スパイダーマン ブランド・ニュー・デイ

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劇場公開日:2026年7月31日

解説・あらすじ

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に属する、トム・ホランド主演の「スパイダーマン」シリーズ第4作。前作「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」の4年後を舞台に、人々の記憶から消えたピーター・パーカー=スパイダーマンの新たな戦いを描く。

愛する人たちを守るため、全世界の人々から自分の存在の記憶を抹消する道を選んだピーター・パーカー。自分のことを誰も知らないニューヨークで孤独に暮らしながら、スパイダーマンとして犯罪と戦い、街の人々を守ることに全力を尽くす日々を過ごしていた。しかし人々のスパイダーマンへの期待が高まるにつれ、そのプレッシャーが彼の存在そのものを脅かし、命に関わる身体的変異を引き起こしてしまう。時を同じくして、街では不可解な犯罪が頻発し、かつてない脅威がスパイダーマンに迫る。

共演にはMJ役のゼンデイヤ、ネッド役のジェイコブ・バタロンら前3作でおなじみのメンバーに加え、MCUドラマ「デアデビル」「パニッシャー」に登場するフランク・キャッスル=パニッシャー役のジョン・バーンサル、「アベンジャーズ」のメンバーであるブルース・バナー=ハルク役のマーク・ラファロも参加。監督は前3作を手がけたジョン・ワッツに代わり、「シャン・チー テン・リングスの伝説」のデスティン・ダニエル・クレットンが担当。

2026年製作/145分/G/アメリカ
原題または英題:Spider-Man: Brand New Day
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2026年7月31日

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(C)2026 CPII. All Rights Reserved. (C)& TM 2026 MARVEL

映画レビュー

4.0 より深みを増したアクションとドラマが胸に迫る

2026年7月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

トム・ホランド版の第一作『ホームカミング』の公開から9年が過ぎ、スパイディは今やすっかり青年期を越え大人への階段を昇っているようだ。驚かされるのはトーンの変容で、以前のようなワイワイと賑やかな雰囲気ではなく、本作には新たなNYでの日々と共に、触れ合いたいのに触れ合えない寂しさ、孤独、複雑ささえもが横たわる。そこで訪れる身体の変異。未知なる能力を持つ敵の出現。街を颯爽とスウィングするリズムに加え、宿敵の人から人へ伝播しながら駆け巡る動きも印象的。でもそれ以上に心に訴えかけるドラマ部分が豊富なのが本作の特徴だろう。お馴染みの三者だからこそ踏み込めた新展開があり、あのキャラこのキャラが顔を出す楽しさがあり、『ショートターム12』のクレットン監督らしさも『ジャン・チー』以上に際立つ。そして何よりホランドの俳優としての成熟ぶり。これまでになかった表情、心情、身体つきが胸に迫る、成長著しい仕上がりだ。

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牛津厚信

4.0 いい意味で複雑にアップデートされた待望のシリーズ最新作

2026年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

興奮

トム・ホランドがピーター・パーカー=スパイダーマンを演じるリニューアルシリーズの最新作は、前作『スパイダーマン: ノー・ウェイ・ホーム』('21年)で描かれた出来事、つまり、ピーターが愛する人たちを守るために彼らの記憶から自らの存在を消し去ったことを、いかに修正するか?というのが重要なポイントの一つ。そして、スパイダーマンの前に現れたヴィランがあからさまな悪の象徴ではなく、スパイダーマン自身が抱え込む拭いきれない苦悩を共有する存在として現れる点がもう一つのポイントだ。スクリーンに登場してから約四半世紀が経過したシリーズは、スーパーヒーローものから青春映画の扉を拓いた今、より、複雑で味わい深い作品にいい意味でアップデートされている。まず、それが率直な感想だ。

トムホ主演のシリーズ3作を監督したジョン・ワッツがメガホンを受け継いだデスティン・ダニエル・クレットンは、マイケル・B・ジョーダンの隠れた代表作『黒い司法 0%からの奇跡』('19年)からマーベルの『シャン・チー/テン・リングスの伝説』('21年)までをカバーするハワイ・マウイ島生まれの日系アメリカ人を母に持つ注目の逸材。ハリウッドメジャーはフランチャイズムービーの監督を選ぶ際、大胆すぎる選択をしてたまに外すこともあるが、今回は大成功だったようだ。

ビジュアル的には、舞台がニューヨークに戻ったことで摩天楼の間を自在に浮遊するスパイダーマンの自由と歓喜が伝わる空中シーンと、糸が繋ぎ、結び、吊るし、塞ぐ場面、そして、ラスト近くに用意されているピーターとMJのあるシーンにうっとりしてしまった。

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清藤秀人

5.0 「最高傑作」だった前作からの期待に応えてくれる傑作映画!

