マテリアリスト 結婚の条件のレビュー・感想・評価
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落ち込んだ時に思い出す顔、その人を大事にして下さい。
セリーヌ・ソン監督・脚本の前作「パスト ライブス/再会」がかなり好きだったので、今作も楽しみに鑑賞しました。
主人公ルーシーを演じるダコタ・ジョンソンは、何を着てもお美しい。仕事もできて見た目も完璧。そりゃあ大富豪からも、夢を追う元恋人からもアプローチされるでしょうよ。本人の価値を分かっていないのは、本人だけなのかもしれません。
映画全編を通して感じたのは、ニューヨークという街の気高さとクールさ。そして同時に、そこで生きていく窮屈さや息苦しさでした。
驚くような展開はありませんが、テンポの良いストーリー運びで最後まで飽きることなく楽しめます♪
家柄も人柄も学歴も完璧なハリー。彼は物質至上主義の象徴ともいえる存在です。
一方で、俳優を夢見る元恋人ジョンは決して恵まれているとは言えません。お金さえあれば高身長という「条件」すら手に入れられることを示すハリーがいるからこそ、指輪ひとつ満足に買えないジョンの存在が際立ちます。
何もなくても、「愛」だけはある。
しかも、それは簡単には変わらない愛です。
落ち込んだルーシーが無意識に思い出し、選んだ相手こそが、本当に大切な人だったのだと気付かされます。
とはいえ、結婚の条件は人それぞれ。お金がなければ続かない愛も、現実には確かに存在します。
個人的に一番好きだったのは、ルーシーがハリーに別れを告げるシーン。相手を傷つけることなく、それでいて嘘もつかない。とてもクールで印象的でした。
あんなイケてるニューヨーカーに、
生まれ変わったらなってみたい🫣
愛と結婚をロジカルに掘り下げるアンチロジカルなラブストーリー
中盤のペドロ・パスカルが跪くシーンが素晴らしく、この映画が前半で試みている「富裕層の婚活を因数分解」にひとつの身も蓋もない答えが出ているように思う。そしてダコタ・ジョンソン演じる主人公と同様に、観客もその身も蓋もなさを人間の弱さ、愚かさとして愛でられるのは本作の大きな魅力だと思う。
ただセリーヌ・ソンという監督はやはりとても変な人で、ここまで理知的にウィットと皮肉を持って「現代の愛や結婚のあり方」を掘り下げておいて、まったくロジックの通用しない「愛こそすべて」に突っ走ってしまえる度胸がある。正直最後にはコレってそういうお話なんでしたっけ?と大いに戸惑うのだが、ロジックが通用しない結論を描いているのだからもはやしょうがない。この映画がかかえる途方もない矛盾を、こちらは受け止められないまでも、噛みしめるしかない。
ただ、顧客がデートレイプに遭ってしまう一件が、主人公のキャリアにとっても人生にとっても非常に重要な転機になりそうなのに、あまり掘り下げないことは気になった。そこに向き合ってサポートすることの方が、クリエヴァとの「愛こそすべて」よりもずっと重要に思うのだけれど。
ダコタ・ジョンソンのファッショニスタぶりにうっとり
結婚相談員の主人公をメインに、理想の相手を見つけて結婚したい相談所会員たちの現実が綴られていく。女性が相手に求めるのは、年収、身長、ルックスetc、一方、男性は主に年齢とルックスにこだわる傾向があるようだ。とは言え、みんな自分のことは棚に上げている。舞台はニューヨークだが、男女が結婚を考える上で相手に求める要素は日本と似たり寄ったり。まあ、そんなものだろうなぁとは思う。
『パストライブス 再会』の監督、セリーヌ・ソンの最新作で面白いのは、主人公の相談員、ルーシー自身が愛情と年収や地位を天秤にかけながら、他人の結婚を成就させようと奔走しているところ。相談員から届くクレームに対処しつつ、ルーシーは貧乏でも今も愛している俳優志望の元彼と、パーティでアプローチして来たハンサムな金融家の間で揺れ動いている。誰が見ても、元彼の方がいいに決まっているのに、商業柄なのか、一歩前に踏み出せないルーシーのマテリアリスト(物質至上主義者)ぶりが歯痒い。
そして、ルーシーが最後に下す決断は見てのお楽しみとして、自分はルーシーを演じるダコタ・ジョンソンの、まるで摩天楼を服に落とし込んだようなファッションと、完璧な着こなしにうっとりしてしまった。服のレベルは『プラダを着た悪魔2』以上かもしれない。プロセンザ・スクーラーに始まり、ヴェルサーチ、バナナリパブリックと、価格幅も大きいワードロープが楽しいし、何せ、ジョンソンがめちゃイケているのだ。
