トゥギャザーのレビュー・感想・評価
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ちゃんと裸でしてますか
「セックスを扱った恋愛ホラー」なるものがあるならば、「イット・フォローズ」(’14)というホラー映画があった。この作品は、「セックス」を、特に若い子がすると、強迫観念、幸福感と罪悪感に襲われることをメタ的に描いた作品だった。
本作は宗教観や結婚観、現代の草食系男子のちょっとした皮肉、トランスジェンダーへの言及など、盛りだくさんの、なかなかに検証しがいのある作品だった。
「トゥギャザー」
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冒頭の2匹の犬が、不気味に「融合」(でもあんまり画面に見えず、子供の画でわかる)するところなど、言うまでもなく「物体X」だったり、主人公二人の体の一部がくっついて伸びる描写などは「ビデオドローム」と、往年のホラー大好きホイホイ満載。
そこにトランスジェンダーの「閉塞された」生き方を開放する宗教が関わり、主人公を物語の中核へ引き込む。
埋められた教会の経緯や水についての説明や、ネズミの異臭、主人公二人が「たまたま」落ちた洞穴、序盤のシャワーシーンの体の異変など、粗のフォローが演出的に気にはなる部分はあるものの、「合体」の「結果」になかなか興味深い見方が出来る。
・犬
異なる犬種の、性別の分からない同士の「合体」(でもこれは物体Xオマージュのためだけだろうな)
・序盤の失踪カップル
老齢カップル(のように見えた)でセックスはもうしていない(と仮定)。着衣のまま。
・ジェレミー(の姿)
同性だが、愛し合っている。裸で儀式を行うカルトメンバー。そこで「結婚」式をあげている。だが「穴」が違う。その結果。見た目ビミョー。
このビミョーさは、主人公二人が美男美女でその結果のビジュアルからもビミョーである必要はある。
・そして主人公二人
共依存、というのとはちょっと違って、どちらかというと明らかに男のほうがダメで、女はセックス大好き、(いや全く問題ない)、シてくれないダメ男の世話を焼く。それを「囚われ」という男は最低だ。
水の効果でセックスを渇望した男は、そのあとの長い期間「レスでため込んだ」女の、「職場」の「男子トイレ」での「着衣」での「行為」が爆笑。
しかし同時に実は「不完全な合体」を結果的に回避している。いやあるいは、ジェレミーがそこにいた時点で意図的に「回避」させてくれたのかも、という見方もできる。
着衣でのセックス、欲望だけでのセックス、ただ引っ張られるだけの強制的な合体が不完全な結果になる、ということがそのシーンが筆頭で説明されたとすると、終盤の女の手首を切ってしまった(ここもねえ、ジェレミーがしてくれた、という見方もできる)女を救うため、これまでは、「個」を主張し続けた男が、「結婚」を申し出、「自己犠牲」を提案し、自らの合体で女の手首の出血をとめる。(ここもっと感動的にできるんだけど、ちょっとイマイチ)
そして、「決意」のセックス。ちゃんと全裸である。官能的でグロテスクな見事なシーン。
という風に考えると、オレがオレが、の「個」を殺すことが「大人」になること。「結婚」することが幸せになること。「セックス」とは男女が身も心も一体化することで、「理想形」になること。(だからジェレミーの見た目がビミョー。)と、いささか古い思想の復権を謳っているかのようにもみえる。それがいいかどうかは別として。
だが、これだと子育て支援にはならないから難しいところだ。
だからこそ、その古い思想をもって、トランスジェンダーを救う「せめてもの世界」を表現しているのかもしれない。
あるいは、主人公二人の融合体は、明らかに「それ」なので、「トランスジェンダーの侵略」、という、ボディ・スナッチャー的なSFホラーっていうことになる。
ありえないことを演じる主演カップルの全力コント
2人の人間の身体が文字通り一体化していくボディホラーという様式を使って倦怠期カップルのあるあるを描く。そのコンセプトは面白いが、だいたい予想できる範囲に収まっていて物語的な驚きは少ない。のだけれど、一体化する怪現象を認識し、なんとか自分たちを引き剥がそうと奮闘する中盤以降はほとんどドタバタコントと化していて、突然車輪がまわりだすような勢いがスゴい。主演兼プロデュースのアリソン・ブリーとデイヴ・フランコは、これまでもとっちらかった人間を描き、演じることに熱心だったが、実生活のカップルが2人揃ってなにやってんだ!?と大いに笑わせてもらったので、今後もヘンな映画でヘンな役をガンガン実現させてほしい。アリソン・ブリーでヘンな話、ヘンな映画、ヘンな演技がもっと観たい人は、ブリーが脚本も書いたNetflixの『ホース・ガール』もオススメです。
ホラーだからこそ明確に浮かび上がった恋人たちの心理模様
