「他人の人生を演じながら、自分の人生を取り戻す」レンタル・ファミリー AZUさんの映画レビュー(感想・評価)
他人の人生を演じながら、自分の人生を取り戻す
世間体や普通の圧力が強く、人間関係の衝突を避けがちの日本社会は、他人を頼りにくく、弱さを見せにくい。
だからこそ、金銭で成り立つこの「レンタルファミリー」はドライで後腐れがなく、日本では需要があるサービスなのかもしれない。
そんな特殊な「レンタルファミリー」という仕事を通して、アメリカ人である主人公フィリップが、徐々に自分自身の輪郭も取り戻していく過程が素晴らしかった。
結局形は嘘でも、そこで生まれる感情まで嘘にはできない。
どんな関係であれ、人と人とが心を通わすことができれば、そこに生まれる絆は、本物になることを教えてもらった。
そんな主人公フィリップを、アカデミー賞俳優のブレンダン・フレイザーが、繊細で優しく心の機微を丁寧に演じられていて、本当に素敵だった。
また、見慣れているはずの日本の風景が、どこか外側から観察されているように見え、美しく新鮮に見えた点もおもしろかった。
外国の人から見た日本は、こんな感覚なんだろうか。
私が特にこの作品でお気に入りのシーンはラストのシーン。
結局、人生を良くも悪くもするのは誰なのか。
選び取って、決断して、自分自身を信じることができるのは誰なのか
フィリップの変化を見ていると、その答えを静かに示されているような気がした。
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