愛について前作とは別角度でアプローチした意欲作
セリーヌ・ソン監督が『パスト・ライブス』に続き、またも愛や結婚について探究した本作を面白く観た。一見、ハリウッド的ロマンティックコメディのようでありながら、その実、序盤から「愛の原風景」が描かれるなど意表を突く演出も多い。それでいて芯にある問いかけは普遍的。すなわち、愛や結婚とは感情に基づくべきものなのか。はたまた、富や容姿、性格、趣味、性癖を細かくマッチングすることでアドバンテージを得ることは可能なのか。NYを拠点とする結婚相談所に焦点を当てた物語ゆえ、顧客の金銭感覚や格差意識、それに人の商品価値を見定めるようなやりとりはかなりドラスティック。だがその反面、3人の主演俳優に至っては各々の悩めるキャラをカリカチュアすることなく真摯に演じ切っていて非常に好感が持てる。しみじみと胸に沁みる前作に比べると語り口がだいぶ異なるものの、このギャップはむしろソン監督の今後へ繋がる可能性と言えるだろう。
ダコタ・ジョンソンのかわいらしさを堪能。でもそれだけじゃない。
20年前から、世界で一番美しい女優はアン・ハサウェイだと思っていて、それは今も変わらない。だけれども、かわいらしさと自然な演技のバランスが超ハイレベルなところで取れているな、と思うのが、ダコタ・ジョンソン。ショーン・ペンがタクシー運転手の二人芝居の作品でも感じたが、あんなに超美人でお母さんから二世代目のハリウッドセレブなのに、我々の日常生活のすぐ隣にいるような登場人物を魅力的に演じるのがとても上手い。リアルに市井にいる一般社会の女性を演じさせたら、ハリウッドの美人女優界No.1だと思っている。この映画の彼女もまさにそうだった。
面白い映画でした。感想は「悠」さんの投稿に賛同をつけたのでそちらに譲りますが、人の心の普遍的な揺らぎのようなものを丁寧に丁寧に描いていて、結局、幸せになれるかどうかなんて分からないのだから、主人公のように、相性とか縁を大切にしてみようよ、という人生もありかもよ。でも、そうでない選択だってありかもしれないよ、というメッセージも含まれていて、この映画を気に入った人はみんな、優しく寛大な気持ちで映画館を出たのではないかな。
この上なく素晴らしい映画を観た。
現実的な話
アメリカのラブコメだから・・
結婚相談所に勤めつつ、自身も高収入のイケメンを探している女性が、今も売れない役者を続けている昔の恋人と再会してしまった。さぁ、どうなるかというラブコメです。
この相談所を訪れる男女の生態は多少の誇張はあるものの、現代のアメリカ人の本音を表しているのでしょう。すると、ハゲやデブ・チビは嫌と言う女性、「子供みたいな若い女性は嫌、でも29歳以下でなくては」という中年男性など、万国共通の我ままにニンマリしてしまいます。
そして、焼け木杭(ぼっくい)に灯が付くのかと言う物語なのですが。本作の監督は、『パスト ライブス』で昔の恋人とのほろ苦い再会を見事に描いたセリーヌ・ソンであっただけに、本作でも深みのある展開を期待したのですが、アメリカのラブコメだとやっぱりこういう収め方しか仕方ないのかなと少し残念な思いがしました。でも、ラブコメはやっぱりこうでなくちゃねとも思うのは観客の我まま。
ダコタ・ジョンソンが魅力的結婚に愛は必要
ニューヨークの結婚相談所で働くルーシーは、クライアントの理想や条件をマッチングさせる婚活のプロで、彼女自身も恋愛を感情だけでなく資産価値で判断するマテリアリストだった。彼女は、マッチングさせたカップルの結婚式で出会った投資家ハリーからアプローチを受けた。また、ルーシーはその披露宴会場でウェイターをしていた元恋人ジョンと再会した。ジョンとは互いに愛し合っていたが、俳優を目指してアルバイトを転々とする彼との貧乏暮らしに耐えきれず破局したのだった。家柄も人柄も学歴も完璧なハリーとの交際に踏み出すルーシーだったが、夢を諦めないジョンへの思いも再燃してしまった。そんな中、クライアントが事件に巻き込まれ・・・さてどうなる、という話。
結婚は金?物?が大切であり、愛は後回しなのか、という問題なのだろう、と思って観ていたが、やはり愛は必要だよね。
ハリーとジョンの選択で揺れるルーシー役のダコタ・ジョンソンが魅力的。
これから結婚する人が観てもあまり参考にはならない気がするが、結婚って結局何なんでしょうね。
愛か、お金か、勝つのはどっち?
