グッドワンのレビュー・感想・評価
全27件中、1~20件目を表示
父娘の物語は容易に夫婦の物語にも変換可能
「娘さんはいい子ですね」と褒められれば父親は喜ぶが、娘は本当に喜んでいるのかを娘の微妙な表情の変化を見つめて考える物語です。子供なんだからこうして当たり前、特に女の子ならこれが出来て当たり前と思い込んでいる親として男としての抑圧があるのではと静かに問い掛けます。「いい子」とは、そうした押し付けに素直に従っている事の証左に過ぎないのです。
これは、「仲のいいご夫婦ですね」と言われて能天気に喜んでいる夫に突き付ける刃にもなり得ます。夫(男)としての甘えを妻(女)に押し付けてるだけではないのか。そこまで考えると恐ろしくなって来ます。
嫌気でイジワル、生理中ノ私。
父クリスと父の友人マットとニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日で登山キャンプへ出掛ける娘サムの話。
現地へ向かう途中にマットを拾い、車内から始まる他愛のない話、キャンプ地へ着き…レストラン、山中、テントを張る場所と会話は途切れず…キャンプ地での夜、父クリスは酒に酔い独り先に寝て父友マットと2人きりになるが…話し途中に言われる「一緒に寝よう」にキモさを感じ距離を取るが…。
正直ストーリーは何てことない、クリスとマットの他愛のなく配慮のない話、そこにいるサムが聞き役で世話役、キャンプ地に流れる川や景色、その描写にハマるBGMで何か観てて心地いい。
タンポンを替える描写が数回に?お国柄の違いを感じながらも本作の作風は好みだった。
「相手の気持ちになってみて」
劇場でトレーラーを観て興味を持ち、米国映画レビューサイトの評価もなかなか良いということで今週の2作品目に選んだ本作。会員サービスデイにヒューマントラストシネマ有楽町にて鑑賞です。
さて、本作もまたレビューが難しいタイプの作品。メインはキャンプ中の二泊三日に起こることですが、その前に出発前夜の旅支度シーンと、キャンプ地・キャッツキルを目前にした一泊を含む計五日間であり、全体として情報量の少ない中において、実はこの“前二日間”にこそ隠れた本質が含まれている気がします。ただそれすら、キャンプ中の夜に酒が入ることで吐露される二人の中年男性たちの言動から、遡って解るようなところがあるため、おそらく観直すと更に気づくことも少なくないはずです。
クリス(ジェームズ・レグロス)は娘のサム(リリー・コリアス)を連れ立ちキャンプに同行する旧友マット(ダニー・マッカーシー)とその息子・ディラン(ジュリアン・グレイディ)をピックアップしに訪れますが、何やら二人は揉めていて結局ディランは再び家の中へ。サムは「ディランを説得しようか」と提案しますが、マットは投げやりにそれを打ち消して自分一人乗車し、キャンプは中年男性二人と17歳の少女の三人編成で実施されることに…
トレーラーの印象ではもう少し「オジサンならではの可愛げ」と高を括っていましたが、むしろ二人のオジサンに対して目を覆いたくなるくらいの醜悪さを感じつつ、一方では自分もまた同じオジサンとして襟を正すべき案件だと考えさせらる内容。監督、製作、脚本を務めるインディア・ドナルドソンの女性だからこその“鋭くて的確な一撃”を受けて身が引き締まる思いを感じます。
「相手の気持ちになってみて」
キャンプ地に向かう車中、自身の離婚について語るマットに対し、適当な受け答えしか返せないクリス。元妻や息子との関係のギクシャクについてどうすべきだったのかと吐露する彼に、サムはマットへ思いやりを込めて「相手の気持ちになってみて」と助言します。
万全とは言えない体調にもかかわらず二人のオジサンに付き合い、前泊のホテルはケチってダブルの部屋一つだけでしかもベッドは譲られず、キャンプが始まれば一泊目から男性だけの別のパーティーとの合流、そして、他人の話を広げずに自分らのことばかり喋る二人。。。それでも苦笑しつつ何とか遣り過ごしていたのに、、、
自分のことについては過剰なほど感傷的なのに、他者に対するデリカシーは全くと言っていいほど持ち合わせず、それでも理解を示してくれる相手に甘え、そしてそのことに無自覚という性質の悪さ。まぁ本当にがっかりすることオンパレードなオジサンたちを見ながら、振り返って自分を見つめ直す必要も同時に感じる“反面教師”な題材。特に中年以上の男性諸君、目を逸らさずに鑑賞し、そして自分を見つめ直しましょう。
♂♂(♂)×♀
今年大学生に上がる娘・サムが父親とその友人の三人でキャンプに行く話。微妙な年齢だからか、男の大人2人との何ともギクシャクと噛み合わない関係が最後まで引き摺られて終わる。また、そのギクシャクとしたやり取りがお互い稚拙すぎて居心地の悪い時間がどんどんと重なっていく。どんな親娘でも一度は経験のある通過儀礼か。ここをどう通り抜けるかでその後の親子関係が決まっていくのかもしれない。そんな小さな綻びを拾っていく作品ではある。
