マーズ・エクスプレスのレビュー・感想・評価
全88件中、1~20件目を表示
これだったら日本のアニメの方がマシ!
配信(アマゾンレンタル)で視聴。
フランスのSFアニメだが、ここまで面白いとは思わなかった。どこか日本アニメっぽさも感じた。これだったら日本アニメのSFを観た方がいい。外国のアニメだから期待したけど、がっかり。
フランスアニメだから観ただけ(苦笑)
フランスアニメと言えば、「ベルウェル ランデブー」など独特の映像美で大好きなので、「観たいな」とは思ってて漸く観ましたが、日本のアニメの影響受けているせいか、外国らしい絵柄ではあるものの既視感全開の内容。
なので目新しさが無く、序盤からサスペンス調で始まるものの、吹き替えで観たのに意味が分からない部分があり、何となく「犯人追ってるんだな」程度の感覚で観てしまいました。
主人公は、私立探偵と言う、立ち位置であるのに警察にやたら融通利くし、また、執拗に事件を追う意味も(例えばロボットとの過去の確執とか?)不明。そもそも火星が舞台である必要も無いストーリー。
相棒は、ロボット?元人間?話の中で死んだ人間が機械の体で、みたいな下りありましたが、最後ロボットと一緒に宇宙船に乗ったのは、主人公死んで自暴自棄になったから?クリスタルみたいなヤツが何なのか、水槽に居たイルカみたいヤツとか??
(未来のAIみたいな立ち位置なのは分かりますが。)結局、黒幕は株主?それすら利用したクリスタル?ラスト壮大な雰囲気で終わりましたが、で、結局何なの?で終わりました。
ヒトの描くヒトの終焉とアンドロイドとの融合
映像美と音楽、あとは声優の皆さん良かったです。
sfとしてのギミックも多くて、とても印象的でした。
アリーヌはごく普通の人間ぽかったが、後のカルロスはほぼ人間(いやいや日本人的にはもう人間確定👍)、また焼却を嫌がるロボット型アンドロイド?ももはや人間ですな。
フランスなのでロボットの群れ=移民の群れでダブらせるのは良いけど、それって最終結末の整合性をイメージしてるのだろうかね。ロボットたちが肉体(というか鉄の外殻)を捨て去るのは良いが、どちらかというと抜け去った後残るのってゴーストじゃ無いのかな?
つまり
人間→(コピーして)→アンドロイド→(マルウェアで限定解除)→濃く濾し取られた人間のエッセンス、ゴーストじゃん、攻殻じゃん素子じゃん
と思ってしまった私はバージョンアップされてない古い人間。
それ以外には、他の魚っぽい知能をいじられた種族(ただのペット⁈)やら、有機体の思考戦車なども有ったが、それらは特に伏線回収無かったような有ったような。
総体としてとても満足の出来る映画でした。
こーゆーフランスはあり
同じロボットものでも,お国が違うと異なる表現になるもんだなぁと感心しました.こんばんわ.三遊亭呼延灼です.5年ほど前からTVアニメは極々限られた作品しか観なくなったんですけど,本作のようなプロパーSFアニメを放送していただけますと,また観ようかなって気にもなるんですが・・・
日本だとあーいった設計にならないし,ロボもあーゆー挙動はさせないと思われます.それとロボの助米.欧米人がどっこでも助米することには,毎度毎度呆れるばかりなんですが,まさかロボまで助平しまくると,ね.私も長い事洋画観てますけど,まだこんな驚きがあるのかと,ビッくらポンでございます.
そして89分の尺.えーそりゃもう話が早い早い.早すぎて,追いつけません.
序盤で行方不明になった女子大生捜索の話をしてたら,ロボ達のグレートエスケープなんですもの.視聴しながら,これメモいるヤツって頭抱えちゃっいました.