Materialist=物質主義者の彼女が結婚相手に最初に望むのは、経済力・お金🤨
ところが、最後に彼女が選んだのは、役者の夢を追い続ける貧乏だけど優しい昔の彼氏❤️
現実の世界は厳しいのかもしれないけど、映画の世界なら…、あ〜、ホッとしたなぁ〜。
リロクラブ安売りチケットで観た映画だったけど、期待が低かった分感動ひとしお👌大学生〜20代前半の気持ちに戻れる映画でしたっ🎶
なにからなにまで素晴らしい
オープニングの渓谷の画が綺麗だよね。そこで良い作品な気がするの。
花を摘んで恋人のところへ持っていって、なんだろうと思ったら原始人なんだね。
そしてカットが切り替わって主人公が丁寧にメイクするシーン。
後で「ラブは簡単だけどデートは大変」って言葉が出てきて、それが作品のテーマだけど、それがもうオープニングで提示されてんだよね。
それで主人公が街を歩いて、道行く人が振り返って『主人公は目を引く綺麗な人っていうキャラ紹介か』と思うと、その振り返った人を追いかけて名刺を渡す。強烈なインパクトでキャラクターを印象付けるのいいね。
そこから結婚式のシーンになるのかな。
するとブライドメイドが集団で主人公のところにやって来る。映像的に良いよね。
主人公が花嫁のところに向かうと残ってたブライドメイドが無言で「あっちです」と指さすのもいい。
ここで主人公が鮮やかに花嫁を説得するんだよね。「彼の隣にいると自分が価値ある人間だと思えるのね。結婚するのに十分な理由じゃない」は良かった。
そして金持ち登場。
主人公の隣に座るために席票を投げ捨てて、キャラ説明しつつ登場するのいい。
その流れで貧乏演劇青年も登場だね。ここも鮮やか。
まあそれで金持ちと付き合うことになって部屋に行く。
「もう我慢できない。二人で結ばれよう」ってシーンだけど、主人公は部屋の様子だけ見てんのね。
これ、愛はないっていう表現でもあるし、金持ちはセックス下手なのかなという感じもして良かった。
万事快調かと思うと、主人公が男を紹介したソフィーが、その男に襲われてしまう。
このソフィーについて、主人公は職場で「全部普通なのが弱点。ニッチな魅力もない。商品価値がない」って話をしてんだよね。それでソフィーが怒るときに「あなたは私にあんな男をあてがった。私に商品価値がないから」って言うの。
ここもそうなんだけど、この映画、あるシーンで自然に「こういうことがあるよね」って語っていたことを後のシーンで使うんだよね。それが自然に行なわれるから脚本鮮やかに感じるの。
それで話は続いて、結局、金持ちにいくのか貧乏演劇青年にいくのか。
貧乏演劇青年との別れのエピソードで「愛がないからじゃない、お金がないの」は良かったね。
そう考えるとこの作品、ずっと一貫してテーマを語ってるな。
まあでも貧乏演劇青年選ばないと話にならないよね。そうなるの。
別れの決め手が足の傷で、金持ちは背を伸ばす手術を受けてんだよね。これまた前の方で主人公が職場で「それだけの価値がある」って語ってんの。
価値があるのは分かってるし、全然問題ないんだけど、でも別れる。
そしてエンドロール。
あれは集団結婚式場みたいなところなのかな。
色んな人が、お金をかけた結婚式はやれないんだろうけど、幸せそうに出てくる。
ずっと見てると主人公と貧乏演劇青年も出てきて、オープニングの原始人カップルも出てくる。いいね。
あとこの作品、映像や、台詞のやり取りがすごいお洒落なんだよね。ゴダールっぽいというかヌーヴェル・ヴァーグっぽいというか。
フランス映画なのかなと思ったらA24だった。すごいな。
ちょっと捻りが効いた鮮やかな脚本が好きな人にはビシッとはまる作品だと思うよ。
刺さるのに心地よい
刺さりすぎて意識が自分に向いた時間が多く、もう一回見てセリフを追いたい笑
パストライブスしかり、3人みんな現実の人間らしくて良い人たちなので嫌な気分にならない。主人公の女性が仕事で成功している(しすぎてない)のも変なバイアスがかからなくて良い。
結婚はビジネスで取引で価値が大切で、でも結局は愛しあえるかが大事だぜ、というのはみんな分かってるんだろうに、この愛っていうのが全てをややこしくさせてくる。