でも、
実はこの作品の隠された妙味は、最初にさらりと示された設定にある。実は父親の友人の一人息子も、本当は参加するはずだったのだ。が、出発直前に喧嘩別れしてしまう。サムは出発時に説得してこようかと進言するが、友人はもういいとあっさり諦めるのだ。もし、彼が参加していたらどうなるのか⁉︎年配の男2人とのギクシャクしたやり取りの間想像していたのは、そんな仮定の話だ。果たして…老老×若若になるのか。♂♂♂×♀になってしまうのか。どちらになるにせよどんな展開があるのだろうか。一つ確かなのは、“思春期の男子は何につけ役に立たない”というジンクスだ。
とにかく静かな漣のような時間の流れる映画で捉えどころなくも思えるが、そんな裏側に思いを馳せると、かなりダイナミックな想像が一人歩きしだす。
そして、話は何事もなく終わる。何事も無くて良かったとも言えるのかもしれない。
サムは、この先の大学生活を大いに満喫する事になるだろう。
自分にもあるかも知れないと思った...
大学入学を控え家を出ることになっている17歳女子サム(主人公)と
その父クリスと、父の大学時代からの男友達で離婚したばかりのマットと
三人で、大都市NYから北に約160㎞離れたところにある、キャッツヒル山地に二泊三日のキャンプに出かける話。本来マットの息子ディランも一緒に出かける予定だったが、マットと喧嘩し急遽ドタキャン。
あいにくサムは生理がはじまってしまう。
行きは車の運転もさせてもらえず、後部座席に押し込められ、
生理で体調もあまりよくなく、父親と友達の男の会話には乗れず、
でもいい子(good one)で、キャンプ地に向かう。
途中で店に寄って買い物をするが、女店員は同情的だ。
いざ山地を歩き始めるが、自分に来る質問は「好きな色は」とか幼稚なものだけで、もう精神的には大人なのに全く慮られない。また料理をするのは当然女の役割というようにお世話をする。そのようなエピソードがこれでもか、と続く。自分に「一緒に寝ようか」と突然言ってきたマットに思い切り不快感を示し、父親にこんなことを言われたと告白するも、父親は「そんな奴だから放っておけ」と取り合わない。
我慢の限界に達し、男二人のリュックに、石をいっぱい詰めて
先に山を下りてしまう。
そしてその石は父親から無言で返してもらって(「お前の言いたいことは分かった」と)、帰りは運転を任されて、自分で好きなように帰るのだった。
アメリカは、もっと女性の意見が尊重されるイメージだったが、
そうでもないことが、場面の端々からわかった。
必要な時に適切な言葉を持てない者たちが、自分の親も含め大人にもいっぱいいると気づいた三日間だった。
自分も時々やってるかもしれないと振り返った映画鑑賞だった。
そしてgood oneは単なる「いい子」だけでなく、スラングのgood one(皮肉でイイネの返答=全く良くない)でもあった。
看板に偽り:キモいオッサンに愛想尽かして「いい子」をやめる話
公式の謳い文句に
「新世代が映す成長譚。忘れがたいひと夏の物語。大人になることの"喪失感と希望"」
などと書かれているが、
キモいオッサンの前で「いい子」でいることを、愛想尽かしてやめるのが「成長」というなら、確かに「成長譚」。
忘れがたいと言えば確かにキモくて忘れがたいだろう。
「大人になることの"喪失感と希望"」――これはさすがにトンチンカン過ぎる。捏造としか言いようがない。
* * *
父クリスと一緒に2泊3日のテント泊トレッキングに行くことになった17歳のサム。
同行するのは、父と学生時代の友人だったマット。マットの息子は、ドタキャン(てか、同行するとマットが思い込んでただけかも)
クリスとサムの父娘は、山慣れしていて、装備も理にかなっているし手際もいい。
それに対しマットは、登場直後からムカつく存在。
後席のサムが助手席のマットに、車の窓を閉めてと頼むと、開けたり閉めたりしてウザくからかう。
途中の店で、全然必要のないパラソルを買う。いわく「安かったから」。
はいてきたズボンは登山には向かないジーンズ。しかもご丁寧に、重いのに着替え用まで持ってきてる。
でかいシェーバーも持ってきてる。
そのくせ寝袋は忘れる。
こんなやつ、絶対に連れて来ちゃいかん。
クリスはいちいち、説教しながらもマットの面倒をみる。
サムも、がんばって会話の相手になる。
――2日めの晩までは。
* * *
途中、登山道を歩いたり、
テントを張ったり、
食事を作ったり、
その後片付けをしたりする描写が
丁寧すぎるほど丁寧なので、
同行している感満載。
さらには途中で男3人のパーティーが、
こんなに広いテント場なのに何故すぐ隣に?
