対外秘のレビュー・感想・評価
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決断するたび変わりゆく姿が楽しくもあり、哀しくもあり
序盤はコメディ風の立ち上がり方。かと思えば、登場人物の誰もが数々の運命の決断に見舞われ、誰を切り捨てて他者を出し抜くかで、口では笑みを浮かべながら腹の底では何を考えているかわからない不気味さと油断ならなさを増していく。脚本にスピード感があり、それは良い反面、立ち上がりの関係性などはやや説明不足に思える箇所もある。肝心の対外秘ファイルもタイトルに掲げるには若干インパクトが足りないように思える。が、そこらへんにさえ目をつぶれば、徐々に本作の楽しみ方がわかってくるはず。純真な自分、何者にも振り回されない自分など存在しない。人生はまさに決断の連続。どちらを選ぶか、どのシナリオにコミットするかによって、己は磨かれ、キャラクターが決定づけられていくと言わんばかりだ。ヘウンの妻や女性記者の変わらない態度が逆に強く印象に残るのは、周囲の男たちがあまりに決断しすぎて振り切れ、変貌してしまうからかも知れない。
「悪人伝」監督、再びの“三つ巴ノワール”
イ・ウォンテ監督は2020年に日本公開された前作「悪人伝」で、悪魔のような連続殺人犯、犯人から重傷を負わされ復讐に燃えるギャングのボス、犯人逮捕のため手段を選ばないダーティーな警官という3人を柱に据え、ボスと警官が裏をかこうと画策したり喧嘩したりしながらも共闘して犯人を追う、バイオレンスと緊迫感に満ちたノワール映画で楽しませてくれた。
そして最新作の「対外秘」では、1992年の釜山での国政選挙を舞台に、ワルたちの三つ巴の争いが再び展開する。今回の主要人物は、党公認候補の約束を反故にされた地元政治家ヘウン、公認候補をすげ替えて投票や公共事業計画まで裏で操る権力者スンテ、劣勢のヘウンのため選挙資金調達に協力して見返りを当てにするギャングのピルド。前半はおおむねヘウンとピルドが手を組みスンテに対抗する構図で進むが、半ばあたりからスンテの策略によりヘウンとピルドのタッグが崩れ始め、誰と誰が裏で組んで残りの一人を出し抜くのかがストーリーの推進力になっていく。
テレビの画面で1992年大韓民国大統領選挙(金大中を含む3候補が立ち、金泳三が勝利)のニュース映像が流れ、時代感を醸しつつ史実とのリンクもほのめかす。1963年の朴正煕から全斗煥、盧泰愚と約30年ににわたり続いた軍人政権が終わり文民政権が発足するなど、「政治的な緊張が凝縮された年」だったとイ・ウォンテ監督も語っている。とはいえ、さほど韓国の政治史に明るくない多くの日本人観客にとってそうした歴史的背景や選挙の実情は伝わりにくいのが難点か。タイミングとしても、10月27日の衆院選、11月5日の米大統領選と続いてメディアで報じる側も見聞きする側も選挙の話題はひと段落のムードになった後で、11月15日の日本公開は少々間が悪かったかもしれない。
悪と悪が裏切り争い合う政界暗闘劇!
仁義なき選挙戦
選挙で勝つには…?
クリーンな政策? 清廉潔白な人物像? 正義感と信念?
そんなの落選も同然。選挙で勝つには…
金、コネ、権力。
相手を出し抜き、裏切り、腹の探り合い。
クリーンで通じる世界ではない。仁義なき韓国選挙戦。
1992年の釜山。
政治家のへウンは党の公認候補を約束され、国会議員選挙に出馬。地元での強みや人気を活かし、順調に見えたが…。
政治を影で操る“フィクサー”のスンテが公認候補を自分に言いなりの男に変えた事により阻まれ、落選。
へウンは地元ヤクザのピルドと組み、スンテが富と権力を牛耳ろうとする“対外秘”(最高機密文書)を手に入れ、復讐しようとする…。
あくまでこれはフィクション。だからこその面白さ。
だって、もしこれがリアルだったら…? 恐ろし過ぎる政治の世界。
いや、こうやって話のネタになる以上、全てがフィクションとは言い切れないかもしれない…。
政治を影で操るフィクサー。映画などで時たま描かれる事あるが、本当にそんな存在が実在するのか…? 日本の政治史の中にも、いるとかいないとか。
その人物の意向一つで政治が動く。政治家たちは言いなり。
なら、政治って…? 政治家って…? 国民の声は…?