自分の価値を高めた主人公は自分が選ぶ立場になることができている。どんな選択をするにしろ、価値はあるに越したことはない。
チェックボックスの数か、さまざまな数値か、それとも愛か。いずれの価値も絶対的だけど、自分で選択したことはより重要な意味と価値を持つ。
主人公によるソフィへの評価がなんとも切なく、やはり愛は贅沢なものだなと。
生きてるだけで価値があると思い合える相手が欲しいだけなのに、相手には計測可能な価値を求めてしまう矛盾が痛々しくも現実的。
導入部分で、劇場間違えたかな?と思ったのは私だけでしょうか?
DEAL!!
結婚相談所で働く女性が、金はないが好きだった元カレとハイスペオジサマの狭間で悩みながら、仕事でも事件が発生してしまい…と言った物語。
いやぁ、結婚問題は海も国境も越えますね〜。
マッチメイカーとして真面目に顧客に寄り添いつつ、ルーシー自身の恋路を重ね合わせる展開はとにかく面白い…ってかコレ、令和版やまとなでしこですかね(笑)
ホント、この問題って難しいですよね。面倒くさい客に見えるソフィも、あ〜なっちゃそりゃそうも言いたくなるわな。
とは言え、ルーシーだって何もそんなつもりは無いわけだし、現実問題、同じランクの…ってのは綺麗事抜きにしてその通りですよね。…ってか、そこが訴えられちゃうの!?内面まではわからんじゃん!!
そしてハリーも。何気に彼が1番真理を突いているような…。愛するとは一体!?
…ってなことを柄もなく考えさせられるし、理想と現実と結婚問題の難しさをまざまざと見せつけられるし、婚活人なら観ておいてソンはない作品だと思わされた、今年観た中でもトップに近い良作でした。
でも経済力云々より、スムージーにドボンするようなヤツと…いや、なんでもないです。
しかし、それにしても登場人物皆結婚感にクセがありすぎですね〜(笑)そんなんじゃ幸せな結婚なんか絶対にできねぇよ!!www
…と、よい年して独身のワタクシが申しております。
人が求める物理的条件に恋は含まれない、という説
「パストライブス 再会」はとても切なくて良い作品だった。同監督の脚本監督作品であることは見終わってから知った、確かに色の使い方、スクリーンの中の光や色は綺麗でそこは前作と共通している。
最初何となく観ていて気分が悪く、NYのお金持ちのシングルはこんな感じなんだろうか…などと思ったが、マッチメイキングや結婚はビジネス、条件に合わせた取り引き、という言葉を見ると、実際はそんな世界に住んでる人本当にいるのかと思ってしまう。
SATCぐらい振り切ったコメディ要素があれば笑えたのだがかなりマジ要素強く、笑えないストーリー運びが、主題の割に若干重かった。こじらせた 大人の恋愛観ならもう少し上手く描けたのではないか。結婚相手を真剣に探している女性ととにかく若い娘とデートしたい男とのズレは日本でもありそうなグローバルな悲劇。マッチメーカービジネスとしてそこにどう対応するのか、日本映画だったらもう少し掘り下げそうだが、仕方無いじゃないというのがNYなのかも。後半は本当は共感を呼ぶ展開のハズだが、もたついていると言うか、妙な遠回り感でスッキリしなかった。共感度が低かったのは単に自分の価値観が合わなかったからだとは思う。スクリーンが美しいかったのは観ていて良かったところ。
スネにキズ/なんでも延長できる時代
あまりにも陳腐な話であるが、ペドロ·パスカルの脚延長術告白に哀愁を····
ペドロ・パスカル、身長180センチ。
50歳独身。
15センチの延長術はとても危険らしい。
ダコタ・ジョンソンの前で屈んでみせる。
脚本(セリフ)では、ダコタ・ジョンソンも鼻と胸をやっているらしい。
男の部屋で男のワイシャツを着て、ウロチョロするシーンはお約束🤩
韓国人の女性監督の作品。
なるほど韓国ドラマっぽいわけだ。
最近はマッチングアプリで知り合って結婚する人がとても多いらしい。
高収入男性会員は年会費タダ同然のサイトで遊びまくっていた40男の啓介君は結局、お嬢さまと見合い結婚した。