2026年7月30日
スマートフォンから投稿

前作の「スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム」は映画史に残るレベルの最高傑作であったが、難点があるとしたら、最大限に楽しむには、最低でもサム・ライミ監督以降の「スパイダーマン」シリーズを全て見ておいた方が良い点や、「アベンジャーズ」シリーズも見ておいた方が望ましいなど、予習事項が多かった点だ。
ただ、それらの設定や過去の物語などを見事なまでに有機的に構成する事に成功し、通常のスーパーヒーロー映画とは比較にならないほどの「心に突き刺さるような名作」となった。
そんな「最高傑作」後の本作には当然期待も大きくなるが、決して期待を裏切らないような出来だった。

字幕版と吹替版の両方を連続で見たが、最初の字幕版の際には、少し人物などが入り組んでいるように思えて「まあまあかな」と思える程度の感想だった(この時点だけで評価を求められたら星4とかを付けざるを得なかったでしょう)。
ただ、思いのほか吹替版の出来が良く、例えば字幕版の冒頭のセリフは「誰に向けたものなのか?」も幾つか可能性があって判断できずにいたが、それらも含めディテールが吹替版だと全て理解ができて、ようやく本作の正当な評価が可能になった。
結果は、想像以上に「前作からの4年後」を的確に構築する事に成功していて、「少しの無駄も感じる事の無い傑作映画」と言えるだろう。

さて、本作を鑑賞する際には、理想的には前作くらいは見ておいた方が良いが、とりあえず「世界を救うために、主人公のピーター・パーカーが自分についての存在の記憶を、世界から消してしまう、という選択をせざるを得なかった」という点だけは大前提になっているので必ず押さえておきましょう。
そして、当然その選択は「親友や恋人との関係性も消し去ってしまう」ことも意味する点が、前作からの4年後を描いた本作では、特に重要になるわけです。

字幕版のエンドロールの最初に流れる歌は元々短めでそこまでインパクトを感じないものであったが、吹替版のMrs.GREEN APPLEの歌は同じ長さでもインパクトがあり、それも含めて、内容を理解しやすくアクションシーンにも集中しやすい吹替版での鑑賞もお薦めしたいです。
ただ、字幕版の場合には1箇所だけ「日本語のセリフ」が突然出てくるシーンがあるのです。一方、吹替版だと、それも含めて日本語になっているため、その点に気付けないのは唯一の弱点と言えるのかもしれません。
なお、エンドロールが終わっても短めな映像があるので最後まで席は立たずにいましょう!

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細野真宏

3.0 もっと感動作になれた。初代は超えられない。

2026年8月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

今までのマーベル、X-MEN、ソニー作品も含め系統の映画ドラマ全て見た上での評価。

やっぱり、他の作品を絡めなきゃいけないっていうところが最大の弱点。

映画単品での完成度はやっぱり落とす。
もう本当に、ケビン・ファイギはよろしくない。
こういうやり方をするから、金儲けの手段みたいに言われてしまう。映画として価値が低いみたいに言われてしまう。それはそうだろう。

2代目女スパイも、パニッシャーも、ヴィランも、全てが余計。なぜ、もっとピーターの内面に迫るような作品にできないのか。

ノーウェイホームは本当に傑作だった。
トムホ版の1作目と2作目は本当にライトで、深みがなくて、なんか本当に駄作になっちゃったなと思ってたら、最後にやってくれた。

大いなる力には大いなる責任が宿る、それをしっかりと体現してくれた。だからこそ、愛する人に愛されなくても、ヒーローとして立ち上がる強さやかっこよさが十分に描けていた。

なぜそれを捨て去ろうとするのか。
理解に苦しむ。正直、このスパイダーマンの映画で一番燃えたのは、全てを犠牲にして多くの敵と戦い、孤独に耐えながら、それでも前に進み続ける、冒頭のシーンだった。ここで震えが来た。
かっこいいなと思った。でもそこが最高潮だった。