という近さにテントを張り、
しかも
過去に行ったところのマウントを微妙に取りに来る。
(まあこれは、クリスがマウントをとりにいったのに対抗した、という感じだけれど)
――実際いるのよ、こういうメンドクサイ人たち。
その間の、
サムの表情演技が絶妙。
* * *
そして、2日めの晩、
クリスが寝ちゃった後で、マットがめっちゃキモい台詞を吐く。
ずっと「いい子」として生きてきたサムは、
その場はやり過ごし、
翌日、父クリスに打ち明けるも、
クリスはまともに受け取ってくれない。
で。
堪忍袋の緒が切れちゃう。
とはいえ、
マットのザックに石を詰め込んで重くして、
2人を置いてけぼりにしてとっとと駐車場まで降りちゃう、
っていうだけの、
そして後から追いついた2人とまともに口をきかない(マットは完全無視)
っていうだけの、
おとなしい「反乱」なんだけれど。
その反乱が、その後どうなったのかは、描かれない。
* * *
とにかくマットが胸くそ悪く、
もっとやっつけたいんだけど、
うちに帰れば関係ない人、と考えれば、
こんなもんかもしれない。
そういう意味で、最後まで、
ありそうな話、ではあった。
でも正直、
ありそうな話を、どこかで突き抜けてほしかった。
でなきゃ、フィクションを観る意味って、ある?
大人の都合や矛盾を静かな森の中で描く
アメリカの森の中を大人2人と少女1人で歩いて行くロードムービー的な映画でした。驚くような景色を見せるのではなく自然を自然らしく撮っていって森の中のありきたりな風景はどこか日本人が感じる自然と似たものに思えました。この物語を考えるのにはちょうどよい自然の目立ち度と時間の流れになっていました。
主人公のサムは大学に入学する直前の多感な年ごろで、大人2人は離婚していて人間関係の中でもっとも密といってもいい「夫婦」関係を築くはずが破綻していて、大人の矛盾やわがままさ、傲慢さなど持っていてサムは言葉に明確に出ないけど本能的にそれを感じてる様がうまく表現されていると思いました。
大人の事情に子供は巻き込まれ傷つきます。それを子度は避けることができないんです。子供の目線を大切にすることが大人の義務であり子供への愛ではないかと思いました。
石をリュックに詰めたり、一人で戻ってしまったり、大人への抵抗がかわいらしかったです。自然の中に長い時間身を置いて世俗の情報を遮断していくと見えてくるものがあるんじゃないかと、森の中歩いてみたいと思いました。
山登るだけの映画なのにマチズモのオンパレード
明らかに低予算映画で、金のかかっていそうな場面は一切出てこない。
一見すると、男女3人がリアルに山登りとキャンプをしているだけの動画にも見える。
だが、この映画はとにかく「会話劇」が凄まじい。
「50代の男二人と、17歳の少女でキャンプ」というシチュエーション自体は珍しいかもしれないが、そこで交わされる会話の数々は、世界中の至る所に転がっている「辟易するようなやり取り」の連続に感じた。
しかも会話が非常に多層的で、口にしている言葉と感情が必ずしも一致していない。
本作は、主人公である17歳の少女サムの顔のアップがやたらと多い。
観客に対し、作り手が「この子が会話の裏で、本当はどんな気持ちなのかをちゃんと考えながら観ろ」と突きつけているような気がした。
世界中で起きているものの、見過ごされがちな問題を巧みに描いており、考えさせられる場面が非常に多かった。
冒頭、サムが家でキャンプの準備をするシーンがある。
家族に説明する内容がそのまま「キャンプの豆知識」になっており、その後の展開を理解する助けになっている。
劇中でサムがタンポンを付ける場面が何度か出てくる。
女性監督でないとこういうシーンを撮るのが難しそう。
自分は男なので、初見ではその意図を測りかねたが、鑑賞後にPodcastでこの映画についての話を聴いて腑に落ちた。
彼女が生理中であることを示しており、本来ならキャンプどころではない体調なのに、それでも父親に同行するほど彼女が「グッドワン(=良い子)」であることを示していた。
サムの父親クリスとその友人マットは、絵に描いたようなマチズモの塊。