婚活アドバイザーがダコタ・ジョンソンだったら、まとまる話もまとまらないかも。
A24ということで、フェアウェルのオークワフィナがダコタ・ジョンソンの役だったら、婚活話はまとまるだろうけども、2時間も観てらんない😎
A24的恋愛映画
この作品、予告編の印象からだと「愛かお金か」という、昔からあるロマンティックコメディの典型かと思っていました。結末もお約束の「愛」が大事ということになるのだろうな、と。
ただ、A24だから、そんなありきたりな内容にはなっていないはず!とんでも展開に違いない!と過度な(?)不安⋯いや、期待を抱いていました。
おまけに出演者たち。マダム・ウェブ、キャプテン・アメリカ兼ヒューマン・トーチ、ミスター・ファンタスティックですよ! この出演者だけ並べると、「このあと誰かが異次元から来るのでは?」みたいな顔ぶれなんですよね。
これはただごとではないかも?、と(ムダに)ワクワクしていましたが、残念ながら(?)そんなとんでも展開にはならなくて、実際には、身長、容姿、髪の有無、社会的地位などを数値化して市場で評価する「婚活ビジネス」のお話でした。
主人公ルーシー(婚活アドバイザー)がやっている仕事そのものが、人間を条件で分類する仕事で、最初から最後まで、
「条件は本当に人を幸せにするのか?」
という問いを投げ続けている。
面白かったのは、映画が決して「愛があれば全部解決!」とは言っていないところですね。
どちらの男性を選んでも、こっちが正解!とは言い切れない、そういう″曖昧さ″が、この作品を単なる恋愛映画から少し引き上げていたような気がしました。
「どっちの男を選ぶか」というありきたりな問いかけではなく、「人を条件で判断することの限界」と「他者を本当に理解することの難しさ」というのを″これでもか″というぐらい投げかけてきていたように思います。
つまり、このお話にでてくる2人の男性たちがルーシーの心を″揺さぶる″様子がよく描かれていたんですよね。
それほど、男性たちの描き方が良かったと私は思うんです。
ミスター・ファンタスティックなお金持ちの男性は決して金持ちだからと言って、傲慢でもなく、鼻持ちならない嫌なヤツでもない。ルーシーのことをとても大切にし、思い遣りに溢れ、支配しようともしない。彼女に敬意を持って接しいるのがよく分かりますよね。
恋愛映画って、ともすると
お金持ちの婚約者 → 傲慢で冷たい
元恋人 → 不器用だけど心は優しい
みたいな構図にして、見ている側が安心して主人公の選択を応援できるように作ることがあります。
でもこの作品はそうしませんでした。
最終的に「選ばれなかった側」も悪者にしていないんです。
むしろお金持ちの彼は条件が揃い過ぎてるぐらいなのに「選ばれないかもしれない」という不安を抱えていました。
あの身長の話もそうでした。普通なら
「身長コンプレックスをこじらせた男」
として笑いものにされそうな設定なのに、映画は意外と真面目に扱っていましたよね。
彼が味わった苦い思いから″したこと(手術)″として描いている。
そして、手術して人の対応が変わった。人生が変わったことも実感した。
だから私たちも単純に彼のとった″手段″を否定できないんですよね。
つまり、「人間は条件で人を見る」という身も蓋もない現実として置いているんです。
だから苦い。
一方、キャプテン・アメリカ⋯じゃなくて元カレ。
イケメンだけど、女たらしでもなく、ガツガツしていない。一途に役者の道を邁進している真面目で誠実な人です。だけど、お金もないし、将来も不安定、感情的な部分もある、と言う問題を抱えていて、彼を選んだからと言って明るい未来が保証されているわけではない。
過去に別れたのも、その誠実な性格が故に、ルーシーとうまくいかなかった。お金がないからではなく、お互いを傷付けあってしまったからということでした。
だから、後半で2人がいい雰囲気になりかけた時、その場の勢いでまた深い関係が始まるでもなく、彼のほうが少し冷静になり、口論が始まるところは、なかなかリアルでした。
