破戒

劇場公開日:2022年7月8日

破戒

解説・あらすじ

1948年に木下恵介監督、1962年に市川崑監督も映画化した島崎藤村の名作「破戒」を、「東京リベンジャーズ」の間宮祥太朗主演で60年ぶりに映画化。亡くなった父から自身が被差別部落出身である出自を隠し通すよう強い戒めを受けていた瀬川丑松は、地元を離れてある小学校の教員として奉職する。教師としては生徒に慕われる丑松だったが、出自を隠していることに悩みを抱いている。下宿先の士族出身の女性・志保との恋に心を焦がす丑松だったが、やがて出自について周囲に疑念を抱かれるようになり、学校内での丑松の立場は危ういものになっていく。苦しみの中、丑松は被差別部落出身の思想家・猪子蓮太郎に傾倒していくが……。間宮が主人公の丑松役を演じるほか、志保役を石井杏奈、友人で同僚教師の銀之助役を矢本悠馬、猪子蓮太郎役を眞島秀和がそれぞれ演じる。監督は「発熱天使」の前田和男。

2022年製作/119分/G/日本
配給:東映ビデオ
劇場公開日:2022年7月8日

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(C)全国水平社創立100周年記念映画製作委員会

映画レビュー

4.5 胸に迫るふたつの主題、美しい日本語、そして間宮祥太朗

2022年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
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共感した! 20件)
ニコ

1.0 いろいろと納得いかない

2026年4月21日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

 はじめに、本作中「部落」という語が出てきましたが、「部落」とは「集落」という意味です。部落=「差別された人々のいる処」ではありません。近年、「被差別部落」が長ったらしいので省略されて使われることが多いですが、いらぬ誤解を招きますので注意。原作小説でも「部落」という語はみえません。

〔不自然な演出〕
 主人公丑松が始終暗い顔でうつむいている。それでいて、穢多出身を公言する社会活動家猪子に心酔して著書も読んでいることを隠そうともしないのはおかしい。出身身分を隠したいなら、ポーカーフェイスでいるのが普通ではないか。
 教員室で丑松と同僚がしゃべっているときに、他の教員が人形のように身じろぎもせず、話しもせず室内がシーンとして、非常に不自然だった。

〔セリフが活きていない〕
 まるで文章のようなセリフで、耳にしっくりこない。丑松が子供にも丁寧すぎる話し方をするのも違和感がある。役者の台詞回しも固い。

〔納得いかない設定〕
 かたき役の高柳は、金のためとはいえ、穢多出身の女性を妻にしている(それって良い人じゃないの)。その高柳が猪子らを攻撃するのは矛盾している。
 体をこわして、ろくに出勤できないという先輩教員の処遇改善を丑松が校長にかけあう。しかしその先輩教員は子供を8人も設けている(精力旺盛じゃないの)?その直後に丑松と一緒に酒なんか飲んでいいの?

〔キャスティング〕
 丑松の役者さんは二枚目すぎて役に合わない。竹中直人さんは友情出演なのか、とっかかりだけ出て、エロ住職の話があってからは出なくなった。尻切れトンボでヘン。

 全般的に善玉・悪玉の単純な描写で、深みがないと思います。

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H・H

5.0 文芸映画の傑作

2026年2月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

2022年公開作品
初鑑賞
原作既読

監督は『非女子図鑑「混浴heaven」』でプロデューサーを務めた前田和男
脚本は『彼女の人生は間違いじゃない』『凪待ち』『Gメン』『碁盤斬り』『恋に至る病』の加藤正人
脚本は他に『バトル・ロワイアルII 鎮魂歌(レクイエム)』『銀のエンゼル』『ワルボロ』『はさみ hasami』『週末の探偵』の木田紀生

舞台は信州飯山

中学生の時に読んだ
当時は馬鹿すぎてピンと来なかった
高校時代に読んだ住井すゑの『橋のない川』はわりと読みやすかったが
『破戒』は10代の自分には高尚すぎたのか
この年で久々に読んでみよう

あえて「エタ」差別用語使いまくり
それで良い
現代のコンプライアンスに拘っては全く伝わらない

受け持ちのクラスの生徒たちにカミングアウトして別れを告げるあの一連のシーンが特に良い
子役たちも熱演

原作が良いのだろう
脚本も良いのだろう
間宮君の芝居も良い
ブラボー
これは傑作
映画館で鑑賞すれば良かった
後悔している

純文学とは純とは純粋な芸術的価値
また作者の純粋な思いを最優先した文学
まさしく破戒は「純文学」という称号が相応しい
なぜかオールタイムベストじゃないが僕的にはオールタイムベスト
感動した
おすすめです

配役
尋常小学校教員の瀬川丑松に間宮祥太朗
蓮華寺住職の姪で養女の志保に石井杏奈
丑松の同僚の土屋銀之助に矢本悠馬
丑松の同僚の勝野文平に七瀬公
丑松の同僚の風間敬之進に高橋和也
部落出身の思想家の猪子蓮太郎に眞島秀和
丑松の父に田中要次
衆議院議員の高柳利三郎に大東駿介
蓮華寺住職の丸山法明に竹中直人
蓮華寺住職の妻の丸山千代に小林綾子
蓮華寺の寺男にウーイェイよしたか
尋常小学校の校長の小林貫太郎に本田博太郎
下高井の部落の資産家の大日向重成に石橋蓮司

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野川新栄

4.5 静かに迫る『破戒』の問い【90点】

2026年1月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

知的

昨年10月に小諸の藤村記念館を訪れて以来、ぜひ観たいと思っていた作品。
島崎藤村の原作が抱える重いテーマに誠実に向き合い、登場人物それぞれの葛藤を丁寧に描き出した力作でした。
主演の繊細で芯の通った演技が物語に深みを与え、現代にも通じる差別と自己受容という普遍的な問いが静かに胸に迫りました。
重厚さの中に温度を感じさせる語り口も印象的で、観終わったあとも長く余韻が残る秀作であり、心に静かに沁み渡っていくようでした。

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はんべえ