は絶対あるよ。
戦闘シーンはソナーマンに敵潜の位置を聞きもしないで爆雷の盲撃ちで撃退するわ、砲撃すれば初弾が当たるわ、そのことを予めわかっていたみたいにはなから1回しか撃たないわ、雷撃すれば米艦は魚雷を躱そうともしないで船体のド真ん中に命中する。
そんな戦闘があるわけない。
そもそもの話、史実では雪風って三隈の救助やってないですよね?
そこは話の根幹に関わる部分で偽っては絶対駄目なところじゃないか?
そうなると一体雪風についての、何の話をしたかったのか、すら最早分かりません。
そしてラストの『頼んだぞー』は恥ずかしくて正視できませんでした。
戦争ものの意味
雪風
2025年の作品
頻繁に制作される日本の戦争映画は、間違いなく「警告」だろう。
バブル期に言われた「平和ボケ日本」という言葉の背後にあったのは、外国人らが聞いていた「軍靴の音」
日常起こる犯罪は、その前提として起きる現象。
バブル期当時の揶揄は、日本に対する羨望の裏返し。
地球規模で見れば、戦争が止んだことはない。
そして、おそらく、その全部は工作によって引き起こされたように考えている。
資料では、太平洋戦争開戦時、日本海軍は戦艦10、空母9、重巡18、軽巡20、駆逐艦112、潜水艦64隻を保有(合計233隻)し、アメリカの389隻に対し劣勢だったとある。そして終戦までに、日本は7,240隻(漁船・商船含む)の船が沈没し、60,608名の船員が戦死したとされている。
またウィキでは、大日本帝国海軍艦艇一覧は、明治維新から太平洋戦争(大東亜戦争、第二次世界大戦)終結の間に、大日本帝国海軍が保有または、保有を計画した艦艇の一覧である。現段階で、この一覧は全艦艇の網羅には程遠いものである。と記載した上で、その名前がずらりと並ぶ。
さて、ここに一つ陰謀論がある。
それは、当時の日本が如何にしてこれらの建造が可能だったのかという疑問だ。
当時に日本の原風景は、ネットに様々な写真が溢れている。
鉄鉱石を輸入するのはいいが、それを鉄に加工しこれだけの戦艦を製造するためには、国内の道路網の整備から始まり、木を切り倒して様々な材料としなければならず、この当時の町などの風景写真と製造されたと言われる戦艦の大きさと量に、大きな疑問が生じる。
坂本龍馬は、如何にして武器を手に入れることができたのだろう?
そもそも戦艦軍は、どこかから支給されたのではないのか? 戦争を引き起こすために。
陰謀論は置いておく。
この物語でもやはり、平和、特に普通の平和の大切さを語っていた。
連合艦隊最後の作戦
この意味深な発言と、それに反対する幹部が描かれていたが、それはフィクションだと思うが、現代の日本人に、最後の作戦に対する是非を代弁させたのかもしれない。
ただ、あの「天国の声」には参った。
大ヒットドラマ「仁」の、死ぬ間際の緒方洪庵が南方仁に尋ねたセリフと重なる。
「未来は、太平の世ですか?」
緒方の質問に、仁は涙ながらに「はい」と嘘をつく。
あの天国の声に対し、私たちは「任せろ!」と言えるだろうか?
日本の戦争映画の語っていることは、この1点だけだ。
「普通」という幸せ。
バブル期にあったのは、1億総中流意識。
この普通という幸せが、「何者か」によって奪われた。
一億総玉砕も、嘘だった。
死してもなお、私たちに呼びかけている声に、私たちはいつ正々堂々とした回答を出すことができるのだろう?
CG合成で現実味がない。
この映画で語っているほど「雪風」は無名でも忘れられてもいない。少なくとも「宇宙戦艦ヤマト」の視聴者のうち何割かはこの映画の対象となった実在した艦のことを知っているだろう。
私は太平戦争についてはかなり詳しいつもりなので、その点で指摘したい箇所も数多くあるが、それ以前に映像作品として何かおかしい。
俳優陣は豪華なのに、CGで服装・背景を作って顔部分だけ貼り付けたような印象。
現在の動画技術を使えば、俳優の顔画像データを元に生成AIで作っても同じ水準の作品ができるのでは?
