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坂口健太郎の“憂い”に惚れた――社会の片隅で静かに暮らす孤独な青年を体現「私はあなたを知らない、」新場面写真

2026年7月15日 18:00

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静かで一人きりの日常
静かで一人きりの日常
(c)IDKYPs./Pyramide Productions

坂口健太郎が主演する映画「私はあなたを知らない、」の新場面写真が、このほど公開された。

本作は「湯を沸かすほどの熱い愛」以来、10年ぶりの完全オリジナル脚本となる中野量太が監督を務めるヒューマンサスペンス。天涯孤独だった男・西山夕平(坂口)が、職場に新たにやってきたシングルマザー・紗月とその娘に出会い、次第に生きる喜びを見出していく姿を描く。

披露された場面写真は、坂口演じる主人公・西山夕平の日常を切り取ったもの。

夕平はゴム手袋工場で契約社員として働きながら、東京の片隅で静かな毎日を送る28歳の青年。天涯孤独の身でありながら、自ら決めたルーティンを淡々と繰り返し、誰にも頼らず生きている。決まった時間に起き、いつも同じコーンフレークから始まる朝、近所のコインランドリーに通い、馴染みのパン屋で週に一度、高級食パンを一斤購入する。仕事中の食事は休憩室でいつもひとり、夜は凝った食事を取らずに効率を重視した質素な生活を送る……。たったひとりのその環境を「寂しい」とさえ感じず、粛々と決められたルーティンを繰り返す日々。そんな夕平にとって、買ってきた高級食パンを食べることだけが、唯一の密かな楽しみであり、世界とつながる細い糸だったのかもしれない。

画像2(c)IDKYPs./Pyramide Productions

中野監督は、夕平という人物について「家族というものを知らず、孤独に淡々と生きている人物を描こうと思っていました。でも彼自身が世の中を恨んでいるわけではなく、社会の片隅で自分のペースで生きながらどこかに寂しさを抱えている。彼の中での幸せや喜びもちゃんと入れたくて、週に一度の高級食パンがちょっとした楽しみになっているシーンも描きました」と語る。劇中では、食パンをきっかけに職場の新しいパート職員・紗月(堀田真由)との距離が縮まっていく。夕平にとって食パンは単なる好物ではなく、閉ざされていた人生が少しずつ変化していく象徴的なモチーフとして描かれているのだ。

主人公・夕平役に坂口を起用した理由について、中野監督は「僕はちょっと寂しさがあって、憂いがある人が好きなんです。坂口さんはまさにそういう方で、かっこいいんだけど、なさけない感じに見えるところもある。強さと弱さが共存しているように見えるところも夕平にぴったりだと感じてオファーしました」と説明。

画像3(c)IDKYPs./Pyramide Productions

撮影現場では、涙を流すシリアスなシーンの直前まで周囲と談笑し、場を和ませていたという坂口。しかし、「本番!」の掛け声がかかると一瞬で夕平へと入り込む姿に、スタッフ一同は「怖いぐらいの集中力と力量」と驚嘆した。決め込んだ芝居をせず、中野監督と何度も対話を重ねながら答えを探し歩んだ坂口。孤独を抱えながらも家族という初めて知った幸せの形を手探りで求める夕平という複雑な人物像を繊細に体現している。

私はあなたを知らない、」は、8月28日から新宿ピカデリー他全国公開。

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