取るに足らん。政治も権力も我が手中。
フィクサーと対するに結託する政治家、ヤクザ、怪しいビジネスの社長。
政治、ヤクザ、金…。切っても切れないとは言え、裏社会の者たちがこうも選挙戦に乗り出してくるとは…。
現代日本の選挙だったら有り得ん。少しでも噂が立っただけでアウト。今は…。しかし、昔は…?
ヤクザや悪徳社長にとっては政治もビジネス。
当選したならまだしも、落選して良好な関係でいられる訳ない。
亀裂が入った関係は、やがて悪徳社長を亡き者に…。
それが運と縁の切れ目。
絆を育んでいたへウンとピルドだったが…。
文書を武器に脅すへウンに対し、スンテは社長殺しに二人が噛んでいると睨む。
へウンは女性記者の協力を経て、文書改ざんの証拠を握る男に接触。記者会見を開いて暴露すれば、スンテにとって致命的。
スンテもまた文書に関わる者を自分側に。さらに、もう一人…。
ピルド。へウンが切り捨てようとしていると吹き込む…。
記者会見当日、各々の命運が…。
相手が仕掛ければこちらも仕掛ける。
立場も状況も派閥も代わる代わる。
使い古されたキャッチフレーズ“最後に笑うのは誰だ?”がこんなにもぴったり合う作品もなかなか無い。
それを面白巧く見せ、『悪人伝』のイ・ウォンテ監督が再びスリリングな三つ巴のノワールを激写。
人の良さそうだったへウンが非情に変わっていく。チョ・ジヌンの巧演。
『工作』や『KCIA』など権力者を演じさせて右に出る者ナシのイ・ソンミンの存在感。
『犯罪都市 PUNISHMENT』で冷徹な悪役だったキム・ムヨルが再び危なっかしさを孕みつつ、哀愁も滲ませる。
ひょっとしたら、最もまともだったのは彼ピルドだったかもしれない。
へウンとピルドが政界のフィクサーを失脚…だったら最も理想的だが、そんなありきたりにはならない。
ピルドがスンテの配下に。へウンを追い詰め…。韓国サスペンスらしくていいが、後味は悪し。
そういう展開になったと思いきや、もう一捻り。“納品”は思わぬ人物。
誰と組んだら己の利になるか…?
へウンの場合。ヤクザと組むより政界のフィクサー。
スンテの場合。ヤクザを配下に置くより息の掛かりそうな政治家。
ピルドの場合。どっちもどっち。
切り捨てられたのはピルド。
ピルドがスンテの配下になったと思わせ、裏ではへウンとスンテが結託。社長殺しや改ざんの脅迫者など全ての罪をピルドに。
政治の食い物にされたピルドが哀しい。
それを土台にさらにのし上がる者がいる。
晴れて国会議員になったへウン。
傍らにスンテ。
各界の大物たちと密会合。
今後とも末長く…。
私たちが政治やこの国を操っていく。
我々の知らぬ所で…。
チェ・ジヌン×イ・ソンミン×キム・ムヨル「対外秘」どんな手を使って...
【”仁義なき韓国国会議員選挙戦。そして男は善から悪の政治家になった。”今作登場の、殆どの人物は公職選挙法違反、機密漏洩、殺人教唆、殺人罪で重刑です、と思ったら、何人かは消されてました・・。】
■1992年、釜山。
与党の公認候補を約束されたヘウン(チョ・ジヌン)は立候補を決意し総選挙出馬の準備をするが、釜山政界の黒幕のスンテ(イ・ソンミン)が自分の意のままになるエリートに公認候補を変えてしまう。
ヘウンは”対外秘”の大規模開発計画書を同窓の釜山幹部ムン本部長(キム・ミンジェ)から手に入れ、ギャングのピルド(キム・ムヨル)と組んで無所属で出馬したヘウンは支持率1位を獲得するが、スンテが選挙管理員会のパク課長(キム・ユンソン)の娘の心臓移植手術の費用を負担すると持ち掛け、選挙用紙に不正な細工をさせた事で、ヘウンは落選してしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・登場人物の殆どが騙し合いと、裏切りを仕掛ける心理戦と、時には殺人まで平気で侵す姿に、1992年の韓国だったら、あり得るなあと思いながら観賞。
マア、韓国だけじゃないか。
・多くの作品では良い人の役が多い釜山政界の黒幕のスンテを演じたイ・ソンミンの悪ーい顔が印象的である。流石、政治がらみの映画(近作では「KCIA 南山の部長たち」「ソウルの春」)には欠かせない名優である。
・ギャングのピルドを演じたキム・ムヨルも、「PUNISHMENT 犯罪都市」での冷酷な殺し屋で注目した俳優であるが、今作でも存在感タップリである。