娯楽映画として見れば決してつまらなくはない。アクションもあるし、様々なキャラクターが登場することで、MCU作品としての豪華さもある。

しかし、単体作品としてはどうしても初代スパイダーマンと比較しても見劣りする。

特に初代スパイダーマン2。この作品が素晴らしかったのは、敵が強かったからでも、世界の危機を描いたからでもない。

「ヒーローとして生きることと、自分自身の人生を生きることは両立できるのか」

その問いを、ピーターの苦しみそのものとして描いたからだ。

今回の作品にも、それに匹敵するテーマになり得るものはあった。特にMJとの関係だ。

MJはピーターを忘れ、大学で約4年間、安全な人生を送ってきた。それなのに、ピーターはなぜかもう一度彼女に近づく。4年間が辛かったんだ、と、なんとか説得力を持たせようとしているが、ちょっと無理がないか。

しかも、MJが再びピーターにとって大切な存在になったことで、彼女は敵から狙われることになる。

「君を守るために言ってなかったんだ」とピーターの発言に、「たったこれぐらいの間に何度も殺されそうになったわよ」とMJ は答える。

いやしかし、それはヴィランがお互いの存在を知ってしまったからであって、やっぱりノーウェイホームの選択は正しかったことを証明している。

なのにその辺りがさっと流されてしまって、大きな矛盾を生んでいる。ここがこの映画の最大の弱点だと思う。

「だから4年間の選択は正しかったんじゃないか」
なぜ誰もスタッフはこれに突っ込まなかったのか。突っ込んだけど、もうこれでいこうになったのか。

もし作品を深く掘り下げるのであれば、もっとテーマ性は深くできたはずである。

愛する人を危険から守るために、その人の人生から自分が消えることは、本当に「愛」なのか。

ピーターからすれば、身を引くことは究極の自己犠牲かもしれない。しかし、それをMJの側から見ればどうなのか。

MJには真実を知る権利がある。そして、危険があると知ったうえで、それでもピーターと生きるのか、それとも離れるのか、自分の人生を自分で選ぶ権利がある。

ピーターが「君を守るためだ」と言って一方的に身を引くことは、本当に優しさなのか。それとも、MJから選択する権利を奪っているのか。

逆に、危険に巻き込む可能性があると分かっていながらMJのそばにいることは、愛なのか、エゴなのか。

愛するとは、相手のために身を引くことなのか。
それとも、危険も含めて真実を共有し、それでも互いを守りながら生きていくことなのか。

今回の作品には、そこまで踏み込める材料があった。

「あなたのことを愛していない」という結論でも本当に良かったと思う。それでも愛するから守る、そういうエンディングでよかったんだと思う。

そこから新しくMJ がピーターのことを好きになる。もしくはそれでも前を向いてお互いが生きていく。そういう展開でもよかったんじゃないのか。

そうしたピーターの内面を掘り下げるよりも、他のヒーローを登場させ、戦いを大きくし、MCU全体の世界を広げる方向へ進んでしまう。

ここに、現在のマーベル、そしてケヴィン・ファイギ体制に対して感じている不満がある。

「もっと大きな世界を見せる」「別作品とつなげる」「次の作品につなげる」という発想が先に立ちすぎて、一本の映画として何を描き切るのかという感覚が麻痺しているように見える。

ユニバースを作ること自体が目的になってしまえば、一つひとつの映画は巨大なシリーズを維持するための部品になってしまう。

それでは「マーベルは結局、人気キャラクターを次々に登場させて金を稼いでいるだけだ」と批判されても仕方がない。

本来、MCU の作品の中でも、スパイダーマンに求めているのは、世界を救う壮大さではない。
力を持ってしまった一人の青年が、その力ゆえに何を失い、それでもどう生きるのか。
そこにスパイダーマンという作品の本質があると思う。

今回の映画には、「自己犠牲とは何か」「愛するとは何か」「愛する人の人生を自分が決めていいのか」という、非常にスパイダーマンらしいテーマを描ける可能性があった。

そもそも、だからこそ、ストリートのレベルで描こうとしたんじゃないのか。スパイダーマンこそ、人間ドラマを描ける存在だったはずだ。

だから、惜しい。

『スパイダーマン2』が100点中95点なら、今回は55点。派手さが足りなかったから55点なのではない。

むしろ、派手さを追い求めることで、ピーター・パーカーという人間を描く絶好の機会を逃してしまった。

そこが、今回一番残念だった。

ミズマーベルが「ヒーロー映画をみんな求めていたのよ」みたいなことを言ってるが、スパイダーマンのネームバリューとこれまでの実績があるからこそ、みんな観に来るわけで、あんまり調子に乗らない方がいいと思う。

もっともっと超えてきてほしい。
私にとってもだが、多分多くの人が、青春時代の糧に、スパイダーマンの映画を楽しんできたと思うから。

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ばーど

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