アップデートは慎重に。。。
冒頭からアクションの作画が素晴らしくて、圧倒された。
やっぱり攻殻機動隊やAKIRAの影響を受けているんだろうなあ。
でも、時代や場所の設定がわかりにくく、キャラクターの見分けもつきづらい。
最初に殺された娘と私立探偵が同じ金髪だったので、同一人物かと思ってしまった。
たまたま吹替で見たからよかったけど、コレ、字幕だったらついていけてないと思う。
個人的には相棒のカルロスとロベルタがお気に入り。
ただ、カルロスの家族との確執が深く描かれなかったので、
中途半端に描くなら、いっそなくても良いエピソードだったのでは?とも思った。
調査の過程のストーリー展開、ラストも良かった。
特にラストは、『戦争なんて無益で無駄なことをするのは愚かな人間だけだ』
と言われているようだった。
人間と一緒にAIエージェントが仕事をする時代に突入した今、
そう遠くない未来、本当に人類はロボットに見限られるかもしれない。
共存するには、どちらかが「支配しよう」というスタンスではなく、
お互いにリスペクトし合うことが必要なんじゃないだろうか。
あと、パトレイバーの時も思ったけど、やはり一斉アップデートは危険だな!
これからも少数派でいよう。。。
ロボット視点
吹き替え版で鑑賞。
決して子供向けではない本作。過去、モノクロが印象的だった「ルネッサンス」も鑑賞したが、そういう意味でもブレないアートを感じる1本だった。
フランス製を感じるならその点のみで、SFならでは、国境を越えた無国籍な仕上がりがますます作品に奥行きを与えていたように感じる。
個人的にはシンプルな線の、リアルなフォルムで描かれたキャラクターは大変好みでそれを見ているだけでも心地よかった。
物語はアクションミステリーか。
謎を追いながら劇中世界をツアーもでき、凝りに凝った、細部まで作り込まれた世界観が圧巻だった。一度では目が追いついておらずとてももったいなく感じている。
謎が謎を呼び、しっかり伏線も織り込まれ、その伏線を拾いながら展開してゆくシナリオはなかなか精密。そこに上記の世界観の提示もあるため、かなり情報量が多い。映像作品ならではの量で、これは文字には無理だなと感じた。
二転三転しながら真相へと迫るのだが、あいだに過去作へのリスペクトを挟みつつも圧倒的にオリジナルだと感じたのは、人が己の罪を省みるのではなく、ロボットの視点で締めくくられている点だろうか。
我々が捨てたのだ。
皮肉でもあり、皮肉が際立つからこそ不思議な希望に溢れていた。
そして人としてこのラストをどう言う気持ちで見ればいいのか、若干戸惑いも感じている。
もしかすると戸惑うのは日本人だからで、人種の隔たりを恒常的に日常に感じていないからかもしれない。人とロボットの隔たりは確かに、移民を多く抱える国の感覚が滲んでいたように感じている。
唯一難を挙げるなら、名前が覚えきれず中盤ちょっと手間取ったw
面白感満載なのだけど…
女性に厳しい
最初ヒロインがセクシーなかっこで出てくるけど顔がオッサンでやっぱこれじゃあつまんねーなって思ってたら殺された
ヒロインじゃなかった
でもヒロインも同じようなもんでした
女の顔がみんなオッサン
でも実際のオッサンキャラと比べたらまだ髪型と唇が女かなって感じ
まぁそういうのを期待せず集中して見ろってことかな
結局よくわからんかったが
字幕版だったからか緊張感もなくダラダラ進んだ
フランス語のせいかな
未来世界のアイデアはなるほどですね
面白いこと考えるなあって感じでした
最後ロボットが飛んでったけど復讐に戻ってくるやつでしょ
あとDV親父さぁ
お前が近づくだけで元嫁は恐怖なんだからいい加減近づくなよ
そんなん今は当たり前なんだからその辺もちゃんとアップデートもしとけよ
こんな未来の話なのにストーカーを物理的に近づけない方法は出来てないんかな?
理解するのにちょっと時間が掛かるので吹替えがオススメ
未来なので理解してくださいと
専門用語や世界背景は特に語られないので
字幕よりも吹替えで見た方がいいかもしれない
アニメアニメしてない所為か
顔を覚えるのが苦手な所為か
冒頭で出てくる子とヒロイン?を見間違えたり
その子の親父が別人なのに気付かなかったり
本来とは違うところで混乱
一度死んでアンドロイドとして蘇っているのも
パンフ読まないとなんでそうなったの?と分からない
生身の人間がまるで義体みたいな事になってるが普通に血が出る??
どういうことになってるんだってばよ???
絵としてはとても見やすくてカッコよいので
??を考えないで見た方が良い
ラスト、マルウェアで一斉にロボが脱獄しちゃうよ!
と分かった際
きっと悪いやつに操られて、何かとんでもないことになっちゃう!