ここで二人とも相手への不満や後悔を抱え続けてたものを、存分に吐き出します。
普通の恋愛映画なら、「実はまだ好きだったんだ!」で抱き合って終わるところを、ちゃんと「でもあの時お前はこうだった」 「いやあなただって!」という現実的な不満や傷を思いっきりぶつけ合います。
しかし、本当に親密な関係ほど、ああいう話になりますよね。お互いにどうでもいい相手なら、そこまで本音を言わない。
だからあの言い争いは仲違いではなくて、むしろ関係修復の始まりだったように思えました。
結局根本にはお互いへの思いが強く残っていた、ということが、さらに、あの口論で関係性を深めることができた、絆を強くすることができた、ということなんではないかなと思いました。
だから、最後にジョンを選んだのは″恋愛映画″の基本からいうと当然の成り行きで、観ているこちらも何となくホッとします。
もちろん、理屈で考えるとハリーを選んでも全然おかしくないんです。なぜなら条件だけなら圧倒的なんですからね。人間的にも出来た人でしたし、もし、ルーシーが彼を選んでも納得する人は多かったのではないかと思います。
それでも観客としてはジョンを選んでほしい気がします。
なぜか?
結局、映画が本当に描きたかったのは「誰が優良物件か」ではなく、「ルーシーが誰の前で本当の自分になれるか」だったからだと思うんです。
もちろん、ハリーはルーシーを大切にしていました。しかしどこかでルーシーは「理想の自分」を演じている。
一方ジョンの前では、みっともない部分も、嫌な部分も、間違った部分も全部さらけ出して喧嘩しています。
つまりジョンとの関係は、商品価値や市場価値ではなく、人間同士の関係になっているんですよね。
だから観ている側は、理屈ではなく感情として、
「ああ、そっちか」
ではなく、
「うん、そっちだよね」
という安心感になるのではないでしょうか。ホッとするといいますか。
別にルーシーが「正しい選択をしたから」ではなく、彼女がようやく肩の力を抜けたように見えたからなんです。
映画の前半のルーシーは、仕事柄もあるのでしょうけど、常に人間を数値化して見ていました。
「この人は何点」 「この人は市場価値が高い」 「この組み合わせなら成立する」
みたいな考え方をしています。
しかし、そうやって他人を評価しているうちに、自分自身もまた評価の対象になってしまっていたんですよね。
「私は何点なんだろう」 「私はどのレベルの男性と釣り合うんだろう」
というふうに。
だからハリーといる時のルーシーは、幸せそうではあるけれど、どこか緊張感がありましたよね。なんか居心地が悪そうというか⋯。
もちろんハリー自身がプレッシャーをかけているわけではないんですよね。
そこがこの映画の上手いところで、ハリーは決して悪くない。
悪いのはむしろ「市場価値で人を見る世界」のほうなんですよね。
一方でジョンの前では、ルーシーは格好悪い姿も見せるし、怒るし、泣くし、言い争う。大人としては面倒な関係です(笑)。
でも、人間らしい。だから最後に彼を選んだ時、「愛はお金に勝つ!」という勝利宣言には見えなくて、「もう採点するのをやめよう」という決断に見えました。
普通なら、「真実の愛が勝ちました!」
で終わる。
でもこの映画は、「いや、でもお金も大事だよね」 「将来の不安も現実だよね」 「条件を見るのも悪ではないよね」という部分を最後まで消さない。
だからルーシーがジョンを選んでも、
「愛が勝利した!」という爽快感より、
「うん……難しいけど、これしかないよな……」という納得に近い感覚になる。
そこが大人向けなんだと思いましたね。
だから、あの役所のラストもとても余韻の残るいいシーンになりました。
なんだかんだあった2人がその他大勢の中に普通に溶け込んでいたからです。
映画の前半なら、結婚もまた条件やスペックの最終到達点みたいに見えていたはずなのに、最後は本当に普通なんですよね。
2人が特別な運命の恋人としてではなく、ごく普通に結婚手続きをしに来たカップルの一組になっている。それが妙に温かいんです
誰も特別扱いされないし、周りにも同じように手続きをしに来た人たちがいる。
