「なんという優しさと温もりに満ちた映画」レンタル・ファミリー 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
なんという優しさと温もりに満ちた映画
なんと温もりに満ちた映画だろう。日本ならではの社会、心理、文化のラビットホールに入りこんだ外国人を主軸に、思いがけない人間模様が像を結んでいく。どこにも安易な悪者を作らず、かと言って怪しげなジャポニズムに甘んじることもない。だからこそ日本人の観客も安心して本作に身を委ねられる。来日7年目にして天職へと導かれていくフィリップ。その姿がユニークで愛らしく、なおかつ我々の胸を揺さぶってやまないのは、彼が常に嘘のない人との繋がりを求めるから。あれほど胡散臭かった仕事がいつしか「誰かにとって掛け替えのない何者かになる」という、あらゆる人間にとっての普遍的な使命のように思えてくる過程も心を打つ。あの体全体から優しさと慈愛を発するフレイザーだからこそ、これほど皆を照らし合う人間ドラマが成立したのだろう。演技、演出、ヨンシー&ソマーズの心が濾過されるような音楽に至るまで、大切な人への贈り物のような一作だ。
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