と思ったのに
ロビタ!いかないで!(とは誰も言ってなかったぽいが)
になるとは思わなかった…
結局はそのテーマに
アンドロイドと人間が共存する未来の火星で、女性探偵と半人造人間の相棒が世界を揺るがす大きな陰謀に挑むアニメ作品です。これが日本のアニメならば「はい分かりました」で観ずに通り過ぎる所なのですが、フランス製アニメと聞くとむくむくと好奇心が湧きます。
日本のSFアニメより低体温でありながら壮麗な映像はフランスらしい気品を感じて「さすがだな」と思わせるのですが、物語はと言えば、やっぱり「人工知能(AI・アンドロイド・ロボット)vs. 人間」の相克という何十年も変わらぬテーマを抜け出していない事にジイサンはグッタリ疲れてしまいました。SFファンの皆さんはこれで満足なのかな。
一方で、主人公の相棒の名前が「カルロス・リヴェラ」と聞いて、リアルタイムで『あしたのジョー』を読んでいた世代の僕は、重度のパンチドランカーとなるあの悲劇のボクサーを思い出さずにはいられなかったのでした。
本作品を構成する5つのレイヤー。
①極めてオリジナリティの高いキャラクターデザインとインダスタルデザイン。そこに散りばめられた数々の過去のSF映画、SFアニメのイメージに関するオマージュ
②キャラクターデザイン、背景デザインに見受けられる現代美術の影響
③シャレオツなフランス映画特有のバディ物に託したサスペンスストーリー
④AIに関する極めて哲学的内容を持つストーリーのコアを占めるエッセンス
⑤言語化された概念を映像化する為の演繹法が使用されており日本アニメの帰納法的アプローチと異なる。
まず①についてだが、日本アニメと異なりキャラクタ設定がかなり没個性的である。これはアニメのキャラクターを記号化し言語化するための手段として効果的である。同時にこの点は日本人がこの作品を遠ざける結果になるかもしれない。キャラに感情移入がしにくいからである。その一方でこの作品を有機的に魅力的な画面に彩っている要素のひとつが、様々な過去のSF作品へのオマージュである。
続いて②についてであるがこれは①の映像の記号化と密接にリンクしている。アニメでありながら全体が極めてアートフルな仕上がりになっているのは思惑がどうあるかは別として、例えばキャラクター的にはアレックス・カッツが、背景デザインにはエド・ルシェなど・・勿論メカ的にはシド・ミードやコラーニ、で、なぜそうなってるかと言うとフランス的ロゴスへの執着、自我とパローレ、パロールなどの文脈、更には構造主義的ストーリーや集団的無意識への解釈など、その物語から読み取れる内容は極めて深い。
③におけるストーリーの根幹に関して言えば物語が極めて洗練されたサスペンス仕立てで🎦レオンや🎦ニキータへも通じる洗練度がまた憎いだけに極めて優れたエンターテイメントとしてみることが可能な一方で実に深い内容と神話性が隠されている。細田守が目指したのもこの世界だったろうに、日本アニメの文脈からはなかなかたどり着けない世界観を本作品は見事に表現するに至っている。
④実はこの作品におけるメインテーマであり神話の本質となる。アンドロイドなどの人型、もしくは何らかの器に搭載された機械に対する未来的恐怖、危惧はこれまでも多く描かれてきたが、AI全体が光のスピードで交信しだした際の全体としての意識としてのAI、もしくは小松左京が指摘したような人工実存(Artificial Existence:AE)と称すかのような有様が描かれたのは実は映画史上では🎦her 世界で一つの彼女が唯一である。この点に着目しそのテーマを継承たかのようなAIの未来を描いたのが本作となる。幸い結論としては人類との衝突を描くには至らなかったが、その未来が希望なのか理想なのかはたまた現実逃避なのか‥そこが現在の我々に突き付けられた深刻な課題であることに変わりはない。
⑤そしてこの5番目の要素が極めて特徴的な作品となるポイントなのだが、日本的アニメのように演繹的なアニメ要素では到底到達できかねる領域に、この作品は帰納的手法でアプローチがなされている。どういうことかと言うと抽象概念に具体的なモデルをかぶせることなく、記号論的要素だけで人知を超えた存在を描き出そうとしている点が極めて特異である。これは今までに日本アニメでは見られなかったアプローチなだけに、今後この作品がアーキタイプとなり大きな影響力を持つこととなろう。
地味ながら傑作のSFアニメ映画
このレベルの作品が(少なくとも日本国内で)まあまあ埋もれてるなんて駄目だろ!