ルーシーはずっと「特別な相手」を探していましたが、最後にたどり着いたのは、「特別な条件の相手」ではなくて、
「普通の自分でいられる相手」だった。
だから派手じゃないのに、妙に心が落ち着くラストでした。
王子様とお姫様の物語ではなくて、
「不完全な人間同士が、それでも一緒に生きていこうと決めた」という着地だったように思います。
だからラストは派手なキスシーンや劇的なプロポーズではなく、あの何気ない役所の光景で終わる。
その意味では、意外と恋愛映画というより、大人の人間関係の映画だったような気がします。キャストだけ見るとマーベル映画が始まりそうなのに笑。
始めは、「A24!? これは恋愛映画の顔をした地獄映画かもしれない……」
という警戒から入りましたが、結果として「あ、思ったより真っ当な大人の恋愛映画だった」という安心感を覚え、愛かお金か?という、ある意味で使い古されたテーマを、そのままおとぎ話にしなかったことが良かったです。
今回は意外と真面目に(?)、人間関係と結婚市場を見つめた作品でしたが、その「思ったより苦くて現実的だった」というところに、″まだ″A24らしさが残っていた気がします。
彼の国の婚活事情
年齢、年収、学歴、身長…
愛が大事といいながら、スペックでしか相手を見ない。
しかも、みんな自分のことは棚に上げて、不釣り合いな高スペックを求めて、「いい人がいない!」
アメリカの婚活事情も日本と同じなんだなあ。
そんなに身長、大事なんだ。
そのうえアメリカは人種や支持政党も条件に加わるから、さらに大変なんだね-。
と、彼の国の婚活事情が分かって面白かった。
ストーリーは、何のヒネリもなく、ありきたりすぎて、特筆すべき点は何一つない。
予定調和で綺麗に終わるので、駄作とまでは言わないけど。
まだ結婚に夢を見てる若い年代で観たら、3.5でもいいかもしれない。
現実を知ってる大人世代には、これで素直に感動するのはちょっと無理かな。
相変わらず綺麗なダコタ!にポイントプラス!
ひたすらダコタ・ジョンソンが魅力的
ちょっと長い旅行で映画は3週末飛んでしまったので、観賞予定の作品をあくせく観賞中(笑) 他にも色々やることが溜まっているのでレビューも当分簡略に・・・
ダコタ・ジョンソンは2015年公開“フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ”で魅惑されて以来「絶対観る」女優の一人に。コロナ禍以降はそんなお気に入りハリウッド女優を思うように観れない状況が続いているので、本作予告編で彼女を発見以来公開を心待ちにしていた。 旅行から帰宅後まず本作から観賞。
【物語】
ルーシー(ダコタ・ジョンソン)はニューヨークの結婚マーッチングサービス会社で会員の求める条件をマッチングさせて成婚へ導くマッチメーカー。これまで数々の結婚を成立させ、トップクラスの成績を挙げて来た。
彼女自身は独身生活を謳歌していたが、あるとき自分が結び付けたカップルの結婚式に出席した際に花婿の兄ハリー(ペドロ・パスカル)と顔を合わせる。リッチな投資家ハリーはルーシーに猛アプローチを掛ける。同時にその会場でアルバイトをしていた元カレ・ジョン(クリス・エヴァンス)と偶然再会する。
ルーシーは結婚相手の条件としては完璧なハリーと昔と変わらぬ貧しい暮らしを続けながらも役者になる夢を一途に追い続けるジョンとの間で揺れ動く。
【感想】
昨今日本でもマッチングアプリでの出会いが普通のこととして受け取られるし、現代的設定なので面白そうだと思っていたのだが、ストーリー展開は正直言って凡庸と言ってしまっていい。 昔人間の我々には意外な着地点が待っているのかと思っていたが、やや拍子抜け。
ただ、俺の本作への期待はストーリーよりダコタ・ジョンソン(笑)
彼女は最初から最後まで常に魅力的だったので、観賞目的は十分果たされた。
なので俺は十分満足したが、彼女に興味が薄い人の満足度は低いかもしれない。
全140件中、1~20件目を表示