・そして、ヤッパリ凄いのは良い人っぽい顔をしたヘウンを演じたチョ・ジヌンである。強かな彼は、釜山政界の黒幕のスンテに対し、彼が指示した悪事を録音したテープを持ち込み、自分の悪事が録音させたテープと”ウィンウィンでしょ”などと言い、彼に付いていたギャングのピルドを自分が殺されそうになった練炭自殺に見せかけて”納品”し、数カ月後、スンテに連れられ、国会議員デビューをするのである。
<今作は、裏切り、騙し合いタップリの仁義なき韓国国会議員選挙戦を描いた作品なのである。>
意外性のみが目的化
不都合な真実だったのかも
1992年の韓国・釜山で、ヘウンは党の公認候補を約束されていて、国会議員選挙への出馬を決めた。しかし、裏の権力者スンテが、自分の言いなりになる男に党の公認候補を変えてしまった。怒ったヘウンは、スンテが富と権力を得るために作成した釜山開発の極秘文書を手に入れて彼に復讐しようとするとともに、ギャングのピルドから選挙資金を借り無所属で選挙に出馬した。地元の人々から人気を集めたヘウンは圧倒的有利に見えたが、スンテが選挙管理の課長を脅し、投票用紙を偽造し、ヘウンは落選してしまった。スンテの悪事を知ったヘウンはピルドと組み、スンテを追い込むが、・・・権力闘争の行方は、という話。
フィクション、とは言っていたが、1992年の総選挙でこんな事が有った、と言うのは事実なのかも知れない。
そんな韓国の裏、が知れる作品なんだろう。
しかし、選挙の投票用紙を偽造するなんて事が可能だった韓国、流石です。日本は平和だなぁ、とつくづく思い知らされる、韓国の権力闘争の凄まじさ、そして、ウィンウィン???なんてラストも不気味。
スカッとはしないが、これが史実(韓国にとっての不都合な真実)だったのだろうと思わせる迫力はあった。
誰もまともな人が出てこない韓国ノワール映画
今年445本目(合計1,536本目/今月(2024年12月度)24本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
キノシネマ心斎橋さんですが、旧シネマートが得意としていた韓国映画も一定程度取り入れられており、韓国映画多めだったから「ほぼ半々から4割くらい」になりました。
まぁ、最初に「本作品はフィクションです。登場人物ほかは実在する人物ではありません」と出るのはまぁこりゃそうですね。
いわゆるノワールもので、誰もまともな人が出てこない一方で、ある程度のアクションシーンはあっても殴りまくったりというようにR15ですかみたいな映画ではないので、そこは安心といったところです。選挙不正やら土地の補償がどうこうといった話題から、韓国にもいるいわゆる「アウトロー」と政治家のつながりまで描かれる、いわゆるノワールものですね(ただし暴力的シーンはほぼ出てこない)。
ストーリーが多々飛ぶのがやや理解として難しいかなと思いましたが、画面自体が明るいので(ここでいう「明るい」というのは映画館の放映という設備上の問題)、誰が誰かわからないということはなく(ムファサは逆にどこで見ても誰が誰がわかりにくいか)、そこは安心といったところです。
採点に関しては特に気になる点まではないのでフルスコアにしています。
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(減点なし/参考/(投票において)○番に投票してください、などというシーン)
韓国にも日本でいう公職選挙法等は存在しますが投票用紙が違います。届け出順なのか番号が振られており、投票したいと思う人の欄に○をつけたりチェックをつけたりというようなものであるようです。日韓の違いといえばそれまでですが、韓国では同姓同名の人がどうしても出やすいので(同姓、だけで言えばほぼ確実に生じるといってもいい)、日本のような方式にすると疑義票や無効票が続出して選挙訴訟が続出することの抑止だと思います。
(減点なし/参考/「とあるお店」で違法競馬をするシーンについて)
韓国の競馬は日本のJRAの援助があって作られましたが、韓国の土地(概して日本の北側にあるので「寒い」)がら、ダート競走が普通です(2026年に芝競走ができるとのこと)。この点、なぜか芝競走の放映が出てくることからも「インチキ競馬」(他国のすでに終わった競争をあたかも韓国国内で放映されているように錯覚させる)であることはわかります。
