「なぜこのタイトルなのか分かりません」人はなぜラブレターを書くのか かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜこのタイトルなのか分かりません
実話部分は、日比谷線の脱線事故で亡くなった男子高校生あてに、事故から20年以上経ってある女性から「ラブレター」(SNSで)が届いたこと、WBC世界スーパーフライ級王座だった川嶋勝重が、その高校生と同じボクシングジムで先輩後輩の仲だったこと、川島がタイトル戦でその後輩、富久信介くんのイニシャルを縫い付けたトランクスで臨んだこと、くらいで、後は創作で話を膨らませたようです。
亡き息子にあてたラブレターを受け取った両親は、自分たちが知らない息子の頼もしい一面を知り、こんなに成長していたかと涙する。そして、自分たち以外にも、長い間亡き息子を気にかけてくれた人がいたことにも涙でしょう。親の気持ち、機微を、佐藤浩市と原日出子が良く表現していて、何度かうるっとしました。
そして、手紙を書いた女性、ナズナ。
創作ですが、初恋の人だった信介に渡せなかったラブレター、自分が長くないことを知って長年の心残りに決着を付けようとした。
彼女は、初恋の人の名前を事故の犠牲者としてニュース画面で知った。切ないです。
大人になって、彼の好物と漏れ聞いた「具なしの塩おむすび(巨大)」を惜しげもなく振る舞う食堂を営んでいる。
彼に食べさせてあげられなかった具なし塩おむすび、夫は由来を知ってるんですかね。知ったところで、あくまでも奥さんには初恋の人で、思いを告げられないまま彼が亡くなってしまった痛恨の思いがあるだけで最愛なのは夫と娘、現在の家族関係には影響がない(と思う)から、「そっか」と笑うでしょう。(それでも良一さん、手紙を読んで心配になってボクシングのエクササイズ始めたりする。良い人だ。)
富久家もナズナ一家も、一人っ子を持つ普通の家庭だが、家族の間の呼吸と感情があるある。両方とも子供の成長過程に戸惑いながらも、基本は見守るタイプの両親。
高校生にもなったら、男の子は親と口を聞かなくなるのは普通ですね、女の子は持ったことないので分かりませんが、舞のように人の気持ちを思いやることができ、自身がのびのびすくすく育っているのが分かったら、親としては幸せ。でもって誇らしい気持ちになると思う。
このふたつの家族の描写がリアリティーあり自然で、その分刺ささりました。
でも、残念ながら脚本があまり上手くない。
なんどもうるうるする場面があって、全体としては「良い映画」の印象だが、二組の家族のパートと川島と信介のボクシング交流パートが馴染まない。別の映画の様。「もうひとり、信介を忘れない人がいる」としてナズナは川島の存在を知るが、それだけ。この辺り、二つの話をしっくり撚り合わせることはできなかったか。
また、ナズナが最も愛しているのは夫と娘なのは一目瞭然、なのに巨大な塩むすびを作り続けたりして大人ナズナの中で信介さんはどういう位置にいたんですかね。
筋が通らず首をひねるところもいくつか見受けられました。
一人息子を亡くした親、母を亡くした娘、妻を亡くした夫、それぞれが、誰かの行動のお陰で心に火を灯し、歩く道を決め、娘の成長に感動する。
「すべて繋がっている」までは思わないが、人生は、誰かとの繋がりでいかようにも転がっていくもの。一人で生きている訳では無いのだとしみじみ思いました。
持ち歩いていた「ラブレター」がなくなっているのに気づかないなど、ナズナの行動は所々謎だが、綾瀬はるかなのでまあいいかと流せる。俳優さん方、皆さんが適役。臭くなりがちなところ、自然でかつ力のこもらない熱演が良かったです。
塩おむすび、美味しそう。
だけど、昭和ならともかく、2024年ごろなのに手袋なしの素手で握っちゃうんだ。。。
ナズナさんにしか出せない美味しさの秘密は、昭和の主婦のおにぎり自慢みたいにナズナさんの手のひらから出る塩分と油、ってことなんですかね。。。