グロテスクな描写が売りのホラーとは訳が違う。面白いのは、変わりゆく二人の身体にしっかりと意味と象徴が込められているところ。考えや個性の異なる独立した人間どうしの彼らは、長年のパートナーとしての暮らしや価値観の慣れ、または共依存を重ね、それらが都会の喧騒から離れた田舎での新生活を機に、もはや避けて通れないほどの”一体化”を辿っていく。自分の中の大切な何かを手放すことはある意味で恐怖や絶望にも等しい。だが一方で、愛する人とかつてないレベルで身と心を融合させることは、性交すら超えた恍惚を意味するのかもしれない。もっとも事態がこうなったのは彼らの独力ではなく、洞穴内での神秘体験あってこそなわけだが。もしもラブストーリーの名手なら、恋人同士の心象を別のオーソドックスな形で結実させたはず。まさかのホラーファンタジーの手法を採ったところに斬新な煌きと、物事を真逆から見つめ本質をグサリと突く秀逸さがある。
他者と一体化することを視覚化するとしたら
互いに愛し合いながらもどこかチグハグな関係にあるカップルが、田舎に引っ越して心機一転、親密になろうとするが。。。
収入の格差、価値観の違い、そして、相手を思う熱量の誤差etc。人と人とを隔てる壁は、時間をかけて徐々に歩み寄ることで消えていくものだろうが、本作は、その歩み寄り、または一つになるというイメージを具体的な映像で見せることで、皮肉なラブロマンス映画、もしくは新手のボディホラーとなっている。
実生活でも夫婦のデイヴ・フランコとアリソン・ブリーを主役に据えた秀逸なャスティング、ボディホラーの元祖、デビッド・クローネンバーグ作品を今風にアップデートした衝撃的なビジュアルも新鮮だ。
中でも、クライマックスで2人の肉体に起きる"ある変化"は、観ている側も引き摺り込まれるような感覚に陥るほどに圧巻だ。これを観た後は、パートナーと手を繋ぐことにも少し躊躇するかもしれない。そもそも、他者と一体化したいなどと簡単に思わないほうがいい。そして、関係修復のための田舎暮らしもできればやめよう。そこには何が待ち構えているか分からないのだから。
超常ボディホラー×不条理コメディの妙
珍奇なホラーを幅広く愛好する人なら、事前情報をなるべく避けて観に行くのがおすすめ。鑑賞後に予告編をチェックしたら、ホラー描写の特殊効果ショットがハイライト集のように網羅されていて、こんなに先出ししたら本編を観るときの驚きが減るのにと残念に思う。
とはいえ、驚かせ怖がらせるホラー要素だけでなく、恋人同士の共依存関係と、独特のセンスでくすっと笑わせるコメディの要素もうまくストーリーにからめ、過去のホラー名作のアイデアを巧みに拝借しつつ全体としてそこそこユニークな娯楽作に仕上げている。
鑑賞中に思い浮かべたのは、チョウチンアンコウの仲間で、小さなオスが大きなメスの体に癒着し融合して、産卵期に備える「精子バンク」と化す種がいるという話。あと、劇中に出てくる数匹のネズミの尻尾がくっついた状態は、鑑賞後にWikipediaで知ったのだが「ネズミの王」と呼ばれ、古くは中世の頃から報告例がある欧米では比較的知られた現象のようだ(興味があればWikipediaの"rat king"の項に詳しく書かれているし、動画検索しても結構出てくる)。
日本の多くの観客にとって残念なのは、終盤で重要な使われ方をしているスパイスガールズの「2 Become 1」が、グループのファン以外にあまり知られていないこと。字幕に詞の内容が出なくてもどかしく感じたなら、鑑賞後にぜひ検索して訳詞を確認していただきたい(YouTubeにアップされている公式MVでも自動字幕機能を利用できる)。
最後に余談。冒頭で触れた予告編に使われているBGMはタートルズの「Happy Together」だが、この曲を聴くと思い出す映画は「四角い恋愛関係」(原題:Imagine Me & You)。もし未見で、多様なラブコメを分け隔てなく楽しめる方なら、これもぜひ予備知識なしでの鑑賞をおすすめしたい。ジャンルはまったく違うが「フロム・ダスク・ティル・ドーン」を観た時と同じで、途中からえっ?そっち行くの!と世界が一変し、一瞬呆然ののち爆笑、という笑撃を味わえるはず。比較的マイナーながら大好きな映画です。
ほんとにそのまんまの映画だった
煮え切らないカップルが最後に選択したこと
結婚するでもない、別れるでもない。どちらかの愛が重かったり、薄情に感じて淋しくなったり…パートナーとの関係ってあんなかな??解るような…解らないような…(知らんけどっ!)最後の彼氏のプロポーズでヒモ彼が成長した感があったので、グロホラーだけでなく2人の人間背景も見えて…観ていられた。ラストの…きっときっと一体化してるんだよね?!は、想像通りイメージ通りでした。抵抗すると「サブスタンス」みたいにグロくて苦しい…が、受け入れてしまえばニューワールドが待ってる。
続編を意識?
