春樹

劇場公開日:2026年7月3日

解説・あらすじ

「キムチを売る女」「春の夢」「福岡」など中国・韓国・日本を横断しながら映画を撮り続けてきた中国出身のチャン・リュル監督が、変わりゆく現代中国のなかで喪失するアイデンティティをテーマに描いたドラマ。

女優としての夢が行き場を失い、恋愛にも行き詰まってしまった37歳の春樹(チュンシュウ)。故郷・成都に20年ぶりに帰った彼女は、かつての演技指導者・張梅(ジャン・メイ)のもとを訪れるが、張梅は認知症で言葉を失いつつあった。故郷に居場所を見つけられない春樹に、母の世話をするため上海から戻ってきた張梅の息子・冬冬(ドンドン)が静かに寄り添う。過去の栄光も、教えも、学びも、時代の流れのなかで忘れ去られ、朽ちたまま残された国立映画撮影所のように、停滞する人々のかたわらで日々はささやかに過ぎていく。

出演は「モンスター・ハント」のバイ・バイホー、「サタデー・フィクション」のワン・チュアンジュン。2025年・第38回東京国際映画祭コンペティション部門にて最優秀監督賞と最優秀男優賞(ワン・チュアンジュン)を受賞(映画祭上映時タイトル「春の木」)。本作の撮影後、同監督・同キャストによる姉妹編「ルオムの黄昏」が制作された。

2025年製作/122分/中国
原題または英題:春樹 Mothertongue
配給:サニーフィルム
劇場公開日:2026年7月3日

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映画レビュー

4.0 記憶の集積

2026年7月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

癒される

近年のアート系中国映画は斬新で魅力的なものが多く感じる。今作のチャン・リュル監督の作品は初見だが、とにかく映像がモダンで美しい。
淡々とした物語で、大きな起伏もないがその映像世界に浸り、ゆったりとした時間を過ごせる。
北京で映画俳優をする春樹(バイ・バイホー)は成都出身であることからオーディションに受かるが成都語が話せないことが分かり役を下されてしまう。俳優に見切りをつけ成都に帰郷し、演技を教えた恩師を訪ねるが、認知症を患っていた。この恩師こそ俳優になる上で標準語を習得するよう指導した張本人だったのだ。恩師の家には上海語を話す息子の冬冬(ワン・チュアンジュン)が母の世話をしに帰ってきていた。成都出身だが故郷を離れ標準語、上海語を話す2人は意気投合する・・
登場人物はほぼ春樹、冬冬、恩師、春樹の母の4人だ。それぞれに何かしらの喪失感を抱えている。そして、成都にはかつて隆盛を誇った国立映画撮影所の跡がある。撮影所の廃墟、映画俳優を諦めた春樹、認知症で撮影所を徘徊する恩師と息子、それぞれの喪失の記憶が成都の街、撮影所跡の迷宮で交錯する。
それぞれが喪失を抱える中で成都の豊かで萌えるような樹々が生命力に満ちてコントラストを与え、喪失感を抱えるものを温かく包み、再生を促しているようにも感じる。
故郷、原点を見つめることで人は再生するという事なのかもしれない。記憶、時間の集積はたとえ廃墟と化したとしても魂は消えることがないのだ。
上映館は10月をもって閉館することが発表されたシネスイッチ銀座。かつてのミニシアターブームを牽引した映画館で、数々の名作を上映してきた。この箱としての映画館も上映作品も私たちの心に刻まれ、消えることはないだろう。

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kozuka

3.5 映画自体の雰囲気も良かったけど、 言語に敏感な感じも良かった 映画...

2026年7月7日
iPhoneアプリから投稿

映画自体の雰囲気も良かったけど、

言語に敏感な感じも良かった

映画が始まって英題を見た瞬間に『え?』って思ったけど、

見終わったら、なかなかナイスな英題だと思った

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jung

4.5 「2人の交流が何とも微笑ましい」

2026年7月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

今年149本目。

北京の俳優は標準語。ここでは成都語が必要。出身だが成都語を喋るのが苦手。それで昔の映画学校の先生を訪ねるがその2人の交流が何とも微笑ましい。そして先生の子供の男性と恋に落ちる。後半はここがメイン。結婚生活も描いて中国映画の良さを感じます。

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ヨッシー

3.0 美しい女優、美しい母親、美しい先生

2025年11月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

癒される

主要な女性3人が非常に美しくて、その他野郎ども含め何だか物足りなさを感じてしまった作品です。
中国語の方言が重要なキーとなっていましたが、ほとんどその言葉を知らない自分のような者には、作品が持つ醍醐味を十分に味わうことはできない気がします。
現代中国が見事に切り取られていてしかも少しだけ郷愁めいた雰囲気もあったので、静かな作品が好みで中国語に精通している人にとってはたまらない作品かもしれません。自分にとってはちょっとした笑いも、その人にとっては大きな笑いになるかも─。
視点や時空など工夫を凝らした映像で、淡々としている割には見応えがあった気がします。

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SH

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