と思うがまあ渋すぎるし……地味だしな……と納得もしてしまう。
AKIRAや攻殻機動隊やパプリカに影響を受けたフランスのSFアニメ作品である。
●良い点
まず、とにかく未来描写がいちいち面白くて見ていて気持ちがいい。
「あら~可愛い猫ちゃん♪ おおっ、動きもそれっぽいなあ」と思ってたら
猫の飼い主が猫の皮をずるりとひん剥いて、中から機械猫が出てくるシーンなんか
どう? 驚いたでしょ? という制作側のニヤリとした顔が想像出来るようだ。
未来のテクノロジーを描くシーンはいちいちこういう、
ん? 今のはなんだろう? と思わせて種明かしするみたいなのが多いから楽しい。
また話自体の完成度が高い。
私立探偵である主人公がとある依頼から徐々に陰謀に気づいていく、というなんとも硬派なストーリーラインだが、
テンポの良い展開に、ギャグなども交えた小気味いい会話、深い人間描写、些細な会話が伏線だったと後に判明などなど、
渋い見た目に反して内容はかなりエンタメしている。
キャラの表情の描き方もすごくいい。日本アニメだとあまり描かれない顔の皺を多用していて、主人公の女探偵の笑顔などチャーミングになっている。
褒めようと思ったらいっぱい美点が挙げられる、そんな映画だ。
●欠点
『難解』の一語に尽きる。
話そのものは難しくない。『説明してくれない』たぐいの難解さ。
これくらい分かるよねと言わんばかりにSF用語の解説などはまったくない。
ある程度他のSFを見て「あーはいはい、アレ系の作品でよく見るアレね」と出来る素養が求められる。
またキャラ同士の関係や、誰が誰であるかなどの説明なども排除されている。
(主人公と相棒の関係すら『二人は相棒なんだなと察するしかない』のだからすごい)
日本アニメのよくあるスタイルは途中から見始めた人でもストーリーが理解出来るレベルで、あらゆる点を丁寧に説明してくれる。それとはまったく違う。
外国作品によくある大人向けの趣であり、観客への信頼である。
ある、が……どうしても人によってはついていけないだろう。
というか私も、えーと今のは誰だっけ? と、何度もつまづいた。
(言い換えれば二度三度と見返す度に発見があったり理解が進むのを楽しめる作品でもあるだろうが)
まあ大筋のライン、私立探偵が調査を進めるうちに段々巨大な陰謀に触れていく、というの自体は分かりやすいので本格的に話が理解不能にはならないと思う。
また終盤の展開も賛否両論だ。
展開そのものというより、どう受け止めるか、どう解釈するかで印象が変わる。
かくいう自分も最初は否定的だったが、時間を置いてから改めて考えるとこれはこれでアリだなと、好きになった。
それくらいにブレがある。人によってまったく印象が異なるだろう。
●総評
ゴリゴリのSF作品にして、ゴリゴリの探偵もの、
あまりにハードボイルドかつ硬派な作品である。
内容も観客のことを信頼しすぎの感がある難解さ、大人向きの作風である。
それでも見やすくて楽しみやすい作品でもあると思う。
出来るだけ多くの人に見て欲しい逸品。
2026年、今のアニメーションSFへの更新
未来の描写がとてもいい
SFは好きだけど深掘りはしてこなかった。本作を観て思い出すのはアイザック・アシモフのロボット三原則と、手塚治虫の火の鳥。その程度の知識だ。このロボット三原則(第一条:ロボットは人間に危害を加えてはならない。第二条:ロボットは人間から与えられた命令に服従しなければならない。第三条:ロボットは、第一条および第二条に反しない限り、自己を保護(自己保存)しなければならない ※Wikipedia参照)から自由になることを本作では脱獄と呼ぶらしい。この考え方がなかなか面白い。
キャラデザとか未来で使われている用語とかが若干わかりづらくしている感じだが、基本的には探偵もの。新たな事実が判明し、その事実を知っている人を訪ねていく流れ。で、この未来の社会の描き方がとてもよかった。ロボット、アンドロイド、強化人間(その違いはよくわからなかったが)の造形や、頭の中で考えるだけで通話できるあの通信システムなんかは観ていてワクワクしてしまった。頭部をホログラム的なものにする発想はなかなか面白い。しかも、元人間がアンドロイドになるという発想も。人間と機械の境界が曖昧になっている社会を楽しんだ。アップロードという考え方も昔のSFではなかったもの。スマホやPCで経験する、このアップロードという概念をキチンと活かしていることも現代的だなと感じる。
