さとこはいつも

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劇場公開日:2026年9月18日

解説・あらすじ

長編映画デビュー20周年を迎えた沖田修一監督が、年齢も育った環境も異なる3人の「さとこ」という女性の人生が交差していく様子をオリジナルストーリーで描いた人間ドラマ。

15歳の中井聡子は鼻炎持ちの中学3年生で、学校ではソフト部に所属し、同じ耳鼻科に通う同級生に恋をしている。国語教師から文章を書くよう勧められた彼女は自分の初恋物語に着手するが、初恋相手に対する妄想が暴走してしまう。姪と韓国カルチャーを愛する35歳の西田沙都子は、映画配給会社の宣伝部で働いている。6年目になる不倫が倦怠期を迎えている彼女は、自分の人生を振り返りながら不倫の日々についてつづっていく。55歳の飯島里子は子育てがひと段落し、ようやく自分の時間を持てるようになった。かつて作家になる夢を抱いていたことを思い出した彼女は、自分の初恋の物語をノートに書きはじめる。まったく違う人生を歩む3人の「さとこ」たちだったが、それぞれ自分の人生を小説としてつづるうちに、他人だったはずの3人の物語は少しずつ交差していく。

有村架純が35歳の沙都子役、石田ひかりが55歳の里子役、オーディションで選ばれた姫野花春が15歳の聡子役で主演を務め、聡子の心を揺さぶるミステリアスな国語教師役で吉田羊、沙都子の不倫相手である印刷会社の営業マン役でオダギリジョー共演。さらに筒井道隆が里子の夫役を務め、テレビドラマ「あすなろ白書」から33年の時を経て石田と夫婦役で再共演を果たした。

2026年製作/139分/G/日本
配給:ハピネットファントム・スタジオ
劇場公開日:2026年9月18日

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映画レビュー

4.0 そっと人生に寄り添う、宝物のような映画

2026年9月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

好きーーーーーー!!!!!

始まって5分ぐらいで、

「あ、私この映画絶対好きだ」

と直感で思った。

中学生の聡子も、
33歳の沙都子も、
50歳の里子も、

みんな好き。

初めて小説を書き上げた時の高揚感。
それを初めて人に読んでもらった時の緊張感。

そのどちらも、私も経験したことがある。

誰しもが、自分の中に物語を持っている。

何気ない日常も、誰かに語ればそれはひとつの物語になって、特別なものになる。

平凡な毎日だと思っていたことも、言葉にして可視化してみると、いつもの景色が少しだけ違って見える。

私自身、そんな経験をしたことがある。

だからこの映画は、まるで自分のことを見ているようで、観ていて胸がいっぱいになった。

そして、3人のサトコを演じた女優さんたちが本当に素晴らしい。

特に、中学生の聡子を演じた姫野花春ちゃん。

とてつもない才能を持った女優さんで、今年は新人賞を総なめするんじゃないか?!と思っている。

自然体で、ちょっと抜けていて、どこにでもいそうな中学生。
なのに、ものすごく魅力的。

きっとこの映画を観たら、みんな聡子のことを好きになると思う。

また映画界に、すごい新人が現れてしまった。

ハリウッドの制作費何百億円という超大作も、もちろん面白い。

でも、こういうふうに優しく、そっと自分の人生に寄り添ってくれる、宝物のような映画も大好きだ。

映画を観終わったあと、私も久しぶりに小説を書きたくなった。

たぶんそれが、この映画を好きになった何よりの証拠だと思う。

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AZU

4.0 書くおもしろさを、映像で存分に

2026年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 書いては消しでゴムかすを量産していた中学生さとこが、いつしかブレザーを脱ぎ捨て、猛然とペンを走らせる姿にわくわくした。自分について、虚実を交え、書きまくる。紙と鉛筆で、パソコンで。とてもシンプルなことなのに、なんて豊かで、おもしろいんだろう。
 中学生さとこは物語を作り出す楽しさを、30代さとこは体験をなぞる面白さを、50代さとこは読まれる喜びを存分に体現する。気持ちのスピードに手が追いつかない書き殴りのノート、キーボード上を軽やかに舞う指、夢中になりすぎて、焦がした煮物を家族で囲む夕ごはん。大事件が起こるわけでも、世界を救うわけでもない。失恋したり、刺されたり、人生の節目に気付いて貰えなかったり…踏んだり蹴ったりなトラブルに巻き込まれながらも、彼女たちはタフで、楽しげだ。
 わたしの場合、書きたいことを書き切った、と思えることはほぼない。文字の間からさらさらとこぼれ落ちていく書きたいことを、必死に掬い上げ、こぼしてはまた掬う。けれども、懸命に手のひらを広げて掴んだものが、思いもよらない発見、気づきだったりもする。そして、書いてかたちにしたものを読み返すときも、新たな発見がある。それが、おもしろくて仕方ない。
 子に、「さとこの国語の先生は、結婚して俺ら産んでなかった世界線のお母さんだと思う」と言われ、なんだか嬉しかった。面白くないものをは読みたくない、と言い切りながらも、さとこが差し出すノートをいそいそと開く。きっと彼女は、どんな物語であっても、差し出されたら読まずにいられない。さとこに突如ノートを与え、頭フル回転で必死に考えた課題を、太いマジックで力強く、一息に書きつける姿に、低温やけどしそうな熱を感じ、共感した。
 心配性な中学生さとこのお父さん、飄々とした小説教室の講師…に加え、少年野球のくだりに一同悶絶。「南極料理人」の秋のリバイバル上映も、心から待ち遠しい。

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cma

4.5 衝動は出会いで循環する

2026年9月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0 この新星が沖田ワールドをなお一層輝かせている

2026年9月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

この映画にはマジカルな瞬間がいくつも用意されていた。とりわけ、これまで名前すら知らなかった姫野花春いう新星が、沖田ワールドと絡まり合って、あらゆる場面を柔らかく彼女色に染めていく妙味にはたまらないものがある。こんな逸材を見事に調理してしまうのだから、沖田修一という人はやはり底知れない。病院の吸入器ひとつであれほど魅力的な出会いの場を作り出せるなんてほんと脱帽だ。他の「さとこ」のパートも、各々の年代、暮らし、心境がユーモラスに描かれ、重なってるような、そうでないようなタペストリーが織り上がっていく。上映中はクスクス笑いが止まらず、今なお笑いが込み上げてくるほど。人生のどこかで不意に踏み出す第一歩。きっかけをもたらす出来事、人、タイミング。つい没頭してしまうかけがえの無い時間たち。まだ何者でもない「さとこたち」の懸命に打ち込む姿が、そこに至るまでの自己発見の過程が、とても豊かで輝かしく思えた。

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牛津厚信