実際、youtubeにあるような個人のAIでの制作動画と大差ない。
あと、ラスト10分間の演出は酷い、スカスカの歌も含め・・・眩暈と吐き気を覚えた。
【そんな作戦に意味はあるのか?】
画角が狭く、今どこで誰が何をしているのか分かりづらい。
ただ、その“見えにくさ”が逆に艦内の狭
さや閉塞感をしっかり伝えてくる。
観ている間ずっと息苦しく、終わってもしばらく重さが残った。
「天一号作戦」の結末を知っているだけに、どうしようもない無力感が押し寄せる。
怒り、悲しみ、恐怖、絶望…いろんな感情が一気に湧き上がり、涙が出てしまう。
宇宙戦艦ヤマトでもあまり描かれない“沈む大和の重み”がここにはある。
戦艦大和がどれほど象徴的な存在だったのかも改めて実感する。
意味のない作戦の中で交わされる言葉が刺さり、胸が痛くなる。
映像として粗い部分は多いが、史実と演者の迫力がそれを上回ってくる。
戦争の愚かさや、その後の日本を思わずにはいられない作品だった。
史実の艦「雪風」を題材にしながら、捏造を積み重ねたフィクション
豊田穣『雪風ハ沈マズ』を既読の立場として、本作には一定の史実準拠を期待していた。
しかし実際に観た結果は、史実の艦「雪風」を題材にしながら、捏造を積み重ねたフィクションという印象が強く残った。
史実を下敷きにした創作自体を否定するつもりはないが、
実在艦
実在人物
実在戦史
を扱う以上、史実とファンタジーの線引きは最低限必要だと考える。
それができないのであれば、そもそも「雪風」という題材を扱うべきではない。
捏造ポイント①:タウイタウイ泊地での触礁事故
1944年5月22日の触礁事故は史実だが、映画では「海図に無い岩礁に乗り上げた」という説明になっている。
しかし実際には、岩礁の存在は既知、岩礁位置を示す挂灯浮標が強潮流で流出していたという明確な原因がある。
「海図に無い岩礁」という描写は、航海の現実を理解していない表現であり、説明不足以前に誤り。
さらに、応急修理後の速力についても、史実:最大発揮速力 約28ノット、映画:なぜか17ノットと大幅に改変されている。
捏造ポイント②:マリアナ沖海戦での描写
映画では、速力不足から給油艦護衛に回され、潜水艦に襲われる展開になっているが、これは史実と異なる。
実際には、1944年6月20日
・補給部隊は米艦載機の大規模空襲を受け
・雪風は探照灯による奇策で3機撃墜
・速吸・清洋丸・玄洋丸が被害
こちらの方がはるかに映像的にも史実的にも魅力的であり、なぜ改変したのか理解に苦しむ。
捏造ポイント③:レイテ沖海戦の単艦突撃
無線機故障による単艦突撃、空母雷撃撃破という描写は完全な創作。
史実では、
・第十戦隊としての集団突撃
・米駆逐艦ホーエル、ジョンストン、サミュエル・B・ロバーツ撃沈
・空母部隊への遠距離雷撃(20本以上)
・命中ゼロ
集団戦・戦隊運用こそが旧海軍の戦い方であり、単艦ヒロイック表現は完全にアメリカ映画的発想。
捏造ポイント④:信濃護衛任務の完全カット
雪風・浜風・磯風による空母信濃護衛、そしてアーチャーフィッシュによる撃沈事件は、
雪風の戦歴を語る上で極めて重要なエピソード。
にもかかわらず、映画では意味のない家族パートが挿入され、この重大事件は丸ごと削除されている。
史実を描く意志がないことが、ここで決定的になる。
捏造ポイント⑤:坊ノ岬沖海戦での姿勢
映画では、大和沈没後にあっさり撤退する描写だが、史実の寺内艦長は違う。
・沖縄突入を最後まで主張
・生存者救助より戦闘継続を優先
・極めて苛烈で不退転の指揮
映画の寺内艦長は、
「理性的で理解があり、現代人に好かれる上司像」
として再解釈されており、実像とは大きく乖離している。
結論
本作は、史実艦「雪風」を借りた、別物のフィクション作品である。
史実を知らない層向けの“感動戦争映画”としてなら成立するかもしれないが、
史実を知る人間にとっては、捏造の連続で鑑賞が苦痛になるレベル。
史実と創作の区別を放棄するのであれば、この題材を選ぶべきではなかった。
それに尽きる。
戦争で残ったモノ
全514件中、1~20件目を表示