本作は、二人が至る所で無意識に振りまくマチズモ的振る舞いを、観客が延々と見せつけられる作りになっている。
キャンプに向かう車中でマットがサムに悪ふざけ。
サムは角が立たないよう「やめてよ」と穏やかに注意する。
マットは一瞬止めるものの、すぐにまた悪ふざけを繰り返す。
相手が事を荒立てないように配慮して注意しているのに、男側はしつこく繰り返す。
この「嫌な感じ」は、実生活でも何度も目にしたことがある気がした。
車中の会話から、彼らの女性軽視が滲み出ている。
「こういう女はこうに決まっている」といった決めつけばかり。
本作は、最初に映画の結論めいたものが出てくる。
車中でマットがサムに「周りの人間が俺にキレてばかりなんだが、どうすればいいと思う?」と尋ねる。
それに対するサムの答えは「相手の気持ちを考えなよ」というものだった。
この一言こそ、本作が最も伝えたかったメッセージな気がした。
登山の道中、サムは父の友人である中年男のマットからひたすら質問攻めに合う。
17歳の少女が、さほど仲良くもない50過ぎのおじさんから受ける質問攻め。
個人的にはなかなかの地獄に見えた。
登山やキャンプの描写自体は非常にレベルが高いのだが、観ていて「キャンプっていいな」とは微塵も思えなかった。
良いと思えたのは、途中で一瞬映る美しい景色くらい。
主人公たちがテントを設営していると、別のキャンパー若者男3人組と遭遇する。
若者たちが協力して食事を作るのに対し、主人公チームはサムだけが料理をし、おじさん二人は椅子に座って談笑。
片付けもサムが一人で行う。
女性だけが家事。
日本でもよく見かける光景で、反吐が出る。
その後、主人公たちと若者キャンパーたちでトランプをすることになるが、おじさん二人が独壇場で喋り続け、若者たちは聞き役に徹する。
若者が口を開こうとしても、おじさんたちはすぐに自分の話に引き戻してしまう。
サムは「聞き上手」を演じ、若者たちと目が合った時に苦笑いを浮かべる。
この光景も日常生活の中で身に覚えがありすぎて、逆に笑ってしまった。
サムは常に相手を優先して行動しているが、父親たちはどこまでも自分たちを優先していることがよくわかる。
物語が進むにつれ、同じ中年男でも、クリスは出木杉くん、マットはのび太のようなタイプだと分かってくる。
最初はマットを事務的にあしらっていたサムだが、彼がドジを連発して父親から愛想を尽かされるのを見て、同情心から親身に接するようになる。
しかし、結果的にはこの優しさが裏目に出る展開になっていく。
本当に、男という生き物は…。
マットのセリフの字幕で、本来なら「妻」と訳すべきところで「嫁」という言葉が使われている場面があった。
日本だと妻のことを嫁と呼ぶ男はいるが、アメリカにそのいうのはないと思うので、あえてマットが使いそうな言葉として翻訳者が選んだことになる。
「妻を嫁と呼ぶような男は酷い」という、翻訳者からの痛烈なメッセージを感じた。
中盤までは「まあまあ面白いな」程度で観ていたが、2日目の夜の場面で「この映画は凄い」と確信。
サム、クリス、マットが焚き火を囲んでの談笑中、父親たちがそれぞれの離婚話を始め、悲壮感が漂い出す。
そこで落ち込むマットに対し、サムが放った言葉が素晴らしい金言だった。
本作ではサムが素晴らしい台詞を言う場面が何度もあるが、おそらく監督自身の考えが彼女の言葉に投影されているのだろう。
パートナーとうまくいっていない男は、全員この台詞を参考にするべき。
しかし、父親のクリスが悪酔いして先にテントへ引っ込んでから、空気は一変する。
サムとマットの関係は、先ほどまでの「父の友人と娘」から、ただの「男と女」に変わってしまう。
なんとか会話を続けようとする二人だが、ここでマットが、友人の娘に対して絶対に言ってはいけない一言を放つ。
そこで会話は完全に終了する。
性犯罪のニュースなどを見るたび「自分の部屋を一歩出たら性欲を見せるな」といつも思う。
翌日、下山する3人の様子が描かれるが、会話シーンは一切なくなる。
しかし、3人の関係が激変したことは画面から痛いほど伝わってくる。
その後、サムは昨夜の出来事をクリスに報告しようとする。