※ 競馬のほかは、競艇も日本の同競技の援助で韓国にほぼ同ルールで実施されています。ただし、韓国では日本以上に「ギャンブルで儲けるなんていうのは良くない」というところがあるため、射幸心を抑えたり賭け式を抑えたり(例えば、3連単等は買えない、競馬なら出走数を少なくして高配当が出にくくする等)、購入時に身分証明書を確認させて一定金額以上を買えないようにしている国策があります。
※ こういった事情があるため、日本では中央競馬(JRA)は芝競走メイン、ダート競走がサブという事情のもとで馬の脚質等でダートに転向するのは数レースたってからということも多いです(そもそもダート競走が1レースしかない日すらある)。あるいは、地方競馬への移転もあります(←日本の地方競馬はごく一部を除きダート競走のみ。そのため、コロナ事情が緩やかになった2023年以降ではダート競走について韓国との交流競走も存在する))。
思い通りにいかない
かー、胸糞悪い!!(褒めてます)
こうなるといいのに!って思った方向に
全くならない(笑)
ならないからこそ面白いのだけども。
正統派のノワール作品
復讐心に留まらない。
まさか!かー、そうなっちゃうわけー?!と
地位も名誉も金も欲しけりゃそうなるかぁ。
ピルドがへウンを「ヒョン(兄貴)」と
途中から呼ぶから
もう絶対そうならないと思っていたのに
そうなるのね😭はぁ、政治家って💢
2時間あっ!!!!という間に終わった。
悪魔との取引
ユン大統領の非常戒厳の発令は僅か6時間で終わったが、国民の怒りは収まらず2回目の弾劾決議が通り、現在は大統領の職務は停止中だ。この先どうなるかはわからないが、そもそもユン大統領を非常戒厳に駆り立てた理由は前回の総選挙の不正を明らかにしたかったとのことである。
映画は1992年の総選挙時の釜山でのフィクションであるが、あれ程に大胆で酷い選挙の改ざんを目の当たりにするとこのような腐敗まみれの韓国政治が仮に今も続いてるなら、今起きてることも、ユン大統領の妄想だと簡単に片付けてはいけないのかもしれない。
それにしても韓国ノワールあっぱれ!の大傑作であったと思います。
特にチュ・ジヌンとイ・ソンミは映画でも韓ドラでも主演も重要な助演もこなせ、善人でも悪人でもこなせる名優ですが、2人の対決はヒリヒリとした緊張に溢れこの映画に途轍もない重厚感を与えてくれました。又キム・ムヨルは2人より若手ですが役作りに一生懸命取り組んだろうと思わせる熱演で次は大作の主役も張れるのではと感じました。
「世の中は汚く、人生は悲しいものだ」とイ・ソンミは語っていたが、それでも韓国では偉くなることを目指し、政治家に行き着く、そして頂点は大統領。ほとんどの大統領が犯罪に手を染め訴追されてしまうのに、。悪魔との取引で得た「権力」とはそんなに凄いものなのか、。
闇に輝く青瓦台
悪人しか出てこない、悪人同士の抗争劇だった。
政治家=汚い悪人 で間違いないのではと思う。
良心、信念など邪魔なだけ、ルール無用の、汚くて強いモノのみが勝ち上がれる。
それが韓国政治(家)の世界らしい
政治の腐敗極まれりで、権力者のやりたい放題
投票用紙まるごと差し替える大掛かりな選挙違反をされたら選挙なんてまるで意味無い。
買収や脅しや鶴の一声が堂々と横行、司法までが簡単に左右されるのが通常運転という、とてもじゃないが「法治国家」と呼べない有り様で、この話がフィクションでも実態に即していると思わせるものが、現在リアルタイムで起きている韓国の非常事態からも透けて見える気がする。
韓国映画に見える、庶民一般の「政治不信」「公権力不信」はもっともなものだと思った。
当初は、良心的な政治家ヘウンが理不尽に党公認を取り消され、糸を引くフィクサーに一泡吹かせながら逆転する話かと思っていたら、リアリティ溢れる金と力と暴力での、気の抜けない血みどろのパワーゲームだった。
「いい人」さや「青臭さ」が残るヘウンが最終的にはフィクサーの手のひらで転がされただけ、という結末を予想したがさにあらず。
陰謀術数実力行使、良心も信念もあっさり捨て去り暴力と金の力でヘウンの方がフィクサーをしのぐ権力者になっており、高級ホテルの窓からライトアップされて輝く青瓦台が見えるラストは、一瞬で映画のテーマを表しており秀逸。
