「「歌舞伎町映画」の最高峰」愚か者の身分 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
「歌舞伎町映画」の最高峰
今年に入って新宿・歌舞伎町が舞台の映画が増えている。いずれも生きづらさを抱える若者が居場所を探す話だった。本作もそんな「歌舞伎町映画」の一つ。歌舞伎町はもはや駆け込み寺みたいな場所に見えているということだ。本作に登場する歌舞伎町はちゃんとしてたし、結構リアル。行ったこともあるネカフェが登場したりして、とても身近な感覚だった。そんな意味でも親近感が持てる。
居場所をなくし歌舞伎町にたどり着いた彼ら彼女たちに残された道はどうやっても犯罪がからんでしまう。本作でも結構がっつりと犯罪に手を染める若者が登場する。3人の視点で語られる方式だ。タクヤとマモルがやっているのは戸籍の売買。そんなに頻繁に買いたいってやつが現れるのだろうかと心配になるが、意外とニーズがありそうな気もする。序盤はそんな彼らの手法が描かれる。
2人の関係はただの仲間というより、兄弟分に近い存在。マモル→タクヤと視点が変わることで彼らの背景が徐々に明らかになる。希沙良も含め、同情できる部分があって、ただの犯罪者と断じることができない。ここらへんがこの手の物語のキモでもある。
どうしようもなく悪い奴らもいれば、悪いことしてるのに悪い奴になりきれない人もいる。ただ、半グレ組織の上にいる奴らは本当に悪そうだった。ここらへんの演出が素晴らしい。日本映画で闇ビジネスをここまでエグく描けるのはなかなか勇気がいる。あんな金歯怖すぎるよ!
梶谷の視点となる最終章はいろんな伏線が回収される。どん底にあっても人の優しさは存在するってことか。本当の兄弟のように思いあった彼らがたどり着いた結末は、バッドエンドに見えるがわずかな希望を見いだせるものだった。爽快感はないが、嫌な気分でもない。こんな結末もアリだよなと思わせる。クライムサスペンスだけど、青春ものだし、義兄弟を描いた物語でもある。なかなかムネアツな映画だった。「歌舞伎町映画」(そんなジャンル分けはないが)の最高峰だと思う。原作でも続編があるから、映画でもぜひ続編を作ってもらいたい。
kenshuchuさま
フォロバありがとうございます🙂
『愚か者の身分』は「ノワール」って言われると少し違う気がしてたので、「歌舞伎町映画」って良いですね。
他には『ミーツ・ザ・ワールド』『炎上』と、今秋リメイクされる『竜二』も歌舞伎町ですね。
「みいちゃんと山田さん」「ウリッコ」も、映画化されたら「歌舞伎町映画」になりますね。
『愚か者の身分』は映画を観た後で原作と続編も読んで、もう一度映画館に行って涙が止まりませんでした。
映画の続編は、劇場版が無理ならNetflixでも良いから制作してほしいです。(Netflixの映画TOP10にずーっとランクイン中です)
kenshuchuさんは、「⽇本映画批評家⼤賞」受診記念のリバイバル上映に行かれたんですか?
6月1日の「第35回⽇本映画批評家⼤賞」授賞式。『愚か者の身分』が作品賞・監督賞・主演男優賞・新人男優賞、『国宝』を超えて最多4冠受賞。
北村匠海さんのスピーチ「自分が一番大事にしているものを捨てて初めて見つけた」「作品の旅路のゴールとしてふさわしい賞」が胸熱でした🥲
※昨日発売のBlu-rayの特典映像と監督のnoteで、また泣いてしまったのでコメント長くなってごめんなさい。