「それを言ったら取り返しがつかないことになるが、マットが悪いのだから仕方ない」と思って観ていたが、報告を受けたクリスのリアクションは予想外だった。
娘の心の傷よりも、男同士の友情を優先する父親。
女性が男から性的な目で見られた時の恐怖や嫌悪感と、男側が女性を性的な目で見る時の感覚には、絶望的なまでの隔たりがあると、この場面を観て思い知らされた。
その後のサムの行動には、「いいぞ、もっとやれ」と応援したくなった。
取り返しのつかない一歩手前で踏みとどまるところに、彼女の「グッドワン」を感じ、ますます彼女のことが好きになった。
クリスは何故娘がここまで怒っているのか理解できない様子だが、観客にはその理由が痛いほどわかっている。
ここで、前半の車中で放たれた言葉が重く効いてくる。
リリー・コリンズ?
空気は読むもの
父クリスとその友人マットと2泊3日のトレッキング&キャンプに手掛けた大学入学前の娘サムの話。
もともとはマットの息子ディランも行く予定らしかったけれど、迎えに行ったら揉めていて、マットだけ拾って出掛けることになって行く。
とりあえず目的地近くのホテルで1泊となるけれど、4人でここに泊まる気だった?なんて小さな引っ掛かりが…。
そして翌日から、仕切り屋気質だけど配慮の足りない父親と、デリカシーのないマットと共にリュックを背負って森の中へとなって行く。
とりあえず、クリスもマットも色々配慮が足りず、小さな嫌悪や引っ掛かりが募って行くのはわかるけれど、もともとのクリスとの関係も、マットとの距離感も、サム自体の性格も、全然わからないから蓄積具合いを判断するのがちょっと難しい。
映画の展開としても、自然の美しくさと会話をみせることの繰り返しになってしまうので単調気味だし…。
言いたいことはわかるし、つまらなくはなかったけれど、ちょっと自分には物足りなかったかな。
何を見せたかったのだろう。
父親の気持ちがわかる
主人公よりも、娘の地雷を無自覚に踏んでいく父親側に強く感情移入してしまって辛かった。すごくわかる。大人になっていく娘の感情に気づかない、コミュニケーションがうまくいかない(かつちょっと不機嫌になる)、休みにもかかわらずかかってくる仕事の電話、現実逃避したくてトレッキングに来たのにその友人の装備ときたら…とか。他にも、世代の違う3人の若者とのディスコミュニケーションもあ~って思ったし。一方、娘を大切に思っている気持ちも伝わってくる。
マットの失言は正直、庇う部分はないのだけど、家族間でうまくいかない何かあったんだと思う。人生、ままならない。年齢的にマッチョイズムの時代を生きてきた人間を現在の価値観で一方的に責めるのは違う気がする。(多分)徐々にトレッキングに惹かれていく感じも見て取れたのが個人的には救いだった。
車、山の装備について、これも間違いなくわかってる人がチョイスしてて見てて楽しかった。あのザックは、あのテントはどこそこのメーカーで…とか早口で言いたいけど本旨と外れるので割愛。
森の中の賑やかな無音が少女の心を映し出す
リアルなトレッキング旅行を背景に今まさに大人になろうとしている少女と父親の微妙な関係性を描いています。
登場人物は僅か6人。うち3人は偶々出会ったキャンパーで、物語には重要な位置を占める、というか見事な伏線となっていますが登場時間は僅かです。父の友人は登場時間は長いけれど、あくまでも二人の背景。
これは、父と娘の、いや少女から女性となる娘と父の分岐点を娘視点から視覚情報だけで饒舌に描いた作品であると感じました。
ただ森の中を歩いて、自然の音をバックに他愛もない会話をするだけの一見穏やかで地味な作品ですが、良い映画でした。
偶々、上映後のトークイベントで作品の解説を聞くことができて、気づかなかった細部の意味も教えてもらい、とっても得した気分です。
思春期から大人に。
オンライン試写で観賞。
父とその友人との3日間のハイキング旅行。少しずつ積み重なる違和感が彼女の心を揺らし、愚かな大人の言葉で良い子で居ることを放棄する。涙の後に石が味方になり、ひとりで歩く彼女を取り囲む自然が優しかった。ラストの駐車場もシーンもとても好き。
これ好きな映画だった〜!