はっきり「実話からインスパイアされた『フィクション』です」とでも断って、ふくらませる部分、切り捨てる部分を明確にしていれば、よくなったかもしれませんね。
でも、この映画、こうして公開されてしまったのだし、もう一本作るようなものじゃないし。
共感を有り難うございます。
「それぞれが誰かの行動のお陰で心に火を灯し、歩く道を決め、」に共感です。それがあったので、美しい景色に素直に感動出来たのだと、今、思いました。
コメントありがとうございました。
魂が打ち震えほど感動する新作映画は、年に1本あるかないかです。過去の名画を観ていた方がいいくらいです。ですが、同時代を生きている映画人の傑作を待ち望んでいます。
そんな心境で映画を観ています。
共感ありがとうございます。自分でも理由が分からないまま手紙を書いてみたがなんだかわけの分からないうちに話が回りだしてあらまあどうしましょう、っていう感じ、綾瀬はるかの妖精っぽいところにピッタリです。確かに皆さん書かれている通り何も殺すことないじゃんではあるのですが妖精らしくいつの間にか居なくなったなという感じなんですね。
共感ありがとうございます。
確かに哲学一刀両断!的なタイトルですね。シナリオも登場人物各々の思惑がそこここで空回りしてる印象でした。
ソレ等をま、仕方無いか・・と許容させる綾瀬さんの立ち位置、特殊女優ですかね。
かばこさん、いつもありがとうございます
タイトルですが私も『私は〜』ならしっくりくるのにって思っていたのですが、どなたかが『母は〜』と言っていて、母!!!!とすっごく納得しちゃいました
ストーリーは悪くないけど、わざわざ悲しい結末にせず、もう少し事実に近くてもいいのになぁと、かばこさんと同じ思いです
清々しく晴れ晴れとした結末が良かったですよね〜
はじめにタイトルありき、な作品でしたね。良さげなタイトルを思いついたので、それに合わせて書いたように感じました。綾瀬さんを主演にしたから、ナズナの家族の物語を大きく膨らませる事になりましたが、実話の説得力にはかなわなかった、という印象です。綾瀬さんが塩むすびを握るシーンも良いですが、妻の体調を気遣う夫の忠告を無視して店を続ける程、片思いの彼を忘れられなかった、という訳でもないですよね。
妻夫木さんは、妻のがんの再発を知ってショックを受けながらも平静を装おうとし、でも態度に出てしまう夫を好演していると思いました。駅で泣くシーンは無い方が良かったのに。
かばこさん、ごめんなさい。
コメントに返信したつもりが自分のレビュー欄に書き込んでました。
実話だからと許せてたところが創作だったのは残念に思いました。
そして、1番の泣きどころ、両親からの手紙の返事で、死んだ息子にも恋する人がいたんだ、からボクシングの方へ移っちゃいましたね。
共感・コメントありがとうございます!
>なぜこのタイトルなのか分かりません
同感です! どうしてもラブレターをタイトルに入れたいのなら、自分だったら「私はなぜラブレターを書いたのか」にすると思います。
おはようございます。
共感・コメントありがとうございます。
石井裕也監督は好きな作品が多いです。
「舟を編む」とが「茜色に焼かれる」とか「愛にイナズマ」が好き。
引き出しの多い監督で、この映画は久しぶりにメジャーな映画だったのでしょうか?
器用なので、きっと商業作品もこなした・・・的な気がします。
監督・脚本・編集もやってしまうと、
なんかリズムの悪い映画でしたね。
仰る通り、菅田将暉のエピソードも無くても成立しますが、
この映画の「見せ場」でしたね。
25年前のパートでは2人は言葉も交わさない・・・
菅田将暉の出演した意味は、見どころシーンとして、
塩むすび同様にカツ丼位のインパクトはありましたね。
泣かせるシーンもありましたね。
ただ私が一番気になったのは、綾瀬はるかを死なす
必要があったか?
なのです。