歴代の青瓦台の居住者たちの多くが、在任中や退任後に本人や家族の実刑、逮捕、亡命に自殺と、悲惨な事になっているのは、さもありなん。「普通に」やってきた悪事が公にされて、その時点での力関係と権力におもねった「司法」で裁かれた結果なのだろう。自業自得には違いないが。
選挙管理委員会の彼は、悲惨すぎて気の毒を通り越してトラウマになりそう。
ジャーナリストの女性はどうなったのか
政治の抗争には、一市民のレベルでは決して近づいてはいけないものだと戦慄した。
やくざですら歯が立たず簡単に消されてしまう、最恐の悪党たちが政治家だ。
「ソウルの春」の「ハナ会」もそうだったが、韓国の男たちの「同窓生」的な結束が、大変強いものなのが分かりました。
ソウルの春とは真逆な役どころのイ・ソンミンが不気味で良い味
ピルド役のキム・ムヨル、寡黙で行動で示す、ヤクザな役ぴったりでなんか好き。
韓国政治の闇すぎる実態をこれでもかと見せつけながら、虚々実々の駆け引きとサスペンスを盛り込んで見ごたえある作品にした、イ・ウォンテ監督、(「悪人伝」も抜群に面白かった)この人に、今後も注目したいです。
ソン・ガンホが制作に加わっているんですね。
全体に面白いですが納得いかない点も
政治家とフィクサー、ヤクザ連中、捜査関係者の誰もに多少の差はあれ悪があり、誰にも感情移入できずに見られたのが娯楽的には良かった。話も強引に悪は滅びる的な決着に持っていかなかったのは好感。その上でちょっと納得いかない点も触れておくと、
・ピルドの子分たちはあっさり親分を裏切りすぎでは?よほどの事情がない限りあんな手のひら返しはしないと思うが、そういう描写はないというかむしろ子分の面倒を見る親分肌の印象だったが。同時に、ヘウンに従う動機も不明。仮にカネをつかまされたとしてもそれだけで親分を裏切るか?
・女性記者は特ダネをどのタイミングでどうやって発表しようとしていたのか?新聞社を辞めたのではなかったのか?記者会見までに発表する気がなかったのなら、会見でスクープは消えてしまうし、それならそれであらかじめこういう会見だとほかのマスコミに周知しておけば、急遽の変な会見内容の差し替えで事実がもみ消されずに済んだのに。
・選挙管理委員会の人はどうやって生還したのか?普通そのまま死ぬでしょ。
まあ、全体としては面白かった。ていうか誇張しているにしても韓国の政治家ってこんな感じなの?日本に置き換えた場合、全体の構図を含めてあまりにも誇張されている感じになってしまい、リアリティーが失われると思うが。
Confidential
上映館が少なすぎる!とヤキモキしていましたが、たまたま遠出する場所で上映してる映画館があったのでラッキー!となって観に行ってきました。
その映画館に行く事自体3年半ぶりとかなので本当懐かしかったです。
割と地に足ついた韓国ノワールで、期待していたものとは遠く、演技合戦自体は魅力があったのですが、物語としてのパンチは弱いかなぁと思いました。
序盤はポップな音楽と同時に軽快に演説をする主人公ヘウンの姿が映されて、この映画ってこういうテイストなのかな?と思ったところに不穏な流れがやってきてタイトルがバーンと出たところでそうそうこういうのを待ってたんだよというのがお出しされて、お出しされたところがピークだったかもです。
対外秘が明かされてからは騙し騙され、裏で根回し、どれだけ怪しく見られないかの探り合いなので、基本的に悪人ばっか、ヘウンも悪人に昇華する形でバチバチにやり合って行く姿が展開されるんですが、んーイマイチ盛り上がりに欠ける展開続きなのが惜しかったです。
暗躍に次ぐ暗躍のせいもあって、正面でぶつかり合う描写があんまり無いのも物足りなさに繋がっていましたし、こういう静かな探り合いよりかはどこかのガチムチマッチョさんがグーでぶっ飛ばすのが好きな自分とは相性の問題が少なからず出てしまいました。
終盤の展開は結構丸く収まってしまったなという印象です。
意外なところからの話の膨らみはあったにしろ、含みを持たせたままフェードアウトしていくのでもう一声!という間もなくエンドロールでした。
「悪人伝」が好きなのであの感じを期待してたんですが好みの問題かちょいハマらずじまいでした。
しっかし似たような事案が現実にあったとなると政治の世界はどこもドス黒いんだなと他人事にしておきたくなりました。
鑑賞日 11/28
鑑賞時間 20:40〜22:40
座席 F-7
全48件中、1~20件目を表示