17歳のサムが思春期から大人へ変わる瞬間を少しだけ覗き見させてもらえたような?でも、それはほろ苦くてあんまりいい思い出にはならないかも。サムの表情や揺らぐ視線のひとつひとつが素晴らしい。
父親クリスとサム、父の友人マットとその息子でハイキング旅行に出かけるはずが、マットの息子は不参加になり、中年男性2人と17歳の女の子1人の構図に。これだけでも嫌なのにサムは生理中で乗り気じゃなくて。それでも空気の読めない中年2人の会話に参加して、キャンプ地では料理して片付けして…ってしっかり働くサムが偉すぎた。
クリスとマットは仲がいいのか悪いのかわからないぐらい性格は合わなくて、サムが間に入って取りなす感じもあったり。2人とも離婚していて、それなりに原因はあるように思えた。
マットの信じられない一言もキツすぎて吐きそうなぐらいだったんだけど、もっと絶望したのはその後のクリスの言葉。あれは泣くわ…唯一頼れる大人でさらに父親にあんな事言われたら私は縁切るね。
サムがひとりで泣いて…でも少しだけ大人になって、きっと帰ってからは父親との関係性も変わったんだろうな〜って。ただ、あの石が少しでもクリスの心に響いてくれてたらいいな…って思ったり。親子でも分かり合えるとは限らないんだけどね。
巣立ちの瞬間なのでしょう
物語は父親とその友人との三人の三日間のキャンプでの、些細でそれでいて生き方を変えてしまうような出来事。
最初から大自然に投げ込まれるような映像に目を奪われます。
それらを写し込んだカメラが本当に素晴らしい。
そんな絵作りも綺麗なのですが、音がとにかく良いんですね。
鳥の囀り、風に草木が擦れる音、虫の声、川のせせらぎ、本当に山の中にいるようでした。
キャンプしたことある人には分かるのと思いますが、まさにあれです。
自然と一緒になったような、あの音にあふれていました。ここは拘ったんでしょうね。
これは是非劇場で感じて欲しい。
また監督は長編初監督、主演は映画初主演とあってびっくりです。
主演の子は本当にナチュラルに17歳の少女を演じきっていて、驚きしかなかったですよ。
そんな三日間の中で気づいてしまった男と女の壁。崩れていく親子の絆。
男性では気付かない視点での描きかたが、正に女性監督ならではと思いました。
誰が悪いでもない三人。
それでも以前のように向き合えない瞬間を映し取っていました。
女の子の巣立ちの瞬間なのでしょうね。
でもラスト。彼女の些細な復讐に対して、それを包み込むようなアンサーは素敵でしたよ。
とても良い作品でした。
アフターサンよりシンプル
特に何が起きる訳もなく
町山さんのラジオを聴いて気になり映画館へ。解説通りマンハントや殺人鬼も無し。オヤジ同士のキャンプに半ば無理矢理付き合わされたばかりに嫌な気分にされる娘が可愛いそう。
主人公は無自覚な話し方にやり取りに心底嫌になり父親にも呆れ有様。
特に面白くも悲しくも心には残らない女性監督らしい目線の作品。
とは言えオヤジ2人は自分と同い年ぐらいで娘がいたらと思うと…。
奥さんがやられるやのが嫌だから家事全般はやらないから身につまされてしまう。
せめて無理に付き合わせる無遠慮な言い方だけはしない様にせねば!
全27件中、1~20件目を表示
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。