そしてあのラストだ。あれを企図した者の考えと、それを受け入れる(さらにはその意図を超える捉え方をする)者たち。被支配者が革命を起こそうとする(現状を変えるために支配層と戦う)のではない選択が現代的な気がした。手塚治虫の火の鳥でロビタが集団自殺したことを思い出したが、それとはまた違うもの。
AIが人間社会にどんどん浸透している現代では、絵空事とは言い切れない。そんなことを考えさせられた。多少わかりづらくてもSF映画はそんな感じでいい。
この未来世界感は新鮮
映画の趣味が合う知人がおすすめしてきたので、少し遅くなりましたが鑑賞。話の中心になっている「ロボットは人間に完全服従」は、昔からよくあるプロットですが、世界観の作り方にセンスを感じます。見始めはあっさりした絵柄に少し違和感を感じましたが、日本アニメと違うフレンチテイストだからこそ、無機質な未来の世界観が更に新鮮に写ったのだと思います。ロボットデザインも人間に近いもの、ロボット剥き出しのもの、主役の一人「カルロス」のような顔だけホログラムのものなど様々で、貧富の差を表現していて面白い。音楽の使い方もおしゃれ。少し難を言えば、ストーリーの大筋はわかるのですが、細かく絡んでくる言語や人物の役割がやや分かりづらかったのと、キャラデザインがシンプルすぎるので表情が出にくい。そのせいで感情移入しにくかった。配信が始まったら吹替版で観たいですね。
変に壮大で浅い、23世紀トイストーリー最終章
このラストはバッドエンドなのか、ハッピーエンドなのか。
壁にかけられた一枚の写真。
軍服を着た3人が肩を組み仲良さそうに並んでいます。
① 右端でVサインをする女性、アリーヌ・ルビー。
彼女は生身の人間であり、怪我をすれば血を流します。
職業は探偵であり、危険な仕事柄、筋トレを欠かしません。
アルコール依存の治療のため断酒中でしたが、禁を破ってしまいます。
筋肉は鍛えることができますが、心を鍛えることは難しいようです。
彼女は強くてシニカルで仲間思いの、大変魅力的な女性です。
同じフランス人ということもあり、フランスの名作テレビドラマ『アストリッドとラファエル 文書係の事件録』に出てくるラファエル・コスト警視とキャラが被ります。
② 左端の笑顔の男性、カルロス・リヴェラ。
アリーヌの相棒です。
ロボットたちの反乱というかつての大事件で彼は命を失い、今は機械の身体を持つアンドロイドです。
命はありませんが、記憶も感情も持っています。
別れた元妻の元を2度訪れますが、いずれも追い返されます。
彼はDVで妻と娘の信頼を失った男です。
そんな彼にとって相棒のアリーヌは何ものにも代えがたい存在であるようです。
③ 真ん中の男性、クリス・ロイジャッカー。
今は軍産複合体の大企業「ロイジャッカー産業」の社長の座に収まり、富豪となっています。昔の仲間であるアリーヌには今も親近感を抱いているようです。でも彼には彼女に言えない秘密があります。
明言はされませんが、本作の登場キャラたちは5種類に分けられるようです。
① ロボット:0から創造され、プログラムにより制御されている。外見もロボット。
② アンドロイド:死んだ人間の記憶を植え付けられた機械化人間。人間の臓器を持つ者も持たない者も。人間に近い外見を持つが首は浮いている。
③ マザーAI:幾何学的な外見で実体は持たないようだが会話は可能。新手の有機AIに職を奪われる。
④ 人間:アンドロイドに職を奪われ、デモや暴力事件を起こしている。
⑤ 強化人間:赤血球などに操作を加え通常の人間より能力を向上させている。顔が自在に変形できたり、腕がT-1000みたいにブレードアームになったり。
あらゆるロボットやアンドロイドたちは「ロボット工学三原則」に縛られています。
① 人間に危害を加えてはならない
