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サム・ライミ
もちろん、名前だけで鑑賞意欲を掻き立てる存在ではあるが、正直監督先品でも、「死霊のはらわた」(余談だが、これ今見ると、結構スピード感を感じない。当時は心臓がバクバクするほど怖かったのだが)シリーズ、スパイディ、「ストレンジ MoD」が有名だが、意外と作品数は多くない。
ちなみに、オレは「クイック&デッド」(1995)が彼の一番好きな作品だ。
「XYZ」、「ダークマン」、は覚えていないし、「シンプル・プラン」「ギフト」、「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」あたりはまあ、「スパイディ」を「撮るため」に撮った作品であることは有名。それを知らずとも、それらの作品を追うほど興味はない。
とまあ、「オズ」未見で、「ストレンジ」がそこそこライ味があったが、今回は実質あのサドッ気たっぷりの「スペル」(2009)路線と、公式で思わせるものであったが、果たして。
「SEND HELP」
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直訳すると、「救援を送れ」あたりか。
この直訳からすると、「誰が助けを求めているのか」、「何から救ってほしいのか」ということが物語の軸となる。だが、公式のイメージからも、「島からの脱出」だけではなく、「二人っきりで、相手の方」から助けて、の意味をも持つことは想像に難くない。なので、タイトルでしっかりネタバレってことにはなる。
ライミは、脚本段階からかかわり、先の読めない展開、観客が予期しない人物像の変化、テンポよく積み重なるサプライズといった要素が多数練り込まれていると言い、、これを 「観客の予想を一歩先回りして裏切る」 作品と位置づけ、「オリジナリティのある脚本」が本作を選んだ最大の理由だと言っている。
なるほど。登場人物のゲスいところやシンパシーを感じるところが二転三転して、物語が進んでいることは確かだ。
オープニングでフォックスのロゴが、1,2世代前のもので、あえての古臭さ、であることは意図したものだと思われるが、これって、70〜90年代の映画を思い出させる、純正20世紀FOXの主張、ということかもしれない。やってることも古典的なテーマでもある。
ただ、帰着点がちょっと現代には合ってない、と思わせるのは、あえてかもしれないが、無駄にそう感じさせるのは、脚本、演出の練りこみ不足。
さらに、全編の見せ場が昔やった「ライミ」のまんま、というのはさすがに芸がなさすぎなのではないか。
汚い口元、ゲロ、海岸からの逆光の女の佇まい、血まみれ。もちろん、「コレコレ!待ってましたっ!」という受け止め方もわかるが、本作の練りこみのなさ、あまりに雑な設定を「ライ味」でカバーしたと思うかどうかというところが、評価の分かれどころ。
オレには良しとはならなく、「またかよ」という印象になってしまった。
多くのライミ・フォロワーから次々と傑作ホラーが生まれている昨今。上手いフォロワーなら、ラストショットとカップインの繋ぎが一番の見せどころとして扱うだろう。ここが一番の残念ポイント。
一方、演者は両者とも容姿、立場ともに二転三転していて、熱演。そう思うと、過去作も結構役者の力、魅力がライミ作品を底上げしていることが多いなあ。