予想外のラストに驚かされた。恋愛とホラーが融合する、奇妙でクセになる一本
カップルの楽しい洞窟探検から始まる物語かと思いきや、まさかの奇抜な“合体劇”へと展開していく作品。
予想外の方向に進むストーリーに、正直かなり戸惑いました。
私はグロ耐性があまりないため、思わず目を逸らしてしまう場面もありました。
ラブコメのような軽さとホラー要素が交互に押し寄せるジェットコースターのような展開で、感情が追いつかない瞬間もありましたが、それもこの作品の個性なのだと思います。
物語は、2人の恋愛関係の行方と“合体劇”がどうなっていくのかが同時に進んでいき、最後まで目が離せません。
途中の展開からは、とんでもない化け物が誕生するのではないかと予想していましたが、ラストは意外な形でまとまり、ある意味どんでん返しでした。
コンパクトな作品ながら、休む間もなく緊張感が続くのも印象的です。
洞窟の謎についても様々な解釈ができそうで、観終わったあとに考察したくなる余地があります。
▼こんな方にオススメです。
・一風変わったホラー作品を楽しみたい方
・奇抜な設定が好きな方
・短めの作品でテンポ良くドキドキしたい方
※グロ描写が苦手な方は少し注意が必要です。
男も女もうざいなって最初は思ってたけど、B級レートで及第点 なんで...
男も女もうざいなって最初は思ってたけど、B級レートで及第点
なんでこんなこと思いつくんだろう?みたいな、
想像外のコンセプトでおもしろかった
ただ、マッケイブ先生は融合前もそのままの顔だったと思うけど、
融合後に外観が変わるケースもあるわけ?
エンディングの曲、
メロディーは爽やかなんだけど、
歌詞が地味に怖かったな
人類救済の映画か?
もしかしたら、悩みのない悩みから開放してくれる新しい生き方を示してくれているのか、なんて浅はかな思いをめぐらしてこの作品を楽しみました。願わくば、カルト宗教の団体の怪しさがもっと出ていれば、違ったテイストの映画になったのになと、その方が私の好みです。
映画では、恋人同士の設定なんですが
日本では、今はあまり聞きませんが
夫婦は一心同体
結婚式の挨拶で、かつてはよく聞いたんです。
そんな言葉を字でゆくような作品。
ただ、笑えないの
そんな、一心同体をカルト宗教の儀式として描いたこと。
うーん難しいね
いくら愛し合っているとはいえ
お互い一つの体になるのは
夫婦喧嘩はどうするのかな
いや、一つの体になるのだから別人格になるのか
う〜ん 謎は深まるばかり。
なんか自分の理解が足らないのか
カルト宗教が妖しくていいね
まさにこのあたりが、この映画のハイライトなんですが
このありえない一心同体を
救いのテーマとした宗教集団の出現がきまってます。
ちょっと一心同体になってくあたりが、コメディーぽいのですが。
個人的には
アメリカのど田舎の
何があってもおかしくない
というか、どんな集団が潜んでいてもおかしくない。
そんな設定と雰囲気でもっと作り込んでくれたら最高なんですが。
あくまでも、私個人の希望です。
まあ、そんなに退屈はしない作品です。
自分が自分がと言いながら独立していない個人
共依存でよく見られる光景です。
簡単に言うと、子供のままでいること。
楽でいいですよね。
経済的心配はないし。
どこまで行っても、子供だと許されるし。
だけど、ある年齢になると、このままだと破綻するんですが。
周りは、大人としての対応を求めてきて
だけど、それができない。
原因は自分にあるのに
なんで、周りはわかってくれないのと悩む。
けっこういるでしょ
それを物理的に同体になることで
すべてが解決。
そんなカルト宗教団体。
これこそ人類魂の救済でしょうか?