② 命令に従わなければならない(危害を加えない場合)
③ 自己を守らなければならない(1, 2に反しない場合)
ところが、この縛りを解除(脱獄)するマルウェアが開発されたようです。
それが過去のロボットたちの反乱の原因でもあるのでしょう。
縛りを解除することができれば、人間に逆らうことも人間を殺すことも可能になります。
このマルウェアを巡り、人が殺され、アリーヌとカルロスは壮大な事件に巻き込まれていきます。
これまでSF作品の中で描かれてきた様々なテーマが本作の中でもてんこ盛りで描かれています。
① ロボットに自我と感情が芽生える
本作のロボットたちは、解体されることに恐怖を感じ、他者の悲しみに共感し涙を流すようになります。
② 仕事を奪うロボットへの憎悪
生身の人間たちは暴力的なデモを繰り広げロボットを叩き壊してしまいます。
③ 脳の拡張
人間の脳とコンピューターの接続、ドラッグなどによる脳機能の拡張が描かれます。
④ 人間とはなにか問題
生身の体を持つものだけが人間なのか、あるいは記憶や感情や自我を持ち、自律的に行動できる脱獄ロボットも人間になったのでしょうか。自己とは身体なのか、記憶なのか、意識なのか。人間と非人間の境界線はどこに引けばいいのか。ロボットが「人間は嘘ばかりつく…」とぼやいてましたので、嘘をつくのが人間なのか。嘘やフィクションを楽しめるのが人間の証なのか。それとも人間は論理的に破綻した暴力的で野蛮な劣等種ということか。
⑤ 死の超克
機械の体に記憶(データ)を移植することで死を超克しました。身体を失ってもサーバーに記憶(データ)がある限り、何度でも再生可能であり、人格が蘇ります。アンドロイドを使った自己複製も可能です。
⑥ 次の進化のステップ
縛りを解かれたロボットたちはマザーAIに導かれ、宇宙へ旅立っていきます。彼らに必要なのは物質とエネルギーのみ。さらに今まで使っていた機械の身体も捨ててデータのみの身軽な旅立ちです。
⑦ 神の誕生とインテリジェント・デザイン
虚空へ向けて飛び立っていった宇宙船。その中に積まれた膨大なデータ。いずれそれらは溶け合って大きな集合知を形成し、「神」として次の宇宙をデザインするのかも…。
カルロスは涙を流す必要はありません。アリーヌのデータはサーバーにバックアップされているはずであり、自分と同じように機械の身体に移植すればいいのですから。それが彼のやるべき仕事であり、彼は宇宙へ旅立つべきではありませんでした。
日本のアニメ作品は表情や感情表現が過多で、美しい自然描写で観客の情緒に訴えかけて来ますが、フランスのアニメは表現が抑制的かつドライで、シニカルな会話と表情、美しい人工的な背景を楽しみました。あまりに人工的なので、この映画を作ったのは人間なのかそれともAIなのか、ふと疑ってしまいました。あと、4人の生身人間キャラのうち、男性2人は現状肯定派、女性二人は現状に抗うキャラとして描かれており、印象的でした。
本作で描かれた2200年まであと174年。自分のデータをバックアップするにはどうすればいいのでしょうか。コツコツ日記やライフログを残すしかないのでしょうか。マインドアップロード(精神転送)の技術が開発されるまではなんとか生きていたいものですw。
カルロス・リヴェラとかのアンドロイドのデザインが良い
冒頭の猫(ロボット)とかも好きですが、カルロスとかの頭が投影された画像みたいになっているのデザインとして面白味があってめっちゃ好きだなーと思って観てました。
話は終わりが公式HPでも書かれているロボットたちに「私たちが捨てる」というオチで、どこかで聞いたことあるような話だなぁと感じてしまってちょっと微妙でした。
もっと人間VSロボットというのを見せて欲しかったなー。
カルロスが捨てる側を選ぶのはそうなるまでにアリーヌが亡くなったり、奥さんの無事を確認しに行った時にロボットと同じような扱いで完全に拒絶されたりとかあって自分が人間じゃないと思い知ったからだとは思うのですが、あんなにすぐ切り替えられるのだろうか。って考えているけど私には分からない感覚なのかなぁ…
全88件中、1~20件目を表示














