オリビアと雲のレビュー・感想・評価
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ふしぎと最後まで楽しめた
(非常に)豊かな表現で描かれる愛の物語
12人のアニメーション・アーティストが、1つのラブストーリーを描いた異色のアート作品。シーン毎に作画が変わり、実写も交え、様々な技法を用いて感情の機微を表現しています。まるで美術館の展覧会に放り込まれたかのような感覚を味わえます。
普段観ているアニメと違い、ストーリーが分かりづらく、所々よく分からないシーンが挿入されます。頭に「?」を浮かべながら「これはなんだろう?何かを表現しているのかな?」なんて考えていたのですが、考えるだけ無駄な気がして(笑)ただひたすらこの芸術作品を浴びることにしました。
映像はよく動くし、音楽も凄く面白いので全く飽きることなく最後まで観れました。愛が美しいだけでなく、切なく、苦しく、そして時に恐ろしさや孤独をも生み出す複雑な感情であることが描かれていたと思います。
とはいえ、やはり普段から美術作品に触れていないと、この表現方法は結構ハードルが高いと思います。映画を観る…というよりアート作品として割り切って観るなら、非常に充実した80分を過ごせるんじゃないかなぁと思います✨
本作は埼玉県川越にある、創業から約120年の歴史を誇るスカラ座にて鑑賞致しました。明治38年に寄席「一力亭」として開業、昭和15年に映画館「川越松竹館」に、38年に川越スカラ座へと改称。スクリーンは一つのみ、客席数124席のいわゆるコミュニティシネマです。
外観、内装含め昭和の香り漂うレトロな雰囲気。客席は段差があまりないフラットなタイプですが、スクリーンは割と大きく見やすいです。場内暗転の際には「ブビー!」というブザー音が流れます。シネコンでは上映されない作品や、過去の名作のリバイバル上映などやっています。ご興味を持たれた方は是非✨
映像詩的なアニメ
凄まじい色彩とイマジネーション
to the moon
アートチックに描かれるアニメ作品ですが、様々な技法を取り入れており、多くのクリエイターたちが参戦しながらも全く物語がごっちゃにならない上手な作りに感心しっぱなしでした。
画面比率が4:3で進んでいくというのもなんだか斬新で、いつも観る横長の光景とはまた違うものがあって良かったです。
2組の男女の物語が入れ替わるように描かれていき、オムニバスではあるんですが、世界観を共有しているような感じもあって面白かったです。
オリビアとラモンの物語は、オリビアがベッド下に何かを隠しているという不思議なところから始まりますが、これがどう繋がっていくんだろうというワクワク感がしっかりありました。
オリビアが持っているカバンの正体が明かされてからはゾッとしまくりなのも良かったです。
そこからのバルバラとマウリシオのアーティストカップルがあまり仲がよろしくないであろう状況がしっかり描かれ、マウリシオが優柔不断すぎてコイツ…って思いながら観ていましたが、バルバラの判断が凄まじく早いので爽快感も確かにありました。
サバサバしている友人のユデルキも良い味を醸し出していました。
ラモンが街中でオリビアにキスをした時にはおいおいと思いましたが、帰って植木鉢に吐いた唾が栄養になったのか育って女性の自我が植物になって目覚めていく展開は狂気が詰まっていてとても良かったです。
徐々に大きくなっていきますし、嫉妬もふんだんにしちゃいますし、最終的にはとんでもない事になっちゃやったりと、決して誰かが酷い目に遭うって訳ではないのにここまでゾクゾクさせられたのは強烈でした。
アニメーションの手法が盛りだくさんで、紙をくしゃくしゃとして場面転換するのが1番お気に入りです。
水彩画だったり、砂だったり、ストップモーションだったり、1本の映画でここまで詰め込まれたものが観れるってとんでもなく贅沢だなとヒシヒシと感じました。
音楽も心地が良いものが揃っており、かなり聞き入りましたし、アニメーションのタッチに合っているなと思いました。
ドミニカ共和国の映画が日本に上陸する事自体珍しいと思いますし、不思議なアニメ体験が出来たのも良かったです。
じゃんじゃん日本に送り込んできてくださいな〜。
鑑賞日 1/27
鑑賞時間 16:55〜18:25
前衛芸術ごった煮
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