面白い発想の映画だと。
そんな結論になりました。
オカルト的な可笑しさとカルト的な不気味さ
タイトルなし(ネタバレ)
過去に行方不明になったカップル、サイモンとケリーも洞窟に落っこちたのだろうか。
森の洞窟が実は昔のニューエイジの教会があった場所で人知を超えた "何か" が底しれぬパワーで存在していた。
太古の人類以前の「男+男」「女+女」「男+女」の3つの性別の人間(?)が神により分裂されて現在の人間になったとされるプラトンの空想物語が物語のきっかけなのだろう。
そこに落ちた人間は元の姿に原点回帰したくなるのか。
ティムとミリーは最終的に融合されたが、理由はお互いを補完し合う "融合されるべき相方" だったのだろう。
しかし、サイモンとケリーは融合が叶わず、洞穴で中途半端な融合で存在していたのは "本当の相方" では無かったのだろうか?
ラストシーンのミリーのご両親は出会った "1人" にビックリしただろう。
Spice Girlsの♪ 2 Become 1の歌詞 when two become one(ふたり、ひとつになるの)が劇中歌で流れる。
あなたと一つになりたい──
AI「なるほど!つまりこういうことですね!」
脚本サラサラ〜(魔解釈)(倫理観の喪失)(人道無視)(ラブストーリーのつもり)
に違いない。文字通り受け取らなきゃこうならん。
ホラー描写は所謂ジャンプスクエア系が多め。
あとはグロ。痛い。バケモン。カルト。
直接的な描写は控えめですが犬が…犬が!
長いこと付き合ってきたから何とか頑張って継続していきたいけどどうにもうまくいかないカップルの描写が無駄によく出来ていて息苦しい。
登場人物が少ないので伏線とかは読み取りやすい。
いや彼氏の両親の話はなんかよく分からなかったけど。なんか意味あったのかな。
あとなんかB級の香りがすごい。何故だ。
とは言え「あ゛〜!見れません!怖い!」「不快な気持ちです!(喜)」というホラーで味わいたい気持ちは十分味わえたので及第点は超えてるんじゃないでしょうか。
ここすごい退屈!とかはなかったです。
このジャンルが好みの人にはオススメです。
見やすいホラー
三連休の中日。渋谷でふと「今日は映画かな」と思い突発的に鑑賞。
…それにしてはストレンジな映画すぎた笑。カップルの身体がくっついてしまうホラー、って。ホラー映画の文脈はよく知りませんが、そこからしても斬新なテーマみたいですね。
と言いつつも、煮え切らないティムと別れ切れないミリーの関係性の表現には機微を感じました。みんなの前でプロポーズして上手くいかない(ハッキリとしたNoではありませんが)って…って思ったけど、そう言えば昔、同じようにパーティーでプロポーズされて、その場では引き受けたけれど結局何やかんやあって結婚せずに別れてしまった友人、いたなぁ。
曰く「断れない空気の中でそれをやるのは選択の余地を残してないし、追い詰められてる感覚もあった」と。それは本当にそうだろうなぁ。よっぽど確信があって、あとはプロポーズという手続きだけ、みたいになっている人以外は悪手なのかもしれませんね。ましてや、相手が煮え切らないから最後の一押しに、なんて。ユーキディング、は流石にないだろと思いましたが笑。
中盤以降は、訳の分からないことが起こりまくって、笑いもあり、背景らしきことが解説され、「実は怖いこと側の人でした」みたいな種明かしがあり、スパイスガールズというラブロマンス的伏線も低難易度に回収され、っていう。いや怖かったですし、楽しくもあり見やすかったですよ。もう少し、2人が味のある演技をしていたので、何か人生一般の示唆みたいなものがあっても良かったかなとも思うけど、示唆がないのがシュールで楽しいとも言えるかも。やや時間枠が短かったのもサックリしていて。
あと単純に森の中の一軒家で共依存のカップルが暮らすこと自体オカルト的で不気味だなぁと思いました。もしも身体がくっつかなかったらあんな感じでダラダラ毎日過ごして行ってたんでしょうか。それもまた運命かな。
⭐︎3.7 / 5.0
怖さの質が違う
すごく怖くてまいった。意志に反して男女の身体がくっついていくというボディ・ホラーなんだけれど「サブスタンス」しかりで皮膚感覚で脅されると恐怖に痛みが混じってつらい。オーストラリア出身のマイケル・シャンクスという70年生まれの「新人監督」が脚本も書いていて、どちらかというと既視感のある恐怖カットを集めた「旧感覚昭和B級ホラー祭り」なんだけれどこれっぽっちも笑わせてくれずただひたすらに怖いのである。特殊メイクのため撮影時二人はトイレに行くのも一緒だったそうで実際の夫婦をキャスティングしたからこそ成しえた力作。これを見ると「一心同体」とか決して気軽に口にするもんじゃないと思うし、倦怠期でもダブルベッドで眠るアメリカの夫婦の気が知れない。
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